ミズノの顔作りのうまさがしっかり反映されている

「女子プロが使ってすごくいいアイアンはアマチュアにも広く使えると考えていいでしょう」と関。使用プロが今年5勝している西郷真央とくれば注目度は増す。これまで数々の名器を世に送り出してきミズノのアイアンとなればなおさらだ。では「JPX921フォージド」とはいかなるアイアンなのか。

まずはアドレスした時の印象から聞いてみよう。

「顔つきはミズノの非常に綺麗で端正なそれですが、ちょっとだけ大きくしたようでブレードが長く感じられます。そのぶん構えた時に芯に当たりそうな安心感が湧きますね。また、フェースがどこを向いているかもわかりやすいので、目標に対してスクエアに構えやすい。グースはついているものの1~2ミリくらい。ですが、やさしさを裏付ける要素になっています。トータルしてミズノの顔作りのうまさがこのモデルにもしっかり反映されていると思いますね」

とインプレッションは上々。プロの要求を満たしながらも難しい印象を与えないようバランスよく作られているようだ。

直進安定性が高く打感もいい“クロモリ”使いの妙

打ってみて感じたのはその圧倒的な直進性。

「真っすぐ飛びますね! 直進安定性がめちゃ高いです。ちょっと驚きなのは、それなのに打感が柔らかい、というか球持ちがいいところ。ヘッドの素材はクロムモリブデン。いわゆる“クロモリ”ですが、このモデルはフォージド=鍛造です。

鍛造にするとポケットキャビティや中空構造のアイアンは作りにくいのですが、これはクロモリを鍛造で固めておき、ソールから溝を掘ってフェースの裏まで貫通させ、ソールから蓋をしてポケットキャビティにしています。

この回りくどさが鍛造にする難しさなのですが、それでもあえて作ってしまったわけですね。フェース面を薄くすると普通は打感が悪くなりますが、このあたりはクロモリ鍛造でカバーしている。よく考えて作られていると思います」


フェース部には高強度のクロムモリブデン鋼を採用。薄肉化によって高初速エリアが拡大され飛距離が出る。また、鍛造によって溶接部のないシームレスカップ構造を実現。薄肉になったフェース部の反発性能向上に一役買っているだけでなく打感の良さや音にもこう影響を及ぼしているという。さらに関の言うように、キャビティ化はソール側から掘削することによりなされたマイクロスロット構造だ。

素材と手間を考えたら間違いなくお買い得の高品質アイアン

「コストもかかるし製造には手間もかかるので、作り手側は手を出しづらいはずですが、それをやったのが職人集団ミズノの真骨頂。お値段は6本で132000円(スチールシャフト)ということですが、素材と手間を考えたら間違いなくお買い得。

ユーザーさんにはより安く、より高品質のクラブだと思います。性能的にはとにかく曲がりません。曲がらないクラブは他にもたくさんありますが、大体はアベレージゴルファー向きの性能重視型。

打感や所有欲をそそるものは少ないのですが、このアイアンは全てを備えています。曲がらないのに打感もいい。アイアンはたくさん打っていますが、直進安定性では世界でもトップクラスです」


曲がらないだけでも飛距離は伸びるが、ミズノ鍛造アイアン史上最高反発で史上最大の高初速エリアを達成。従来モデルと比べて高初速エリアを45%拡大させていることもあって十二分に飛ぶ。ゴルフが楽になることが容易に想像できる。

「操作性については完全にないわけではありませんが、左右に曲げようとしても10ヤード以上は曲がりません。それくらい真っすぐ飛ぶということ。ゴルファーのタイプとしては、あまり操作性を求めず真っすぐせめていきたい人には絶対おすすめ。最近はプロもやさしくてひたすら真っすぐ飛ぶアイアンを使うんだなと感じました」

試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
関浩太郎 GOLFTV


2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッション

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