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スリクソンX3はドライバー命のゴルファーの新兵器になるか?!

2022年プロドラコンツアー公式球のスリクソンX3をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/03/17 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

スリクソンX3

新しい『スリクソンX3』は、プロドラコンツアー公式球という宿命を背負った飛距離追求型のボールである。コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。

撮影/篠原嗣典

『スリクソンX3』が飛距離追求するのは当たり前!

ダンロップは、2022年4月8日に『スリクソンX3』を発売する。

コピーは、“「REBOUND FRAME(リバウンド フレーム)」構造でドライバーでの大きな飛びとソフトな打感を両立”である。

前モデルの『スリクソンX2』は、飛距離性能が優れているだけではなく、普通に使用してプレーして、ちゃんとスコアメイクも出来る総合力を持ったボールで、個人的に高評価をしていた。
そのボールよりも、新しい『スリクソンX3』は、飛距離性能も、使い勝手も向上させることに成功したという。
非常に興味深いのである。

テクノロジーとしては、『XXIO ボール』で、その機能性の高さを証明した「REBOUND FRAME」構造を『スリクソンX3』専用に飛び特化型にチューニングしている点に注目している。
コアは柔らかくして、ミッド層を硬めにして、カバーもやわらかいという三層構造は、素材の見直しなども行って、高打ち出しと低スピンを実現できたというのだ。

そして、カバー部分を前モデルよりも5%ソフト化したという。
ソフトな打感は、2022年のゴルフシーンでトレンドを通り越して、スタンダードになりつつある。

最後にもう一つ、アライメント機能を持たせたサイドマークも改良して、シンプルに縦ラインを追加して、より機能しやすくなったという点にも注目した。

『スリクソンX2』に続いて、『スリクソンX3』も、JPDA(日本プロドラコン協会)プロドラコンツアー公式球になった。
ドラコンプロが認めるボールという称号は強力なアピール力があるが、十字架を背負うようなプレッシャーもあるはずだ。メーカーの開発チームは、相当に頑張ったものと推測できる。

『スリクソンX3』への期待はますます膨らむ。
メーカーのリリースでも、「飛距離追求」という文字が目立つ。飛んで、ちゃんとスコアメイクも出来るボールならウェルカムである。

メーカーのご厚意で、特別に『スリクソンX3』をいち早く用意してもらえたので、ワクワクしながらコースに持ち込んで、試打ラウンドをスタートした。

ダンロップの飛距離追求型のボールである『スリクソンX3』
ダンロップの飛距離追求型のボールである『スリクソンX3』

『スリクソンX3』はベストスコア更新を狙えるボールになるか?!

『スリクソンX3』の一発目は、ドライバーの芯に当たって、高い打ち出しで高弾道を描いて、ほぼストレートに飛んでいった。飛距離は220ヤード。ヘッドスピード40m/sだと、飛距離性能はトップレベルだ。
前モデルもトップレベルの飛距離性能だったが、それよりも、更に低スピン化が進んだ感じはするが、それを上手く利用できるのは、ヘッドスピードが速いハードヒッターになる可能性が高い。

スプーン、ウェッジと続けて打ち、グリーンでパットもした。
打音については、ちょうど良い音量で、音質も高温で残響もきれいなので好感を持てる。打ち応えは、かなりやわらかいほうに分類されるが、打音が比較的カチッとしているので、戸惑うゴルファーもいるかもしれない。

個人的にちょっと気になったのは、ショートゲーム、特に、パッティングでの打音が小さくなるのは、狙ったチューニングなのかもしれないが、僕はあまり好きではないので、残念に感じた。
とはいえ、しっかりと打ちたいゴルファーの多くは、打音が小さいほうが安心して打てるという傾向もあるので、マイナスではなく、プラスに働く割合が多いかもしれない。

ドライバーは、高弾道になるが、その他のクラブでは高めの中弾道になり、浮力も最小限なので、ボールが上がりにくいゴルファーには使いづらいかもしれない。

ミドルアイアンまでは低スピン傾向が強いが、ショートアイアンになると、急にスピン性能が上がり、ボールが止まるようになる。この辺りは、とても上手く出来ていて、スコアメイクがしやすい、と感じた。

『スリクソンX3』は、元々、かなり飛ぶボールだったので、飛距離性能のアップはわかりにくいかもしれない。
前モデルは、ヘッドスピード40m/sの僕でも性能を引き出している感じがしたが、『スリクソンX3』はヘッドスピードがもっと速いゴルファーのほうが性能を引き出せるように感じた。

プロドラコンツアーの参加選手は、当然、ヘッドスピードが速いはずなので、公式球としての宿命から考えれば、ハードヒッター用の進化は当然なのであろう。

総合力の向上については、無意識でも多くのゴルファーがラウンドで使用すれば感じられるはずだが、個人差があるのも現実だ。
個人差を越えて明確なのは、やわらかい打ち応えが生む効果である。
好き嫌いを含めて、この辺りをどう評価するかは難しい。

一点だけ注意が必要なのは、ウェッジのフルショットとロングレンジのアプローチだ。
しっかりとスピンがかかるようなショットで、ボールがリコイル現象を起こしたケースが2回起きたのだ。
一昔前まで、ディスタンス系のボールでは、よくあったが、カバーに強いスピンの動きがあると、内側の素材が逆側に動いて、スピンを消してしまうのが、リコイル現象で、距離感を打ち消してしまう厄介者なのだ。
少なくとも、令和になってからは、初めて経験したので驚いた。

ただし、これは、使用したボールだけが素材の隙間に不具合などがあった可能性はある、と書いておく。
ダンロップのボールは、ごく稀ではあるが、そういうエラーボールが市場に出てしまうケースがあると報告されているからだ。

『スリクソンX3』は、『スリクソンX2』が好きだったけど、ドライバーでもう少しスピン量が落ちれば、と感じていたゴルファーには、強くオススメする。生涯最高のドライバー飛距離を達成できるかもしれないからだ。

ツアーボールの『スリクソン』シリーズのボールを使用していて、パワー不足を感じてのボール変更の場合には、『スリクソンX3』はあまり良い結果にならないと思う。

『スリクソンX3』は、良くも悪くも、飛距離追求型を徹底したボールなのである。
前モデルの総合力のアップは顕著で、ターゲットは普通のヘッドスピードだったと感じたが、それに不満を持つゴルファーに寄せてのモデルチェンジだと考えればわかりやすい。

ベストスコア更新を狙うほど明確な総合力の向上ではなく、生涯最高のドライバー飛距離を狙うために、使用すべきボールとして『スリクソンX3』をテストしてみることは、きっと楽しくもあるので、強くオススメする。

目的に応じた個性的なボールとして『スリクソンX3』は多くのゴルファーを満足させるであろう。

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家

篠原嗣典。ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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