フェースの芯を絶対に外さないから狙った方向に打ち出せる

吉田優利選手は、女子ツアー屈指のパット巧者で知られる存在です。22年のパーオンホールの平均パット数は3位。

優勝こそなかったものの、ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメントと住友Vitalityレディス東海クラシックで2位、KTTバンテリンレディスオープン、資生堂レディスオープン、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントで2位タイの成績を残すなど、何度も優勝争いに顔を出しています。

そして青木瀬令奈選手が同じ組でプレーする回数が一番多かったのが吉田選手でした。正確に数えたことはありませんが、おそらく10試合は一緒に回ったと思います。

吉田選手のプレーを間近に見る機会が多かったわけですが、いつも感心させられたのはパットのレベルの高さです。一番ストロークが安定していて、とにかく芯を食っている。フェースの真芯でヒットしているから、いつでも思ったところに打ち出せる。

「パットの天才」としか思えないほどです。うまく表現できませんが、魂とか気持ちを込めて打つという感じでまさにハートフルパット。魂がボールに乗り移ってカップに真っすぐ向かっていく。これはスゴイ!と思いましたね。

資生堂レディスオープンは青木選手が優勝した試合で、最終日は吉田選手、ユン・チェヨン選手と最終組でプレーしました。11アンダーでトップスタートの青木選手が69で回って通算14アンダー。吉田選手は通算12アンダー。青木選手もパット巧者ですから、2人の火花を散らすようなパット勝負は実に見応えがありました。

そしてもう一つ印象深かった試合が、ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント。吉田選手は通算12アンダーで並んだセキ・ユウティン選手とのプレーオフで惜しくも敗退しましたが、気迫のこもったパットを打っていました。

この試合だけはボクは青木プロのキャディをせず、18番ホールで解説を担当していました。敗れたにもかかわらずあれだけの笑顔で勝者を祝福できる吉田選手の人柄。

「グッドルーザー」といえば失礼かもしれませんが、ボクには忘れられないシーンです。

胸をボールより右に向けたまま振り下ろす形にも注目

吉田選手のプレーを間近に見て、これはスゴイ!と思ったことがもう一つあります。何かというとドライバーショットです。

ドライビングディスタンスは240.07ヤードで32位。フェアウエイキープ率は71.3134で25位。ドライバーの総合力を示すトータルドライビング部門は6位ですから、ドライバーが巧いプレーヤーの1人です。

吉田選手の凄いところはインパクトの形が完璧に見えるところ。強い選手は皆インパクトの形が理想的で再現性や反復性がとても高くミスが少ない。その中でも吉田選手のドライバーショットは群を抜いていると思います。

この吉田優利のドライバーショットの連続動画はこちらから!

ここに注目ポイント!

  • ⑥ダウンスイングで腰をしっかり左にターンしているが、胸はボールよりも右側を向いたままだ。
  • ⑧胸をしっかり残してボールをとらえるという感覚のインパクトの形がまさに理想的。

吉田選手のダウンスイングに注目してください。切り返しから下半身がリードしますが、上体をギリギリまで開かないでクラブを振り下ろしていることが分かるでしょう。

腰はグイッと左にターンしていながら、胸はボールよりも右を向いたままです。インパクトまで胸が右を向いている時間が誰よりも長い。だからクラブヘッドを理想的な角度から振り下ろしてくるインサイドアタックを実践できる。

それを可能にするのは、ダウンスイングで急がないでゆっくり下ろしてくるイメージなのです。切り返しで打ち急いでしまう癖のある人は吉田選手のダウンスイングの形やタイミングを参考にするといいでしょう。

吉田優利
よしだ・ゆうり(エプソン)2000年4月17日生まれ、千葉県出身。158㎝。22年は未勝利に終わったが、ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント2位などトップ10入りが19回という安定した成績を残した。メルセデスランク、賞金ランクともに6位。ツアー通算2勝。


大西翔太
おおにし・しょうた/1992年6月20日生まれ、千葉県出身。水城高校ゴルフ部を経てティーチングプロの道に進む。日本プロゴルフ協会公認A級の資格を取得。現在はジュニアゴルファーの育成に尽力する一方、青木瀬令奈のコーチもつとめる。メンタルやフィジカルの知識も豊富でメディアでも幅広く活躍中。


【人気コーチ、大西翔太は見た! この女子プロのココがスゴイ!】


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