やさしすぎず、むずかしすぎず、ちょうど良い相棒に相応しい『JAWS RAW ウェッジ』!
キャロウェイの『JAWS RAW ウェッジ』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
『JAWS RAW ウェッジ』は、どこが新しくなって、どんな使い方が合っているのかをレポートする。
撮影/篠原嗣典
3年振りのモデルチェンジに期待が集まる『JAWS RAW ウェッジ』!
キャロウェイは、2022年7月22日に『JAWS RAW ウェッジ』を発売する。
『JAWS RAW ウェッジ』のコピーは、“JAWSのスピン性能は、ノーメッキフェースと次のレベルへ”と、“生溝で噛みつく”である。
初代の『JAWS RAW ウェッジ』は、『マックダディ 4 ウェッジ』の後継機種として2019年に発売された。新しい『JAWS RAW ウェッジ』は、3年振りのモデルチェンジである。
名前の『RAW』は、“生”という意味で、フェース面をコーティングしない『JAWS RAW ウェッジ』の最大の特徴を表している。
スピン性能を最大まで高めたツアーウェッジが、『JAWS RAW ウェッジ』なのである。
新たなテクノロジーは、バックフェース下部にある四つの穴の使い方である。
54度、56度は、一つ、56度と、58度は、二つのタングステンウェイトをトウ側に装着しているのだ。
重心位置をフェース中央に寄せるためで、インパクト時にヘッドのブレが出にくくなるという。
ソールのグラインドも、ツアー選手の意見を取り入れて4種類が用意されている。
細かいところだが、「Zグラインド」は、リーディングエッジのサイドも面取り加工されている。ソールの切れ味が増す効果があることは、すでに証明されている。
「Sグラインド」は、スタンダードなソール。「Wグラインド」は幅広なソール。「Xグラインド」はフェースを開きやすく、打ち込んでもしっかりと跳ねるようなソールになっている。
ヘッドの仕上げはクロムメッキと、マット感のあるブラックになっている。
ロフトは48度から60度までの2度刻みだ。
ツアーウェッジとして、十分なラインアップである。
今回は、クラムメッキ仕様、シャフトはダイナミックゴールドS200、48度のウェッジと、56度の「Sグラインド」と「Wグラインド」をコースに持ち込んで、『JAWS RAW ウェッジ』をじっくりと試打をしてみた。
ツアーウェッジの敏感さと遊び心が同居している『JAWS RAW ウェッジ』
『JAWS RAW ウェッジ』の打音は、音質が高音・硬質で美しい。音量もちょうど良い大きさだ。
打ち応えは、フェースの吸い付き感がスゴい。そして、敏感なフィードバックがある。やや重めな打ち応えがあるウェッジは、市場には少ないので、そういう意味でもとても良い。
『JAWS RAW ウェッジ』は、ツアーウェッジなので、当たり前のように高低の打ち分けや、球種の打ち分けにも対応してくれる。
現代のウェッジらしく、左右の曲がりは最小限で、フェースを開いて距離を調整する場合にも、球筋への影響は最小限になっている。
スピン性能は、「遊んでるねぇ」とニヤニヤさせる。ショートレンジでは、余計なスピンはかからず、狙い通りなスピンになるように調整されているが、ミドルレンジからフルショットの距離になると、ツアーウェッジとしては、少しオーバーじゃないかと思うほどのスピン性能が発揮される。
その場に止まるのではなく、少し戻ろうとするのだ。
この辺りを嫌うゴルファーもいると思うが、普通に使う分には、遊び心というか、プラスの面のほうが多いと思う。
『JAWS RAW ウェッジ』で、特徴的だと思ったのは、飛距離性能である。
通常、ウェッジは飛ばないことで安定性を高める傾向があるが、飛距離が出るのだ。ツアーウェッジの平均的な同じロフトのキャリーより、1ヤードぐらい飛ぶ。
これも好き好きであるが、不安定に飛んだり飛ばなかったりするのではなく、きっちり同じだけ飛ぶので、慣れてしまえば、何ら問題ではない。
逆に、飛ばさないことが良いことだという流れで、ツアーウェッジを使って、あと1ヤードに悩まされることが多いゴルファーには、無条件で『JAWS RAW ウェッジ』をオススメする。
フェースのーメッキ感は、汚れを放置すると、その跡が、数日後に出てくることでわかるだけではなく、指で触ったザラザラ感でも十分に独特であり、なんだか止まりそう、と思わせる。
『JAWS RAW ウェッジ』で、特に気に入ったのは、フェースの下部のラインに膨らみがほぼないことだ。その部分がストレートに近いウェッジは、市場にはあまりないので、特別感があるし、個人的には、過去に使用していた少しグースしているウェッジの感覚もあって、球種の打ち分けの際に、心強く感じた。
フェースを開いたときに、違和感があるかもしれないという不安も、実際に開いてみても、全く気にならなかった。
「Wグラインド」は、あまり球種を打ち分けないゴルファーにはオススメだ。オートマチックに高いボールを打つのに適している。ソールは跳ねるというより、滑らせたほうが、使いやすい。
「Sグラインド」の出来が良い。オールマイティで、色々なことが出来るし、したくなるウェッジになっている。フルショットでもストレスなしで打てるのに、ショートレンジで、球種を打ち分ける際も、実に気持ち良く打たせてくれる感じが素晴らしい。
48度のウェッジは、更に、惚れ惚れした。
セッティングの流れに合わせやすいことを優先しているウェッジが多い中で、ウェッジらしい雰囲気を持っていて、ヘッドの小ささも良い感じだ。
そして、打ってみると、重めの打ち応えと、フェースに吸い付く快感がある。もちろん、狙い通りにしっかりと飛んでくれる。
開いて距離を落とすのも敏感に反応してくれるし、スリークォーターや、ハーフショットも気持ち良く打てた。
『JAWS RAW ウェッジ』は、ウェッジとしての完成度はお見事だと感心した。
スコアメイクのために、シビアに使えることは当たり前で、それでいて、スピン性能の部分では遊びを感じさせる余裕すらあるのだ。
ベテランゴルファーから、ゴルフを始めたばかりの初心者まで、広い範囲のゴルファーに『JAWS RAW ウェッジ』は打って欲しいと思う。
『JAWS RAW ウェッジ』をまとめると、やさしすぎず、むずかしすぎないのに、高度なテクニックの邪魔もしないウェッジなのだ。
こういうのが、良い相棒として、信頼して使えるウェッジなのだと思う。打ち手に合わせてくれる余裕を感じるからだ。
どのようにウェッジゲームをしたいかを考えて、自分に合う1本を見つける楽しみが『JAWS RAW ウェッジ』にはあるのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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