花見ゴルフはタイミング次第!簡単にできないから価値があるのかも!?
日本人は桜が大好きです。冬の終わりになると、開花予想が発表されて、桜の花が咲く季節のカウントダウンが始まります。今書いている時点で東京の桜はほぼ満開、公開までに時間のズレがあることを考えると、桜がテーマの読み物としてはタイミングが遅すぎてしまいます。
花見ゴルフも含めて、桜はタイミングが全てだといっても過言ではありません。
厳密な意味で、満開の桜の下で花見ゴルフをしたという経験があるゴルファーは、ごく少数しかしません。理由は、桜は咲いている時間が短く、満開の期間は最長でも1週間ぐらいしかないからです。年によって開花時期がずれるのが当たり前ですから、ピッタリのタイミングでゴルフができるのは、運良くクジが当たったみたいな感覚なのです。
桜を楽しめるラウンドコースは、実は少ない
そしてもう一つ、花見ゴルフと自慢できるほどに桜がたくさんあるゴルフコースは、全コースの数パーセントしか存在しないのです。一つのホールだけに桜がたくさんある、というだけでいいなら多数ありますが、ラウンドを通して楽しめるコースは一握りです。
理由は、花びらの季節と葉が落ちる季節にコース内の清掃が大変になるからです。刹那な美しさは、無条件で味わえるほど甘くはないというわけです。
そもそもゴルフに夢中で、ボールを見るだけで精一杯。桜を楽しむ余裕なんてないというゴルファーのほうが圧倒的多数であることも、花見ゴルフを難しくしています。
優雅に花見を楽しむゴルフというのは、いろいろな意味で憧れであり、幻なのです。
花見ゴルフは工夫次第で簡単にできて、角度を変えれば面白い楽しみ方も可能!
桜の開花と満開は、桜前線として日本列島を北上するように横断していきます。この速度は、1日に20キロ前後とされています。
東京が満開だとして、100キロ北にあるコースの満開はその4~5日後です。そういう計算ができるので、北部にあるコースであれば花見ゴルフのタイミングを予測できます。
老後の楽しみとして、桜前線とともに北上しながら花見ゴルフを楽しむ先輩夫婦がいました。神奈川の横浜からスタートし、約1ヶ月をかけての旅です。
「1ヶ月ずーっと桜が満開だと、天国みたいなんだよ」
時々、その年の写真を見せてもらいながらお話を聞かせてもらいました。当時の僕はまだ若く、もの好きだなぁと思って聞いていましたが、自分が先輩の年齢に近づいてきた現在、素敵な趣味だったのだなぁと羨ましく感じています。ある意味で、究極の花見ゴルファーだとリスペクトしています。
桜タイムトラベルって?
この季節楽しみにしているのが、桜タイムトラベルです。
試打ラウンドをしているコースは北関東にあり、自宅からおおよそ100キロ離れています。東京の桜が散っても、高速道路を北上していくとインターごとにたいてい桜が植えられているので、桜がどんどん咲いていくのが見える時期があるのです。
コースには毎週通っているので、桜前線に追い着くこともあれば、追い抜くこともあります。桜で時間の逆行を楽しむドライブは、まさに桜タイムトラベル、春ゴルフの一部になっています。
山桜の花見ゴルフこそが醍醐味なのである!
桜といえばソメイヨシノですが、僕はこの10年ぐらい、花見ゴルフは山桜が最高だと考えています。
僕が試打をしているコースには、少なめに数えても50本を超える山桜があります。早咲き、普通、遅咲きと咲く時期がずれるので、ソメイヨシノよりも長く花見ゴルフが楽しめます。
最初は桜といえばソメイヨシノでしたが、今では山桜が大好きになりました。
昨年4月、後ろの組でプレーしていた若い女性が叫んでいるのを聞いて、思わず微笑んでしまいました。
「ウソ!信じられない。見て、見て。桜だよ。私たちが来るのを待ってくれていたんだよ。奇跡だよ、奇跡!めっちゃ撮りたい!」
東京のソメイヨシノはその1月前に満開になり、すでに葉桜になっていましたが、コースでは遅咲きの山桜が満開だったのです。
今からでも、東北であればソメイヨシノの花見ゴルフは可能ですし、東京や千葉でも北部や山沿い、または北関東なら山桜の花見ゴルフは間に合います。山桜の花見でラッキーなのは、咲く時期に多少のズレがあるので、満開の花を愛でながら、別のホールでは花吹雪の中でショットをするという奇跡的な体験ができることです。
もちろん山桜でもお花見ゴルフはタイミングの問題で確実ではありませんが、それはゴルフというゲームと同様、不確実性を楽しんでいると考えれば十分に面白いのものです。
桜が咲き、マスターズが始まれば、ゴルフもハイシーズンに突入です。ゴルフに行けば何かがあるかも、と思える季節を楽しめるタイミングは、今、なのです。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


