驚きの超ミックス型セット!高橋彩華プロのクラブセッティングをQPさんがアマチュア目線で解説
勝ち組ギアに学ぶセッティング術
昨年から何度も優勝争いをしながら、あと1歩で逃してきた高橋彩華が「フジサンケイレディス」でついに初優勝。そのセッティングを見ると4社のクラブメーカー、4社のシャフトメーカーを組み合わせた超ミックス型セットになっていた。
GOLF TODAY本誌 No.602 142~143ページより
撮影/相田克己 渡邉義孝
構成・文/野中真一
取材協力/ダイキンオーキットレディス
富士フィルム・スタジオアリス女子オープン
高橋彩華のセッティング
- ドライバー:ステルス(9度 シャフト/フジクラスピーダーNX50-S)
- フェアウェイウッド:SIM2 MAX(3W/15度、5W/18度 シャフト/フジクラスピーダーエボ6-S)
- ユーティリティ:ツアーB JGR HY(4U/22度 5U/25度 シャフト/マミヤアッタスEZ5)
- アイアン:ミズノ プロ225(番手/6I-PW シャフト/トゥルーテンパースチールファイバー80I)
- ウェッジ:ボーケイSM8(50度、54度、58度 シャフト/N.S.PRO850GH-R)
- パター:トラスTB1 トラスヒール
※セッティングは「フジサンケイレディースオープン」優勝時。
高橋彩華 Sayaka Takahashi
タカハシ・サヤカ
1998年7月24日生まれ。
2018年のプロテストに合格した黄金世代で、昨シーズンは21試合でトップ10に入っている。
今年は初優勝を飾り、賞金ランキングも4位につけている(2022年6月24日時点)。
クラブとシャフトで計8メーカーの超ミックス型セット
最近はクラブ契約をしないで色んなメーカーのクラブを組み合わせて戦う選手が増えています。
高橋彩華もその1人。傾向としてウッド系には『ステルス』や『SIM2 MAX』など直進性の高いモデルを選んで、アイアンやウェッジは操作性を重視しています。
興味深いのはシャフトです。シャフトだけでも4メーカーの個性が違うシャフトを使っています。ドライバーの『スピーダーNX』は適度にしなる中調子系ですが、ユーティリティの『アッタス EZ』は先端が走るタイプ、またアイアンの『スチールファイバー80i』は手元がしなる感覚があります。特にアイアンは、優勝した試合の前日に『スチールファイバー』に変更。ヘッドも『スチールファイバー』のテストをしたときについていた『ミズノプロ225』に変更したそうです。
よくセッティングでは14本の流れを大事にするという話がありますが、高橋はドライバー、アイアン、ウェッジなどそれぞれの番手で理想的なヘッドとシャフトを選ぶスタイル。その結果として8メーカーから構成された混合セットになっていると思います。
今季からクラブ契約フリーに
昨年までブリヂストンとクラブ契約を結んでいたが、今年からクラブ契約フリーに。
ウェッジは最新モデルの『SM9』ではなく、3本とも『SM8』を使っている。
QPチェック!
●check1 アイアンもBSからミズノに
アイアンのシャフトを『スチールファイバー』に変更したときに、ヘッドもブリヂストンの『ツアーBX-CB』から『ミズノプロ225』にチェンジ。
●check2 パターは大人気のトラス!
パターは女子ツアーで大人気のトラス。写真はセンターネック型だが、試合ではオーソドックスなヒール型ネックを使用。
●check3 3本のウェッジはすべてソールタイプが違う
ウェッジは『SM8』で揃えているが、50度はFグランド、54度はSグラインド、58度はMグラインドとソール形状がすべて違う。
解説:関 雅史
PGAティーチングプロA級の資格をもつクラフトマンとして、都内にある「ゴルフフィールズ」の店長をつとめている。女子ツアーで活躍する岩橋里衣のコーチでもあり、“QPさん”の愛称でおなじみの人気プロ。
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