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ドローボールでメチャクチャに飛ぶ「B3 DD」はゴルファーを選ぶドライバー?

ブリヂストンスポーツの『B3 DD ドライバー』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/07/01 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ブリヂストンスポーツ,B3 DD ドライバー

『B3 DD ドライバー』は、フェースはチタンだが、それ以外は一体構造のカーボン。ドロードライブの名前通りのドライバーか?
コースに持ち込んで、その真相をレポートする。

撮影/篠原嗣典

カーボンモノコックヘッドの『B3』は未知の世界のチケットか?

ブリヂストンスポーツ,B3 DD ドライバー

ブリヂストンスポーツは、2022年7月29日に『B3 SD ドライバー』を発売する。
取扱店限定モデルで、フィッティングを受けて購入することを前提としていて、純正でも細かく選択が出来るドライバーだ。

“第3の「B」、現る”ということで、昨年発売された『B1 ドライバー』、『B2 ドライバー』に続く、新しいドライバーである。

『B』シリーズは、かなりパワーがあるゴルファー向けにチューニングされていて、ヘッドスピード40m/sの僕には少しオーバースペックだと残念に思っていた。

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『B3 ドライバー』は、二種類が発売される。
『B3 SD ドライバー』のSDは、ストレートドライブの略。『B3 DD ドライバー』のDDは、ドロードライブの略となっている。
今回取り上げる『B3 DD ドライバー』のコピーは、“軽量設計でスピードUP ドローで大きく飛ばせる”である。

『B3 DD ドライバー』の特別なテクノロジーは、「カーボンモノコックボディ」だが、『B3 SD ドライバー』とヘッドは全く同じものだという。

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通常のドライバーも、ヘッドの大部分はカーボンで出来ているが、どれも骨組みを金属で作って、それを覆うようにカーボンを貼り付けている構造である。
『B3 ドライバー』は、骨組みなしなのだ。カーボンだけの一体構造で作られている。
見た目ではわからないが、この技術は、日本が誇るカーボンの最高技術なのだ。

骨組みがないだけで、40グラムの重量を余らせることに成功して、『B3 DD ドライバー』は、その全てをヘッド内部の後方のヒールサイドに設置した。
ヘッドが返りやすくなり、ドローバイアスが生まれるというわけだ。

カーボン一体構造のヘッドにも「ブーストパワーテクノロジー」が採用されている。クラウンは、薄肉エリアを配置して低剛性化して、ソールにリブを追加して高剛性化することで、高初速・高打ち出しで、飛距離性能を高めるというわけである。

『B3 DD ドライバー』には、「New SP-COR」や「チタンフェースの薄肉化&軽量化」などのブリヂストンスポーツが誇るすでに実績があるテクノロジーも、進化させた上で搭載されている。

『B3 SD ドライバー』は、ヘッドだけではなく、シャフトでも軽量化をしている。
「TENSEI BS Red 40」は、40グラム台の軽さで、SRとRフレックス。
「TENSEI BS Black 40」は、40グラム台で硬いシャフト。(Sフレックスのみ)
「TENSEI BS White 50」は、50グラム台で、軟らかいシャフト。(Rフレックスのみ)

今回は、『B3 DD ドライバー』ロフトは、特別注文の9.5度を選んだ。(10.5度が標準)
シャフトは3種類を途中で交換しながら打ってみた。

カーボン一体構造のモノコックボディは、様々な工業製品で、異次元の高性能を発揮している。
ブリヂストンスポーツが、何の根拠もないまま、そのテクノロジーを搭載するわけはない。

『B3 DD ドライバー』をコースに持ち込んで打つのが楽しみになった。

『B3 DD ドライバー』は、本当にドローでぶっ飛ばせるドライバーだ!

