ゴルフに年齢制限はある?子供は何歳からOK?何歳になったらクラブを置く?
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第63回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
子供はゴルフをする資格なし?今でもそんなことを考える人がいる不思議
今から約20年前、ジュニアゴルファーを育成する団体が、子供がプレーできるか否かを日本中のコースに確認して調査しました。その結果、原則として子供のプレーは禁止しているコースが90%を越えていたのです。
原則としてというのは、メンバーの子供は家族メンバーになれば可能だったり、中学生以上の競技のみ許可していたりしたからです。子供と大人の線引きは、公共交通機関が大人料金になる中学生でした。
つまり、小学生以下の子供はゴルフをする資格がない、というのが常識だったのです。ゴルフコースだけではなく、練習場も小学生以下の入場禁止としているところもたくさんありました。
ジュニアゴルフブームの火付け役
21世紀になって、ゴルフ業界はゴルフ人口の減少に危機感を持っていました。ピーク時の人口の半分以下になったゴルファーを増やすための会議を繰り返し、ノープランのまま「ゴルファーを増やそう!」という掛け声だけを交わし合って自己満足していました。
状況が大きく変わるのは、2003年に女子高生ゴルファーだった宮里藍がツアー優勝してジュニアゴルフブームが起き、さらに2007年、高校生ゴルファーだった石川遼がツアー優勝し、はにかみ王子が社会現象になってからです。
子供にゴルフをさせようという親が増えて本当の意味でゴルフが大衆化し始めた結果、年齢制限を撤廃したコースが過半数になって現在に至っています。
しかし、子供がコースで騒いでいるようなシーンを見て、「昔のように子供がいなかったゴルフコースが懐かしい」というオールドゴルファーは少なからずいます。
比較的高級なゴルフコースが今でも年齢制限を設けているのは、非現実的な空間を守るための防衛手段だと正当化する考え方があるからで、名門コースの中には子供どころか35歳未満はプレー不可、という年齢制限を維持しているところが現在もあります。
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