HS40m/sの僕でも打てたよ!「PARADYM ◆◆◆ ドライバー」は、テクニックを活かせるツアードライバーだ!
ツアーですでに実績を積み出したPARADYM ◆◆◆ ドライバーをロマン派ゴルフ作家が検証!コースに持ち込んでじっくり打ってみた!
写真/相田克己
PARADYM ◆◆◆ ドライバーは、ヘッドスピード40m/sでもパフォーマンスを発揮してくれるのか? ツアードライバーとしての実力は? コースに持ち込んで、その真相をレポートする。
米ツアーでライバルドライバーを凌駕しているPARADYM ◆◆◆ ドライバーは、何がすごいの?
キャロウェイは、2023年2月24日に『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』を発売する。
最初に注意したいのが、このクラブは公式オンラインストア、および、CALLAWAY SELECTED STORE のみの販売になることだ。
【『PARADYM』のドライバーは4種類のラインアップ】
(1)『PARADYM ドライバー』
(2)『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』
(3)『PARADYM X ドライバー』
(4)『PARADYM MAX FAST ドライバー』
「PARADYM ドライバー」をコースで打ったら、自分史上・最高の飛びが一段階上にシフトした!
PARADYM ドライバーは、本当にパラダイムシフトを起こすのか?コースに持ち込んで、その真相をレポートする。 撮影/篠原嗣典
全てのタイプのゴルファーが使える新しいブランドが『PARADYM』なのだという自信満々のラインアップとなっている。今回は(2)『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』を取り上げる。
このドライバーのコピーは、“ツアープレーヤーが好むヘッド形状、シャープに振り抜ける先進モデル”だ。冷静に考えると『◆◆◆』は、キャロウェイのツアーモデルの証であり、ツアードライバーのコピーらしいコピーである。
ところがこのドライバーは、通なゴルファーを興奮させる注目ドライバーなのだ。2023年になって始まった米ツアーで実戦投入された瞬間から、ボール初速で話題になり、ライバルのツアードライバーを蹴散らすような結果を残しているからだ。
まず、2023年の米ツアー3戦が終わった時点で初戦の「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」と3戦目の「ザ・アメリカンエキスプレス」に、『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』を使ったジョン・ラームが優勝したのだ。3戦で2勝は、書くまでもなくすごい成績である。
(編集部追記:上記2戦の間に行われたソニー・オープン・イン・ハワイではキム・シウーが『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』で優勝しており、3連勝ドライバーでもある)
そもそも初戦の初日に、米ツアーの「TOUR CAST 3D」で計測された初速を見たゴルフファンが騒然となっていたのだ。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』を使ったジョン・ラームの平均初速が0.78m/s上がったのだ。そのデータを裏付けるように、ラームは初日の17番のドライバーショットで402ヤード、18番では393ヤードも飛ばしている。
更に、キャロウェイ契約外の選手で他のメーカーのドライバーから変更した、J・J・スポーンも、ボール初速がアップしただけではなく、最終日を2位タイで迎えたのである。(最終順位は5位タイ)
細かく探せばもっと色々とあるのだが、十分にお腹がいっぱいになる実績である。ドライバーだけでツアーで勝つことはできないが、ドライバーが合わなければ勝つことができない世界であることも間違いないのである。
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キャロウェイのテクノロジーの進化
『PARADYM ドライバー』シリーズのテクノロジーで、特筆すべきは「360°カーボンシャーシ」だ。
耐久性が高い2種類のカーボンを帯状に成型して、ヘッドの中央部に利用したのだ。金属部分は、フェースとネックの前方と、弾道調整がついている後方の2箇所だけで、それを繋ぐ部分は、全てカーボンなのだ。
重量だけを考えればドライバーヘッドでは、前と後ろだけが重ければ中央はゼロでも、機能的には問題がないという設計思想は、強度の問題などで、それを実現するのは難しかった。しかし『PARADYM ドライバー』シリーズは、不可能を可能にしたのだ。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』は、キャロウェイが培ってきたテクノロジーを更に進化させて搭載している。
新しい「JAILBREAK A.I.」は形状を変えて、25%の重量カットをした。ボールの初速を更に上げる効果を狙っている。「A.I. OPTIMIZED FACE」も新しくなって、初速だけではなく、打ち出し角とスピン量の最適化に貢献し、さらに着弾点のブレ幅も抑えるそうだ。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』は、ソールを見ても、他の3本の『PARADYM ドライバー』シリーズと違う。唯一「スクリューウェイト」が、フェース寄りの一つ、後部の一つの2箇所にあるのだ。デフォルトでは前が2グラム、後ろが14グラムだが、このウェイトは入れ替え可能なので、逆にすることで低スピン専用ドライバーに変身すると推測できる。
そして何より、小振りのヘッドでフォルムが美しく、フェースのバルジが小さく繊細に作られていて、構えやすい上にその気にさせるアドレスビューになっているのだ。この部分だけでも、惚れてしまうゴルファーがいるはずだ。
さて、ではいよいよコースで打っていこう。
今回試打した『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』は、ロフト9.0度、シャフトは純正の「SPEEDER NX GREEN 60」のSフレックス。
ボールは、ボールとクラブの影響を混同しないために使い慣れている『TOUR B X』を使用した。
ロフトが9.0度以外にも8.0度と10.5度もあるので、本当は10.5度のほうが良かったかも、とオーバースペックの予感に少しビビりながらの試打ラウンドとなった。
嘘のような扱いやすさで、狙い通りにしか飛ばない!驚きの◆◆◆ ドライバーは飛距離も出る!
