今季3勝の山下美夢有が、ついに平均ストローク60台突入!日本人初の快挙なるか!?
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ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで今季3勝目を挙げてメルセデス・ランキング首位を走る山下美夢有の平均ストロークがついに「70」を切った。女子ツアーで年間平均ストローク60台を達成したのは3年前の申ジエだけ。日本選手初の快挙が現実味を帯びてきた。
今季3勝の山下が、ついに平均ストローク60台突入! 日本人初の快挙なるか!?
ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン大会初日にツアー新記録の60をマークして首位に立った山下は最後までその座を守り、通算18アンダー、198の大会新で今季3勝目を挙げた。
大会前に70.1072だった平均ストロークは69.9493に。ついに60台の世界へと突入した。
女子ツアーで年間平均ストローク「70」を切ったのは2019年の申ジエだけ。日本選手では誰もいない。
惜しかったのは昨季の稲見萌寧だ、最終戦前に69.9922と大きなチャンスを迎えていたが、4日間通算イーブンパーの288に終わり、70.0514でシーズンを終えた。これが日本選手最高記録である。
今季の序盤、山下は決して好調ではなかった。3試合連続予選落ちもあり、5月のワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップを迎えた時点で平均ストロークは71.7292。順位は21位に過ぎなかった。
ところが、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで今季初勝利を挙げて激変。同大会からミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンまでの出場16試合の平均ストロークは何と69.2500という驚異的な数字なのだ。
要因はバーディが急増したこと。山下は昨季、リカバリー率が1位になるなど、パーセーブする力は高かった。ただ、1ラウンドあたりの平均バーディ数は3.1296で24位と攻撃力は今ひとつだった。
それが、今季はリカバリー率が2位と高いレベルを維持しながら平均バーディ数が3.8077で1位と大躍進。攻守そろったわけだ。
このまま日本選手初の快挙を成し遂げることができるか。終盤戦は山下の平均ストロークに注目だ。
女子ツアー平均ストローク歴代5傑
順位 | ストローク | 選手(年) |
---|---|---|
1位 | 69.9399 | 申ジエ(2019年) |
2位 | 70.0514 | 稲見萌寧(2020—21年) |
3位 | 70.0922 | イボミ(2016年) |
4位 | 70.1052 | 鈴木愛(2018年) |
5位 | 70.1317 | 申ジエ(2018年) |
撮影トーナメント/2022日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯
撮影/山之内博章
文・宮井善一
1965年生まれ。和歌山県出身。スポーツニッポン新聞社でゴルフ記者を8年間務め、2004年にフリーのゴルフライターとして独立。ゴルフ誌などに執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動している。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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