今季メジャー初戦。渋野は4位に終わるも、岡本綾子以来の快挙達成!
「いまどきツアーをデータ斬り!」国内外のゴルフツアーをあらゆるデータで一刀両断 Vol.126
女子メジャーの今季初戦、シェブロン選手権で渋野日向子が4位に入った。この大会ではあのレジェンドしか経験したことがなかったある快挙も達成。それは何か?
今季メジャー初戦。渋野は4位に終わるも、岡本綾子以来の快挙達成!
渋野はシェブロン選手権2日目に首位に立った。メジャーでの首位は全英女子オープン、全米女子オープンに次いで3大会目だ。
メジャーの異なる3つの大会で首位を経験した日本選手は男女を通じて過去には岡本綾子しかいない。渋野は岡本に並ぶ快挙をやってのけたのである。
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しかも、そのスピードがすごい。渋野はメジャーデビュー戦の2019年全英女子オープンで3日目に首位に立つと、そのまま優勝。2日目と3日目に首位に立った2020年全米女子オープンはメジャー5試合目。そして今回のシェブロン選手権がメジャー10試合目だ。
岡本がメジャーで初めて首位に立ったのは1986年の全米女子プロ2日目。メジャー15試合目のことだった。このデータと比べれば、渋野のスピード感が分かっていただけるのではないだろうか。
米女子ツアーで17勝、1987年には米国選手以外で初めて賞金女王に輝いた岡本はメジャータイトルにはついに縁がなかった。それでも、2位が6回、3位が4回など、メジャーでは優勝争いの常連だった。そんなレジェンドをしのぐ大舞台での強さを発揮しているのが渋野である。渋野はメジャー以外の米女子ツアーでは一度も首位がない(シェブロン選手権終了時)というのも面白い。
大会前にこのコラムで書いたが、シェブロン選手権は日本選手にとって最も相性が悪いメジャーである。メジャーになった1983年以降、首位に立った日本選手は2016年(初日、2日目)の宮里藍しかいなかった。岡本も、この大会だけは首位がなかったのだ。
今回の渋野の4位は2001年に福嶋晃子が記録した2位に次ぐ日本選手歴代2番目の好成績。2日目と最終日にマークした66は日本選手大会タイ記録だった。大会創設時からの会場だったミッションヒルズCCの最終年に足跡を残した。
次のメジャーは6月の全米女子オープン。渋野の活躍がますます楽しみになってきた。
今シーズンの初メジャーで4位タイ!渋野日向子のパフォーマンスに見る今後の展望
米女子ツアー「シェブロン選手権」の2日目に猛チャージをかけて66、しかし3日目に大失速、そして最終日に驚異的な底力を発揮...
渋野日向子が首位に立ったメジャーの各日スコアと順位
大会 | 初日 | 2日目 | 3日目 | 最終日 |
---|---|---|---|---|
2019年全英女子オープン | 66(2位) | 69(2位) | 67(首位) | 68(優勝) |
2020年全米女子オープン | 68(2位) | 67(首位) | 74(首位) | 74(4位) |
2022年シェブロン選手権 | 69(10位) | 66(首位) | 77(21位) | 66(4位) |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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