驚きを超えて恐ろしく飛ぶ『RS JUST ドライバー』三兄弟に鳥肌立つ!
プロギアの『RS JUST ドライバー』三兄弟をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!
プロギアが2022年7月22日から発売する『RS JUST ドライバー』三兄弟は、「驚初速」でぶっちぎりに飛ぶドライバーか? コースに持ち込んで、その真相を試打レポートする。
撮影/篠原嗣典
『RS JUST ドライバー』は、初速を出すために生まれた
プロギアが『RS JUST ドライバー』3モデルを新発売する。
『RS ドライバー』と『RS F ドライバー』は、2022年7月22日に発売。
『RS D ドライバー』は、2022年8月5日だ。
コピーは“驚初速で、ぶっちぎれ。”である。
「驚初速」という造語は、ちょっと良いなぁ、と最初に思った。
『RS JUST ドライバー』は、とにかく「驚初速」を全面に押し出している。
『RS JUST ドライバー』は、フェースセンター、重心点、最大たわみ点、最高CT点の4つを集中させたという。
実際に打つエリアと最高出力エリアを重ねたというわけだ。
結果として、それが「驚初速」を生むことになったらしい。
テクノロジーで、もう一つ説得力があったのが「ジャストスピン」だ。
プロギアがこれまで蓄積してきた試打データを改めて解析して、ヘッドスピード40m/s以上のゴルファーは、打ち出し角度を上げても飛距離は伸びないが、スピン量を少し減らすだけで、飛距離が伸びるということを発見したという。
そして『RS JUST ドライバー』は、ヘッドの低重心化で、スピン量を減らすことに成功しているという。
『RS JUST ドライバー』の3本のドライバーについて、説明する。
それぞれのドライバーには、『JUST』の名称は入らない。
『RS ドライバー』は、スタンダードモデルだ。純正シャフトは「Diamana FOR PRGR“BLACK”」。
『RS D ドライバー』は、ドローボールモデルだ。純正シャフトは「Diamana FOR PRGR“SILVER”」。
『RS F ドライバー』は、フェードボールモデルで、数量限定発売となる。純正シャフトは「Tour AD FOR PRGR」。
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試打したドライバーのロフトは、3本ともに10.5度。
シャフトは『RS ドライバー』と『RS F ドライバー』が純正のSフレックスとSRフレックス。
『RS D ドライバー』は、SRフレックスとRフレックス。
『RS ドライバー』を構えてみて最初に思ったのは、プロギアらしいドライバーだなぁ、という感想だった。
他の2本も、ソールを見なくとも、プロギアっぽいとわかる。
味付けともいえるし、クセと感じる人もいると思うが、こういう個性を大事にするのは、メーカーとして良いことだと好感触だった。
3本ともに、手に取るとしっかりした印象がある。
シャフトが50グラム台なのに、総重量はけっこうしっかりした重さがあるからだ。
『RS D ドライバー』は、厳密には40グラム台のシャフトで総重量も300グラムを切っているが、しっかりしているのである。
前モデルの『RS ドライバー』は、飛距離性能が優れているドライバーで、試打するのが楽しかった記憶がある。
新しい『RS JUST ドライバー』にも期待を膨らませながら、コースに持ち込んだ。
驚初速は本当!260ヤード飛んじゃったよ!
まずは、スタンダードの『RS ドライバー』(Sフレックス)を打った。
ナチュラルに打つと、軽いドローが出る。基本的にはストレートに飛ぼうとする直進性能と、やや低めの高弾道は、理想的な軌跡を描くボールが打てる。
SRフレックスだと、少しボールが高くなり、個人的には振りやすくなって、ストレート感が強くなるように感じた。
注意したいのは、フェースがかなりオープンになっているのだが、右に行きそうに見えるので、フェースを真っ直ぐにするつもりでアドレスすると、実は少しかぶってしまうことだ。
スライスで悩んでいる人を助けるための工夫なのだと思うが、わからないと混乱する。
スイートスポットが前モデルより低くなったことは、打ってすぐに実感できる。
そして、飛ぶ。
平均で230ヤード。最高飛距離ホールは245ヤード。驚異的な飛距離だった。
『RS ドライバー』は、やさしさとハードさが共存している。敏感な反応がボールに出るが、アドレスで微調整が出来るので、賢く使うのがコツになるドライバーだ。
飛ばしの基本は「腕は上下に、体は左右に動かす」だから、ダウンスイングでは右ヒジを真下に下げる!