ブリヂストンスポーツ,B3 DD ドライバー

『B3 DD ドライバー』を打つ前に、『B3 SD ドライバー』を打って、尋常ではない飛距離性能に驚かされた。
『B3 DD ドライバー』は、アドレスしただけでは、二種類のどちらなのか全くわからない。
でも、打ってみると、弾道が全く違うのだ。

同じヘッドなので、打音は同じである。
音量は適度な大きさで、残響がしっかりあって、ムチのような湿った締まった音質。気持ちが良い音だ。

最初は「TENSEI BS Black 40 シャフト」のSフレックスを打った。ボールは高弾道で、とらえる動きもあるので、ナチュラルに打つと、25ヤード幅のドローが出る。ちょっと油断すると、もっと曲がる。
気合いを入れて、フェードを狙ってみたが、辛うじて小さなドローになるぐらいだった。
強烈なドロー性能だ。

このシャフトのチョイスは、スライスで悩むゴルファーや、ドローを打ちたいゴルファーには最高の組み合わせになる。

「TENSEI RED(SR フレックス)」は、かなりやわらかく感じるが、打ってみると粘ってバタバタしたりはしない。タイミングを取りやすいシャフトだ。
ドローの具合が大きくなるかと思ったが、むしろ少し落ち着く感じで不思議だった。
強烈なドローバイアスは、そのままで、弾道は更に高くなる。

「TENSEI White 50(R フレックス)」は、グニャグニャしていると思ったが、振ってみるとしっかりと粘って、面白い。けっこう振れることに驚いた。
ドローの具合は、少し大人しくなって、3本のシャフトの中では、一番安定している感じがした。
弾道は基本的には高くなるが、ヘッドスピードが速いゴルファーが打つと、低く左に飛ぶボールがでることがあった。これは、チューニングが、ターゲットのゴルファーだけのことを考えて作られていることの証だと思う。

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飛距離性能は…… スゴい。飛ぶのである。
ヘッドスピード40m/sの僕が打って、平均して、230ヤード。これは、ちょっと異常な数値だ。
最も飛んだホールは、250ヤード。それもほぼキャリーで、史上最高に飛んだといっても過言ではない。

3本のシャフトでの飛距離の差は、ほとんどない。1ヤードぐらいしか変わらない。

少ないホール数の比較だが、最も飛んだボールは「TENSEI RED 40(SR フレックス)」だった。
大きなドローを打とうとして、すっぽ抜けて、ほぼ真っ直ぐに飛んでいったボールが最長飛距離だった。

使用したブリヂストンスポーツの『TOUR B X』とのボールとクラブの相性の良さも飛距離に影響している可能性もあるが、とにかく飛ぶことだけは間違いがない。

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そして、ドローバイアスも強烈である。
強引に曲がる感じではなく、空中でググッと力が入る感じで曲がっていく。つまり、弾道は美しいのだ。

『B3 DD ドライバー』は、スライスを打ちたくないゴルファー、ドローを打ちたいゴルファーにオススメである。
ドローで飛ばしたいというヘッドスピード40m/s以下のゴルファーにもオススメだ。

逆に、ヘッドスピードが速いゴルファーは、シャフトが合わず、機能が発揮されないようだ。
『B3 DD ドライバー』は、非力なゴルファーや、本格的にボールが打てる女性のゴルファーの味方なのだ。

『B3 DD ドライバー』には、とにかく驚かされた。
取扱店限定モデルということなので、販売する数量は多くないかもしれないが、該当すると感じたゴルファーは打ってみるべきである。

モノコックの一体型ヘッドは、推測するに、数年前にはヘッドとして採用することが可能だったはずだが、市場に投入はされていなかった。今回の『B3 ドライバー』が初めてとなる。
推測であるが、採用されなかった理由は、ヘッドスピードが速くて、ヘッドが大きくたわむときに、そのメリットを活かせないという技術的な壁があったのではないだろうか。

プロレベルや、それに近い速度になると、機能しないのに、速度が遅いときだけ敏感に反応して、機能を最大限にする、としか思えなかった。

『B3 DD ドライバー』は、ドローがかかる具合と、その再現性の高さだけに注目しても、実に面白いドライバーである。
最先端のテクノロジーを搭載しているので、少し高額なのが弱点かもしれないが、ドライバーの飛距離をお金で買えると考えたら、安くてお手頃な価格に思えてしまうのだ。

篠原嗣典

篠原嗣典

ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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