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パター上達に貢献してくれるであろう『ピン2023 パター』オススメ3本はこれだ!

ピンゴルフの『ピン2023 パター』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/10/07 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ピン2023 パター

新発売された PING 2023 PUTTER のオススメの3本をコースに持ち込んで、その真相をレポートする。

撮影/篠原嗣典

敏感さがゾーンに入ったパッティングをさせるKUSHIN 4!

KUSHIN 4

ピンゴルフは、2022年9月15日に『ピン 2023 パター』を発売した。『ピン 2023 パター』には、スタンダードな『ANSER』から大型マレットの『TOMCAT 14』までの10モデルが準備されている。

モデル別に重量配分の最適化を考え抜いた設計になっていて、前重心モデルもあれば、重心を周辺に分散したモデルもラインアップされている。パターのことを知り尽くしたピンゴルフだからこそのテクノロジーである。

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10モデル全てを紹介するのは、物理的に少しむずかしいので、3モデルに絞った。スタンダードなモデルは、他でも取り上げるだろうと考え、ロマン派ゴルフ作家らしいこだわりの3本を選んで、コースに持ち込んだ。

まず1本目は、『KUSHIN 4』だ。コピーは、“短いサイトラインを施したミニブレード”である。

アドレスしてみると、サイトラインがうんぬんよりも、小さめなヘッドとシルバーとブラックのツートンがヘッドを締まって見せて、集中しやすいと感じた。自然とボールとパターの芯がピタッと合う感じがするのだ。当然、方向性はバッチリだ。打ってみても、狙い通りにボールは転がって行く。特に良かったのは、ショートパットで、ラインが出しやすかった。

『KUSHIN 4』の特徴

打音の音量は少し控え目ながら、音質は硬質で、カチッとしていて個人的に好きな音。打ち応えは、敏感で、反応が良い。弾きが良く、タッチが合いやすい。転がりすぎてしまう心配をする人もいると思うが、しっかり打っても、パンチが入ったみたいなオーバーはしなかった。

『KUSHIN 4』は、良い意味で繊細なパターに仕上がっている。ラインを消していくような強いストレートボールでカップインさせるよりも、狙い通りにラインに乗せて入れるというパッティングが合っている。

こういうパターは、入る日は滅茶苦茶に入るが、入らない日は全く入らないという極端なパターンになりがちであるが、平均点のパターなんて退屈だ、と考えてしまう魅力に溢れているのも事実なのだ。

一見すると、優等生に見えて、実は魔性の魅力に溢れているのが『KUSHIN 4』だ。軽い気持ちで手を出すと…なのであるが、打ってみるべきオススメのパターである。

PRIME TYNE 4 は、角型とブレードの良いところを融合させて入れる!

PRIME TYNE 4 パター

『PRIME TYNE 4 パター』は、いわゆる角型ヘッドだ。コピーは、“操作性に優れた角型”である。角型のヘッドは、2022年のパター市場において、スタンダードな形状と言っても過言ではない。好きなゴルファーにとっては、自分のヘッド、という感じになるのだと思う。

今回、2本目として『PRIME TYNE 4 パター』を選んだのは、米ツアーの優勝パターのヘッドタイプごとの統計で角型が約3割を占めるからだ。つまり、無視できないスタンダードとして、選んだというわけである。

アドレスビューは、ちょっと面白い。ブレードに厚みがあるのは、角型の特徴の一つだが、ブレードがシルバーで、後方の角部分はブラックのツートンなのだが、あまりカチッとしていなくて、手作り感を微かに感じさせる。

今風に書くとエモいのだ。ヘッドは小さめで、ボールを置くと、余計にそう感じる。それが良いのである。

『PRIME TYNE 4 パター』の特徴

方向性については、角型の特徴であるストレートにヘッドを楽に引ける感じは『PRIME TYNE 4 パター』にも継承されていて、ストロークと方向性がマッチする。

打音は、音量がやや控え目で、音質は硬質で、澄んできれいな音になっている。打ち応えは、弾き感があるが、硬い感じは一切しない。距離感は、新しいパターを意識しなくとも、今までのパターと同じように素直なタッチを作ることが出来る。

角型のパターは、実は色々な種類がある。前重心になっているが、真逆の後重心モデルもある。角型のパターは鈍感な感触だから嫌いとか、好きとか、いうような印象を持っているゴルファーもいると思う。『PRIME TYNE 4 パター』は、ブレードパターに近い感覚で、かなり敏感に仕上がっているのである。

角型のパターを鈍感だからと言う理由で諦めたゴルファーには、新しい『PRIME TYNE 4 パター』は挑戦すべき1本だといえる。ショートネックとの相性が良いところも、かなり興味深い。敏感さに磨きがかかるからだ。

そして、角型のストロークのしやすさとブレードの敏感さが融合したパターになっている。そういう意味では、新しい感じが楽しめる1本である。

速いグリーンで実力を発揮しそうなのが SHEAである!

SHEA(シェイ)

最後の1本は、『SHEA(シェイ)』だ。コピーは、“薄いトップレールで狙える”である。このパターを選んだ理由は、半月形のミッドマレットの形状が好きなのと、標準でカーボンシャフトが装着されていたからだ。

『SHEA』は、ひと言で書くと、古くて新しい感覚がするパターだ。ミッドマレットのパターが好きなゴルファーには、自然に使えると思う。

アドレスビューは、ショートネックが好きであれば、構えやすい。ミッドマレットのパターは、ダブルベントシャフトと、クランクネックが多いので、違和感を持つケースもあるかもしれないので、確認が必要だ。

『SHEA(シェイ)』の特徴

打音は、音量が小さいが、音質は硬質で高音。少しふんわりとした打音といえる。打ち応えは、やわらかい感じがして、しっかりとヒットしても、少し押している感触がする。シャフトのせいかもしれない。

距離感は、パターマットなどで打った感じだと弾きが良く、転がるイメージを感じるゴルファーが多いと思うが、実際のグリーンで打つと、ふんわりしたタッチになる。ショートパットは、伸びが良いと感じるが、ミドルレンジと、ロングレンジになると、しっかりと打たないとショートしやすいと感じた。

『SHEA』も前重心のパターであるが、フェース長が少し長いので、操作性はやや鈍感に感じた。しかし、この辺りは性能というよりかは、個別の個性に分類されることなので、好みだと思う。

個人的に感じたのは、速いグリーンに『SHEA』は合っている、ということだった。新しいパターは、基本的には速いグリーンで最高の性能を発揮するように仕上げてあるものであるが、このパターは、特にそれが強いように感じたのだ。

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個人的見解

『ピン 2023 パター』は、ピンゴルフらしい作り込んだパターになっている。全てではないが、トレンドを取り込んで、新しいパターに相応しくしているところも特徴だと思う。

独断と個人的な趣味だけで、3本の『ピン 2023 パター』を紹介したが、スタンダードなモデルも進化をしているので、テストするだけでも楽しいはずである。

ちょっと残念なのは、値段が少し高めだということで、気軽に試してみよう、と呼びかけるのに躊躇する。とはいえ、『ピン 2023 パター』は、ビジュアル的にもなかなか渋くて、好感が持てるパターである。上手くなりたいという向上心があるゴルファーには、打ってもらいたいパターなのである。




篠原嗣典

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。
東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。
試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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