1. TOP メニュー
  2. コラム
  3. ジャンボがジュニアを見つめる熱い眼差しの先には

ジャンボがジュニアを見つめる熱い眼差しの先には

ジャンボに聞け! ジュニアゴルファーの育て方 VOL.2

2022/08/01 ゴルフサプリ編集部

尾崎将司

ジャンボがジュニアを見つめる眼は、純粋かつ的確といえる。

ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーの存在が話題に上ることが多くなった。それは何と言っても1期生である西郷真央の、開幕10戦5勝というロケットスタートによるところが大きい。次から次へと有望な新人を育てるジャンボ尾崎が、ジュニアを指導するキッカケはどこにあったのか。連載の第2回は「誰も書けなかったジャンボ尾崎」の著者でもある金子柱憲とともに、その経緯をたどることから始めよう。ゴルフ界を常に牽引する尾崎将司の見つめる未来とは。

GOLF TODAY本誌 No.602/102〜103ページより

基本を大切に成長期の体の変化を見極めるジャンボ

ジャンボゴルフアカデミーができたのは今から約5年前。その発端を知るジャンボの長男・尾崎智春が当時を振り返る。

金子柱憲

金子柱憲がジャンボの真意を語る

✔️智春氏の証言
習志野の練習場(旧ジャンボ邸)は奥行が50ヤードくらいしかなく球筋が見えないので、少なからず不満もあったと思うんです。だからこそ(280ヤード打ちっ放しの)練習場が目の前にある今の環境は、(ジャンボ)本人の夢が実現した形。

1万坪の土地があるこの練習場を、プロにも使ってほしいという気持ちがありました。ただ最初のうちは利用するのが軍団の昔からいる選手ばかりで、それほど多くなかったです。せっかく理想的な環境があるのにもったいないということで、ジュニア育成のためにも活用できないか、という話が持ち上がりました。それにジャンボもOKしてくれて、最初にジュニアセレクションとレッスンイベントを行ったんです。軍団のメンバーも10人駆けつけてくれて、ジュニアも30人くらい集まり大々的に行ったのです。それで毎年やろうということになったのです。

ジャンボジュニアスクールの名だたるメンバー

敷地1万坪という夢のような練習環境が出来上がった時、ここをプロだけの施設にしておくのはもったいない、ジュニア育成の場にしてはどうか、という青写真が出来上がったわけだ。
その結果、軍団のメンバーがずらりと顔をそろえ、報道陣も駆けつけ派手に立ち上がったジャンボジュニアスクール。緊張と期待が入り混じった表情でジャンボのアドバイスに耳を傾ける1期生の輪の中に、西郷もいたわけだ。

ジャンボがジュニアを教える機会。実は過去にも少なくなかった。ジャンボの愛弟子・金子柱憲の長男である憲洋さんは西郷や笹生優花以前に、ジャンボから直接指導を受ける機会に恵まれている。父・金子が当時を振り返る

西郷真央
ジャンボジュニアの1期生西郷真央。10戦5勝の驚異的な活躍で大注目を浴びている。
金子柱憲

✔️金子の証言
ノリ(憲洋さんの愛称)は小学3年のころからスナッグゴルフを始めていて、全国大会でも2位か3位になっているんです。最初にジャンボの所に連れて行ったのは小学校の5、6年の頃。まだサッカーに夢中で、サッカーボールを持ってジャンボの所に行きました。そこでジャンボに2、3回、パスの相手をしてもらってました(笑)。

中学1年からゴルフ部に入ったので、本人がジャンボの所に「行きたい」と言い出して、1度行ったらジャンボが「いつでも来ていいんだぞ。お父さんに連れてきてもらえ」と言ってくれたそうです。それで私が行くときに、中2か中3になると、ちょこちょこ連れて行くようになったのです。私に言うのではなく、息子に直接言うのですから、ジャンボは基本的に子供が好きなのだと思います。

170ヤードくらい先のグリーンを指さして「あそこまで打ってみろ!おお、もうちょっとだな。まずは、あそこまで届かないとダメだ!小さいんだから思い切り振ってみろ!」とやってましたから。

成長するもしないも本人の感性次第

ターゲットを設定し、そこに打たせる指導法。ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーがスタートする前から、ジャンボは金子ジュニアにも指導を施していた。その後アカデミーが本格始動をすると、指導にも熱が入るようになる。その指導法についてはジャンボが相談役を務める「ジャンボスポーツソリューション」の公式ウェブサイトの中で自らこう語っている。
「(前略)ジュニア育成については、難しく考える必要性はないと考えています。基本をしっかり教えてあげること。技術的なことは徐々に学べば問題ありません。成長期であるジュニアの大きな体の変化を考慮し、その誤差を見分けてやることが重要。早く上手くさせようと、期待しすぎて周囲が過度な期待をかける環境は負担になります。先ずは『ゴルフ=スポーツ』としてとらえ、明るく楽しめる環境をつくり、必要な練習を的確にプランニングしなければいけません。そしてスポーツなら当然、成長するもしないも本人の感性次第です(後略)」。

基本を大事にして、成長期であるジュニアの体の変化を見極めながら、必要な練習を的確にプランニングし、実行に移していくのがジャンボ流。次回はその具体的な指導法に金子が迫る。

金子柱憲(かねこ・よしのり)
1961年3月4日生まれ。東京都出身。日大卒。
14歳でゴルフを始め、アマチュア時代は日本オープンベストアマ、関東学生優勝。1982年の韓国オープンではプロを抑えて優勝。1983年プロ入り後、ジャンボ軍団入り。91年に関東オープンで初優勝。ツアー通算6勝。

1997年のマスターズ

1997年のマスターズでは師匠のジャンボ尾崎とともに出場。
練習ラウンドも一緒にして攻略ポイントなどもアドバイスを受ける。


取材・構成=日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗 撮影・相田克己


ジャンボに聞け! ジュニアゴルファーの育て方

第1回(前回)へ 第3回(次回)へ

シリーズ一覧へ

2度のアクシデントを乗り切り3位!20歳の西郷真央がメジャーで見せた無限大の可能性

フランスで7月21日から24日まで開催された女子メジャー第4戦のアムンディエビアンチャンピオンシップ。西郷真央が、優勝は逃...

あわせて読みたい

ジャンボ尾崎が審査するセレクションに潜入取材!ジャンボが見る意外なポイントとは?

通算113勝を誇る日本ゴルフ界のレジェンド、ジャンボ尾崎。指導者としても笹生優花、原英莉花、西郷真央などトップ選手を育て...

あわせて読みたい