めちゃくちゃ抜けがいい!スピンもかかる!キャロウェイ JAWS RAW ウエッジ
2022ニューモデルを関浩太郎が試打インプレッションVol.39
スイングコーチ兼クラブフィッターの関浩太郎が今回試打したのはキャロウェイの「JAWS RAWウエッジ」。プロ、アマ問わず多くのゴルファーの信頼を得ている「JAWSウェッジ」をあらゆる面で進化させたニューモデル。フェース面だけがノーメッキ仕上げという、これまでの常識を覆す一品だ。
撮影/相田克己
さすがはキャロウェイ! 普通ではできないことをやっちゃう
「JAWS RAWウェッジ」のRAWは英語で「生」の意味。ここではさしずめ「原料のまま」といったニュアンスか。何が原料のままかといえばフェース。ヘッドにはメッキがなされているがフェース面だけはノーメッキ仕上げなのだ。
「ウエッジで強烈なスピンをかけたければノーメッキが必須ですが、ヘッド全体がノーメッキだと、あっという間に錆びてしまいお手入れが大変です。その点、これはフェース面のスコアラインが入った部分だけがノーメッキになっています。僕もオリジナルのクラブを作ったり、メッキを剥がして銅メッキするなどカスタムウエッジを作っていますが、部分的にメッキを施すのはできないはず。さすがはキャロウェイで、普通ではできないことをやっちゃうんですね」と関。
スピン性能重視でノーメッキのウエッジを買ったものの、気づいたら錆びついて使い物にならなくしてしまった、というアマチュアは意外と多い。もちろん手入れは必要だが、RAWSならフェース面だけ水分が残らないようにしておけばいいので手がかからない。
ノーメッキフェース、37Vグルーブ、マイクロフィーチャー
特徴はフェースのノーメッキだけではない。RAWSでは溝のエッジを鋭くした37Vグルーブ(ロフト54~60度。48~52度には20Vグルーブとフェースブラスト)を採用。これによって溝がより際立つこととなって高いスピン性能が約束された。
独自のマイクロフィーチャーも見逃せないポイント。溝と溝の間に小さな凸部を設けたメイキングだ、これを溝に対して斜め20°に加工している。これによりフェースを開いて使う場合でもターゲットに対してスクエアに近くなり、しっかりとスピンを効かせることができるという。
「打ってみてまず感じるのは、めちゃめちゃ柔らかくて、抜けがすごい。フェースに油を塗っているんじゃないかと思うくらいツルッと、なんの引っかかりもなくヘッドが抜けます。ボールも当たった時にテニスボールじゃないのと思うくらいグニュッと潰れる。まあ実際に潰れるわけではないけれど、大袈裟でなくそんな感じがある。ちょっと薄めに入ってもしっかりボールが浮いてくれますね」
37Vグルーブとは溝の彫り方を鈍角にしてエッジを鋭くした工夫。ノーメッキ仕上げと相まってエッジがシャープになり、フルショット、アプローチショットを問わずスピン量が安定し、これ以上ない柔らかな打感にも貢献している。
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より繊細な距離コントロールを求めるゴルファーにおすすめ
「抜けがよく打感が柔らかいことがどうしていいのかといえば、距離のコントロールがより繊細にできるから。グリーンに乗るか乗らないかのレベルの方の場合は、もう少しフェースが大きめでソールが広いウエッジをおすすめしますが、そうではなく、例えば50ヤード圏内から寄せワンをとりたい人、あるいは30ヤードか50ヤードかじゃなく35ヤードか30ヤードかを打ち分けたい、といった人におすすめ。
打感の柔らかさがあるとインパクトの強弱がより繊細にプレーヤーに伝わります。それによって距離のコントロールがしやすくなるんです。スピンは30ヤードで6000回転近く出ているので、間違いなくハイスピン。いまやJAWSのハイスピンには驚きませんが、それをそのまま引き継いで、さらに柔らかい打感になったところは大きな進歩だと思います」
コントロール性能については、重心位置に関する新たなテクノロジーも貢献している。ロフト54、56度ではバックフェースのトゥ側1つ目のウェイトポート、ロフト58、60度ではトゥ側2つのウェイトポートにタングステンを装着。これにより重心位置がフェース中央に配置され、とりわけフェースを開いて打つショットのヘッドのブレを大幅に軽減しているという。加えてソール形状が異なるZ、S、X、Wの4つのグラインドタイプをラインナップ。プレースタイルに合わせたソール選択でパフォーマンスアップが期待できる。
試打解説/関浩太郎
(せき こうたろう)1974年生まれ、茨城県出身。アメリカで最新のゴルフ理論を学びながら、ミニツアーを転戦。帰国後、クラフト技術を学んだ後、「SEKI GOLF CLUB目黒」を主宰。多くのアマチュアゴルファーのサポートを行い、さまざまなゴルフメディアでも活躍している。
関浩太郎 GOLFTV
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