ミズノの新作ドライバー「ST-Z 230」「ST-X 230」を試打!バッグの中のウッドが全部ミズノになっちゃうかも...
ミズノはアイアンだけじゃない!新技術がウッドの歴史を変える大発明に!?ロマン派ゴルフ作家が検証する!
3月10日発売の『ST-X 230 ドライバー』と『ST-Z 230 ドライバー』は、どこが特別なクラブなの?壮大な予告をレポートする。
撮影/篠原嗣典
新技術の「CORTECH CHAMBER」は、ウッドの飛距離革命を起こす大発明になる!?
ミズノは2023年3月10日に『ST-X 230 ドライバー』と『ST-Z 230 ドライバー』を発売する。同時に、『ST-Z 230』シリーズのみの展開で、フェアウェイウッドとユーティリティも発売となる。
さり気なく米国市場を意識してなのか、『ST シリーズ』は毎年新製品が発売されてきた。アイアンなどは2年サイクルだから、異例と言えば異例だった。しかし、今後はドライバーも2年サイクルになるという。
急にそんなことになる理由を色々と考えたが、新しい『ST-X 230 ドライバー』と『ST-Z 230 ドライバー』の発表を見て、大いに納得をした。新しいテクノロジーが凄いからだ。ゴルファーに浸透し、結果が出尽くすのに1年は短すぎるのだ。
新しいテクノロジーの名称は「CORTECH CHAMBER(コアテック チャンバー)」という。ソールのフェース寄りに大きく深い溝を作り、それを「TPU」というやわらかい樹脂で埋めることはよくあるが、「TPU」と一体成型された「鉄芯」ステンレスが、中央に浮くように配置されているのが「CORTECH CHAMBER」である。
インパクト時にヘッドは急減速する。ボールにエネルギーを移した分、速度が落ちるからだ。その瞬間、「CORTECH CHAMBER」の鉄心は慣性の法則で飛行線方向に動き、結果として押し出すようにしてボールスピードを増やす効果があるというわけだ。
ちなみに、このテクノロジーについて金属の剛性に詳しい研究者に確認をしてみたところ、鉄芯の位置が低いことと、ヘッドの重量配分的な働きを考えると、速度を上げる効果よりも、スピン量を減らす効果が大きいと思う、ということだった。
いずれにしても「CORTECH CHAMBER」は、ドライバーの飛距離に貢献するというイメージが頭の中で広がる。
ミズノが得意としているフェース素材「βチタン」は、飛距離性能アップにすでに実績があるし、フェースの厚さと裏側の構造も新しい『コアテック フェース』になって、広い範囲が高反発になるようになっている。
かつて、新しいテクノロジーはミズノが史上初搭載するのが当たり前という時代があった。OEMも含めると、世界中で売られているクラブの4本に1本はミズノ製だと言われていた頃の話だ。
久しぶりにミズノの新しいテクノロジーで興奮してしまった。打つ前から確信がある。“これは凄い”と。
マイバッグの中のウッド系クラブが、全てST-230になってしまうかもしれない?
僕のバッグの中にはユーティリティが2本入っている。『ST-X 200 ユーティリティ』だ。アイアンもミズノである。いずれも厳選して選んだクラブで、フルに機能して僕のゴルフを支えてくれている。
新しい『ST 230 シリーズ』のドライバーはこの2本である。
(1)丸形で、ボールをとらえやすくした『ST-X 230 ドライバー』
(2)洋なし形で、重心後方に分散ささえた『ST-Z 230 ドライバー』
フェアウェイウッドとユーティリティは『ST-Z 230』のみの発売になる。もちろん、どちらも「CORTECH CHAMBER」が搭載されている。
実は、事前に新しい『ST』シリーズをコースで打つというチャンスがあった。残念ながら、それは雪で中止になってしまった。こういうケースで僕は、ホッとする。毎週末の試打ラウンドでアップアップだから、体力的に助かったと思ってしまうのだ。
しかし今回は、本当に悔しかった。「CORTECH CHAMBER」を試してみたかったからだ。
欧米のミズノは、2月発売で新しい『ST』シリーズを市場投入するし、米国のPGAショーでも試打ができた様子なので、日本国内より情報が早く飛び交っている。欧米のメディアは忖度なしのインプレが多いが、概ね評判が良い。
『ST-230 シリーズ』の発売日が待ち遠しい
最後になるが、「CORTECH CHAMBER」は青い色になっていて、『ST-230 シリーズ』もブルーがイメージカラーになっている。ミズノブルーでしょ、と考えるのは半分正解だ。
もう半分は、炎に関係しているそうだ。炎が最も高い温度になるとブルーになるところから、最も高温の炎のようなブルーを採用したという。ミズノの気合いが入っていることがわかる逸話だ。
『ST-X 230 ドライバー』『ST-Z 230 ドライバー』『ST-Z 230 フェアウェイウッド』『ST-Z 230 ユーティリティ』のそれぞれを近々、試打ラウンドする予定である。
情報を待っているゴルファーがいるからとか、編集部に急かされているからとか、普段はそういうモチベーションで試打をするが…今回は完全に自分のために打ちたくて、ワクワクしている。
少し先の未来、自分のバッグの中のウッドが全て変わってしまうかもしれないという予感に震えながら、その日を待っているのである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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