ゴルフ雑誌ゴルフトゥデイで掲載されている大好評・連載企画「ドラコン女王・高島早百合のぶっ飛びLESSON」の第3回は、「アー...
続いて、『RS D ドライバー』(Rフレックス)を打った。
このドライバーも、ブランドによっては、フェードバイアスに分類されるぐらいオープンフェースになっているので、注意することだ。
ドローバイアスは、あまり効きが良くなく、ストレート系のボールが得意で、軽いドローも、軽いフェードも気持ち良く思い通りに打てる。
僕の場合、SRフレックスのほうが扱いやすかったが、Rフレックスもスイングすると、しっかりとしていて、無理に硬いほうを選ばないほうが良いと思った。
ボールの高さは、理想的な高弾道で、曲がりにくいこともあって、本当に打ちやすいドライバーだと感心した。
飛距離性能は、『RS ドライバー』と1ヤードも変わらないぐらい同じで、とにかく飛ぶ。
狙いやすさと安定性は、3本の中で『RS D ドライバー』が最も良かったので、飛距離性能までを含んだ総合力では、このドライバーが1番だと感じた。
スライスで悩んでいる人にとっては、『RS D ドライバー』よりも、『RS ドライバー』のほうがやさしく感じるはずである。
最後に『RS F ドライバー』(Sフレックス)を打った。
このドライバーは、3本の中で最もオープンになっていて、ある程度打てるゴルファーだと、無意識に被せて構えてしまうと思う。自分の常識と感覚をリセットして、『RS F ドライバー』のストレートポジションを見つけるのが、このドライバーを使いこなすコツになる。
個人的には、Sフレックスは少しハードに感じて、SRフレックスがドンピシャだった。
『RS F ドライバー』の弾道は中弾道で、敏感にドローも、フェードも出るが、基本的にはつかまえた大きなドローが出やすい。
右にヒッカケることはないかもしれないが、とらえて飛ばして、逃がしてフェードを打つゴルファーには、扱いづらいドライバーかもしれない。
飛距離性能は、素晴らしく、飛距離が出るドライバーである。
平均は230ヤードだが、最長飛距離ホールでは、260ヤード飛んだのだ。
ヘッドスピード40m/sの僕としては、まさに異常な飛距離であるが、260ヤードの内30ヤードはランである。低スピンな軽いドローの棒球が生んだ飛距離だった。
ボールを安定させるには、コツだけではなく、打ち手のテクニックも求められる。
試打ラウンドをしていても、『RS F ドライバー』が一番安定せずに、苦労させられたが、一発の飛びの魅力はワクワクドキドキした。
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3本のドライバーは、打音や打ち応えなどを比較しても、ちょっとずつ違っていて、同ブランドだけれど、個性がしっかりしている。
結果として、ゴルファーのタイプで、これが良い、というチョイスがむずかしいかもしれないと感じた。
若干、名前の通りではないように感じたからだ。
とにもかくにも、飛距離性能は素晴らしい。
3本あり、シャフトも複数打ったので、2ラウンドに渡って試打をしたが、同伴者にも打ってもらった。ヘッドスピードが軽く45m/sを越えるゴルフ仲間は、『RS F ドライバー』で280ヤード先のバンカーに入った。
自らのドライバーと比較して20ヤードは確実に違う、と唸っていた。
僕の場合でも、確実に10ヤードから20ヤードは飛んでいるし、260ヤードは夢のようなボールだった。
悩ましいのは、敏感なドライバーに仕上がっていることだ。冷静に分析すると、飛距離を武器にする前に、不安定な部分で、平均スコアが悪くなる可能性を感じたからだ。
個人的には、使用している今のドライバーも、かなり敏感で、そういうじゃじゃ馬というか、気まぐれなドライバーは大好きなのだが……
『RS JUST ドライバー』は、プロギア史上、最も飛ぶドライバーであることは、間違いない。
ちなみに、同時にフェアウェイウッドとユーティリティも発売されるが、飛距離性能という意味で、こっちもスゴかったことも書いておく。
僕が、もし自分のバッグに入れるとしたら『RS D ドライバー』のSRフレックスにすると思う。
とにかく、飛ぶドライバーは、毒にも薬にもなるはずである。分量に注意しながら、試してみることをオススメする。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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