ミケルソン発言で激震! PGAツアーとスーパーゴルフリーグ 打開策は悩めるミドルエイジの試合共催!?
佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー
ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 No.599/123ページより
マスターズ出場さえも自粛することになった顛末とは
サウジアラビアのオイルマネーを背景としたスーパーゴルフリーグ(以下SGL)の出現やフィル・ミケルソンのPGAツアーに対する不適切な言葉を含む批判の影響で選手たちは分断、PGAツアーも揺れた。
ミケルソン発言の主旨は、30年の歳月をツアーでプレーした積年の疑問と提案だった。非営利団体であるツアーの全収入に比べチャリティー額が少ないこと、最大功労者である選手への分配額増、ツアーの構造改革などの改善案。
が、感情的な表現に批判が集中し、無意味な出場自粛にまで発展したことは残念だ。SGLを主導するグレッグ・ノーマンが巨額の契約金等でトッププロに参加の打診をしていることをPGAツアーは敵視し、選手のSGL参加を厳しく規制したのは御存知のとおり。
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SGLのコンセプトはトップ50で高額賞金を争う試合を年間10試合程度開催すること。すでに20人近い選手と仮交渉を終え、そのほとんどが40歳代のビッグネームのプレーヤーたちだと聞く。
SGLはPGAツアーとの敵対を望んでいるとは思えない。ノーマンはゴルフ界のさらなる発展を願い、約30年前から描いてきた新ビジョンを実現することが目標であることは確かだ。話し合いでPGAツアーはこの事態をチャンスとし、新たな挑戦をしてほしいと思う。
そこで一つ提案がある。SGLと共に40歳代から50歳代のメジャーや世界選手権等の勝者を中心としたミドルエージによる、プレミア試合の共同開催だ。想起したのは90年代前半、当時の大人気選手で15勝、92年マスターズ勝者フレッド・カプルスを中心に40歳代によるツアー構想が別機構から発案されたこと。が、PGAツアーと選手の出場資格が問題になり実現しなかった。
SGLに興味を示した選手にとって契約金だけが魅力というわけではない。アダム・スコットが述べたのはゆとりの日程。子供たちが成長し以前のように試合に同行する機会が減り、家族との時間を求めている。40歳代の実力もかつてとは違う。50歳で全米プロ選手権でメジャー最年長優勝を飾ったミケルソンがそれを証明している。
彼らは20年以上ハードな転戦生活を送り体力、気力の維持に変化を感じフレッシュな何かを求めている。
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SGLの誤算はタイガー・ウッズの自動車事故による負傷だ。もしウッズがプレー可能で興味を示したなら多くの選手は耳を傾けただろう。ウッズの現状はスイングができても4日間の歩行が困難なこと。カート使用可能など規則を柔軟にすればウッズは新試合でのプレーに前向きになるかもしれない。
選手の出場選択の自由が叫ばれる今、彼らがメインとなる試合開催は好機だと思う。痛烈な言葉の応酬や争いではなく未来のために協調、協力の道を探し、ファンのために前進してほしい。
●文/佐渡充高
さど・みつたか
上智大学法学部卒業。1985年に渡米し、USPGAツアーを中心に世界のゴルフを取材。NHKゴルフ解説者。
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