メジャーVはお預けも、最終日平均スコア68.8は世界一の畑岡奈紗
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全英女子オープンは優勝争いを演じた渋野日向子に注目が集まったが、畑岡奈紗も最終日に追い上げて7位に入った事実は見逃せない。今季の畑岡は、メジャーの最終日での猛追が目立った。畑岡の最終日のスコア、実は世界一だったのだ。
今年のメジャーすべてで予選通過
世界ランキング日本勢最上位で米女子ツアー6勝は現役日本選手最多。日本のエースといわれる畑岡が今季のメジャー最後のラウンドとなった全英女子オープン最終日に4バーディ、1ボギーの68をマークして前日の19位から7位に浮上。全英女子オープンでは初、メジャー通算では7回目となるトップ10に入った。
今季、畑岡はメジャー5試合すべてで予選を通過し、5試合ともに30位以内に入る安定した成績を残した。メジャー初優勝を目指している本人からすれば満足いく成績ではないかもしれないが、高く評価していいと思う。
年間5試合すべて予選通過は畑岡自身初で、メジャーが5試合制となった2013年以降では日本選手で5回目(4人目)。過去には上原彩子、宮里美香、そして野村敏京が2回達成しているが、すべて30位以内は畑岡が初めてだ。
この安定した成績を生み出したのは最終日の好プレーである。全米女子オープンの74以外はすべて60台で5試合の平均は68.8だった。
今季、メジャー5試合すべてで最終日までプレーした選手は17人いるが、その中で畑岡の68.8はミンジ・リーの69.6を抑えて1位なのである。3位はチョン・インジとジョージア・ホールの70.8だった。
ミンジ・リーは今季メジャーで1勝、2位1回、4位1回と最もメジャーで活躍した選手。チョン・インジも全米女子プロで勝ち、全英女子オープンでは惜しくもプレーオフで敗れて2位と存在感を示した選手だ。彼女らを抑えての1位なのだから価値がある。
これだけの好スコアを出せば順位は上がる。最も上がったのは67をマークしたシェブロン選手権で52位から35ランクアップの17位にまで順位を上げている。74だった全米女子オープンでも3ランクアップ。5試合すべてで最終日に順位を上げているのだ。
以前から畑岡はメジャーの最終日にビッグスコアを叩き出すことがしばしばあった。今年はそれがより顕著になった印象だ。来年こそ最終日の強さをメジャー初制覇につなげたい。
畑岡奈紗の今季メジャー成績と最終日スコア
大会 | 最終日スコア | 3日目順位 | 最終順位 |
---|---|---|---|
シェブロン選手権 | 67 | 52位 | 17位 |
全米女子オープン | 74 | 31位 | 28位 |
全米女子プロ | 69 | 35位 | 5位 |
エビアン選手権 | 66 | 29位 | 15位 |
全英女子オープン | 68 | 19位 | 7位 |
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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