誰にも眠れない夜があるけれど、その理由は様々
「参ったよ。完全な寝不足でさぁ」という笑顔の言い訳は、ゴルフコースの朝のあるあるです。タラレバや言い訳を聞くと不愉快になるという厳格なゴルファーもいますが、なんとも微笑ましいシーンなので大好きです。
ゴルフの前夜に眠れないのは、初心者から初級者のときには誰にでもあるものです。と書きつつ現実は、中高年のまあまあのベテランゴルファーでもゴルフの前にはなかなか眠れない、という悩みがあるのです。
そういう状態は、遠足や運動会の前夜に興奮して眠ることができない子供と同じです。ゴルフは大人を子供に変える魔力があります。
メンタルの専門家の意見を聞くと、
● 初級者に多いのは…期待に胸が膨らんでワクワクする系の興奮。
● ベテランが多いのは…ドキドキする系の期待と不安が入り交じる系の興奮。
前者は経験を積めば徐々に興奮度が下がっていくらしいのですが、後者はかなり厄介で、いつくるか予測がつかず、ゴルフが始まる前からメンタルが削られてしまう可能性があるそうです。
僕もジュニアゴルファーだった頃は、ゴルフの前夜に興奮して眠れない一人でした。当時は運転免許を持っていないので運転はしませんから、行き帰りの車の中で爆睡して、バランスを取っていました。
どうせ眠れないのであれば、という物語は無限大
新しいクラブをデビューさせるワクワク。新しい打法を試してみるドキドキ。初めて行く憧れのコース。一緒にプレーするのを楽しみにしていたメンバーとの初ゴルフ。大小様々な要因が、ゴルファーを興奮させます。そして、眠れない夜が来るというわけです。
眠れないと困るのは、車の運転で眠くなることや、想定外の時間に寝落ちして遅刻をしてしまうことです。
どうせ眠れないならと、目が冴えている夜のうちにコースの近所まで行って、スマホの目覚ましをかけて車の中で仮眠を取る人もいます。サービスエリアや道の駅の駐車場を利用すると、トイレもあるのでオススメだと力説しているのを聞いたこともあります。
24時間営業している練習場に行ってボールを打ってからコースに向かい、仮眠という作戦も聞きます。ちなみに、ゴルフコースの多くは門が閉まっていたりして、夜中に駐車場内に侵入できないので注意が必要です。
車中で爆睡して結局起きられず、“ウサギとカメ”のウサギのように遅刻した人も知っているので、確実な方法ではありません。やはり一番いいのは、ちゃんと家のベッドで深く眠って、スッキリ起きることなのです。
それでも眠れないときはどうしたらいい?
眠れないときは、何をするのがオススメでしょうか?クラブを磨いたり、キャディバッグのポケットの中を点検したりするのがいいのでしょうか?と何度も聞かれましたが、前夜に不備が見つかっても補充に限界があるので、その手の準備はもう少し前にするのが正解です。
プレーするコースを思い浮かべたり、各ホールのレイアウトを調べて、コースマネージメントやシミュレーションをするのがいいという話も聞きますが、それらはかなりのハイレベルな知識と経験と技量を必要とします。僕が知る範囲では、上手くいったという成功例はほんの数例しかありません。
眠れる眠れない以前に、翌日のゴルフにマイナスになってしまう準備はしないほうが得策です。
無理に眠る必要はないという子守歌で眠る
あるメンタルの専門家は、ゴルフの前夜の不眠症への対処は2つしかないと言い切っています。
(1)慣れること
多くの仲間が通った道だと楽しむぐらいの意気込みがあるほうが、早く慣れることができるそうです。
(2)普段通りにする作戦
普段は午前1時にベッドに入る人が、翌朝は早起きだからと午後10時にベッドに入っても、簡単に眠りにつくのは無理というものです。
『いつもと同じ』と意識することは、翌日のゴルフで平常心のプレーがしやすくなるというプラス面もあるとのこと。早起きする分寝不足になったとしても、眠りの質が”いつもと同じ”であればスッキリする感覚は、実体験としても納得できます。
かれこれ30数年、個人的にやっていること
(1)普段通りに過ごすこと。
(2)持っていく荷物の確認は前夜まで終わらせて、当日の朝に準備を残さないこと。
上記の2点を徹底し、前夜はほぼ快眠でゴルフに行っています。
最近は、ゴルフに行く時間を作るために数日に渡り無理して仕事をすることが多く、前夜は疲れて早い時間から爆睡ということもあります。
こういう時は『寝酒が一番』という声も聞こえます。ほどほどの量に抑え、ちゃんと起きられる自信があればいいでしょう。ただし、飲みすぎは厳禁です。
ゴルフの前夜もゴルフのうちです。すでにスタートしているのです。眠ることが0番ホールだと考えてみることで、少しでも気が楽になったらラッキーです。
おはようバーディーではなく、おやすみバーディーを夢見てベッドインしましょう。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