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』は、ツアードライバーだ。過去にキャロウェイの『◆◆◆』モデルで、全く歯が立たなかったドライバーもあったので、今回も謙虚にヘッドスピードが速い仲間に手伝ってもらいながらの試打ラウンドを準備した。
最初のホールで、ビックリした。僕でも打てる、どころか僕のためのチューニングしてもらったドライバーではないかと勘違いするほど使いやすく、結果も出せたのだ。
まずは、『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』のインプレションのサマリーを紹介する。
●打音・打感:打音の音量はやや控えめ。音質は鈍い響きの鞭系の音。打ち応えは独特で、ボールの潰れ感がある。手応えは敏感。
●弾道:高めの中弾道。強いボールが出るが、曲げにも敏感。フェードよりもドローが打ちやすい
●飛距離:平均飛距離は225ヤード。最長飛距離ホールは250ヤード。
誤解を恐れずに書くと、パーシモンヘッドのドライバーを打っているような感覚になった。スペック的にはギリギリで、余裕がない感じは拒めなかったが、ヘッドスピード40m/sでもちゃんと打てたのだ。
弾き感がないのに、飛んでいくボールはしっかりと速度が出ているのである。250ヤード飛んだホールも、当たり前のように軽いドローで飛んでいった。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』で一番好感を持ったのは、打った瞬間に微調整が効くような操作性だ。
「あっ、トゥサイドに当たった」と感じた瞬間に一押しできるとか言うのは、科学的には反射神経の速度やクラブの動きなどの限界があり、完全に否定されている。しかし実際にその時のボールはやや右に出てから、意思を持っているようにスーッと左に戻ってきて、狙い通りの位置に飛んでいったのだ。
また、別のホールでは左のOBが気になって少し逃がした気持ちで打ったが、特別なことはしていないのに、軽くフェードしたのだ。完全にコントロールできていると確信があると、振るのが楽になるし、打つのが楽しくなる。
僕はこの敏感さを『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』の特徴として素晴らしいと思ったが、コントロールに自信がない場合は、とにかく右も左も曲がる凶悪なドライバーになってしまうので、注意が必要である。
またソールのウェイトを動かすことで、全く違うドライバーになることも考慮して選ぶことが大事だ。
こんなゴルファーにおすすめ!
低スピン専用で敏感なツアードライバーを欲しいゴルファーに『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』をオススメする。ツアードライバーとしての性能を引き出すのであれば、前後のウェイトのフェース寄りを重くすることだ。
ヘッドスピード45〜47m/sの仲間に打ってもらってわかったのは、速度が上がっても浮力が増すわけではなく、弾道は高くはならないが、確実に初速は上がるので飛距離は出ることと、曲げのコントロールがより重要になるということだ。
つまり、曲げのコントロールに自信があるゴルファー向けにチューニングされているのだ。
市場には同じようなドライバーがほとんどないので、合うゴルファーにとっては渇望の1本になる可能性がある。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』を試打ラウンドしていて、途中から打つのが嫌になった。理由は、これ以上打ったら離れられなくなる、という予感がしたからだ。
ドライバーは科学力で仕事をしてもらうアイテムでありながら、感性にも応えて欲しいギアだと思いながら、自分が使うドライバーは選んでいる。正直に書くと、科学力で仕事をしてくれる部分だけでスコアアップへの貢献という意味では十分に機能してくれるし、それが2023年の時点の正解だということも知っている。
『PARADYM ◆◆◆ ドライバー』は、それらを両立しているのだ。米ツアーのトッププロを自分と同列に見るつもりはないが、試打ラウンドをしていて、感性に応えてくれる快感にシビれるたびに、これが大躍進の秘密だ、とニヤニヤしてしまったのだ。
僕のパワーでも打てるドライバーではあるが、機能をフルに味わい尽くすのであれば、ヘッドスピードはもう少し必要になる。それでも使いたくなるかも、と思わせるドライバーだというところが、凄さであり、怖さでもある。
このインプレで僕は強いて、「やさしい」という表現を使わなかった。間違って魔性のドライバーにハマって欲しくなかったからだ。そんな心配をさせるほどに、強烈にゴルファーを惹きつける魔力に溢れたドライバーなのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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