新しい「B シリーズ」ドライバーを試打した!
ブリヂストンスポーツは、2023年9月8日に新しい「B シリーズ」の(1)「B1 ST ドライバー」、(2)「B2 HT ドライバー」、(3)「B-Limited B1 LS ドライバー」を発売する。
「ST」は「Strong Trajectory(強弾道)」、「HT」は「High Trajectory(高弾道)」、「LS」は「Low Spin(低スピン)」の略である。それぞれの名称通りの弾道になるように、重心設計などがそれぞれ行われていて、弾道調整用にウェイトを移動調整できるような工夫にも溢れている。
それより何よりも、新しい「B シリーズ ドライバー」の新テクノロジーは、フェース。加工とミーリングは、ブリヂストンスポーツならではの「接触」にこだわったもので、ボールがインパクト時にフェースの上で滑らないことが、つぶれを大きくするのと同じ低スピンになる効果を生むというものだ。
爪を立てると驚く。フェースに白い跡がつくのだ。つまり、ヤスリのように爪が削れて白く残る。四の五の言わずに、とにかく3本をゴルフコースに持ち込んでラウンド試打をしてみた。
ボールは使い慣れていて、クラブ影響に集中できる「TOUR B X」を使用した。きっと、各ドライバーとの相性もいいはずだ。
(1)「B1 ST ドライバー」は、フラッグシップドライバーとして歴代最高の飛距離!
まずは、「B1 ST ドライバー」を打ってみた。ロフト9.5度、純正シャフトのSフレックス。
わかった基本的項目をまとめる。
● 打音打感:音量はちょうど良く、音質は鞭系で残響が美しい音。打感はやわらかく、乗り感が強い。芯感がクリア。
● 弾道スピン:高めの中弾道。少し捉える挙動があるがフェードが得意。左に行かない。低スピンの強い弾道。
● 飛距離:平均補距離は220ヤード、最高飛距離ホール240ヤード、過去の「B1」で最高飛距離。
「B1 ST ドライバー」はまあまあハードだが、テクニックさえあればヘッドスピード40m/sでも十分に打てる。目立つのは飛距離性能である。最長飛距離240ヤードは、トップクラスに飛ぶ証明だ。
ただし、このドライバーはツアードライバーなのだ。最高の一打が出るようにチューニングする中で、ミスヒットの許容は少し犠牲になっている。芯に当てる自信があるゴルファーにオススメする。とはいえ、飛ぶけど難しいドライバーということね、と決めつけるのは短絡的だ。
面白いところは、アドレスビューと打音がいいのだ。ドライバーが上手くなったと思わせてくれるドライバーなのである。使い慣れて使い熟すことができれば視覚や聴覚、そして触覚からの情報と成功体験の結び付きが強固になることが想像できる。それは、生半可な機能など簡単に凌駕する、プラス要素になる。
相思相愛になることで最高のパフォーマンスを発揮するドライバーがごく稀に市場に出てくるが、「B1 ST ドライバー」は、そういう1本だ。
これまでブリヂストンスポーツのツアードライバーを何度試しても合わなかったというゴルファーにも、ぜひ打ってもらいたい。この出逢いのために全てのチャレンジがあったのだ、と納得できる可能性が高いのである。
(2)迷ったら「B2 HT ドライバー」!これが一番飛ぶというゴルファーが多いかも!
「B2 HT ドライバー」を打ってみた。ロフト9.5度、純正シャフトのSフレックス。
わかった基本的項目をまとめる。
● 打音打感:音量はちょうど良く、音質は鞭系に硬質が混じる音。残響は抑えめ。フェースの乗り感と弾き感のバランスがいい。手応えはかなり敏感。
● 弾道スピン:高弾道。とらえる挙動がありドローが得意だが、フェードも打ちやすい。低スピンの強い弾道。
● 飛距離:平均補距離は225ヤード、最高飛距離ホール245ヤード、過去の「B2」で最高飛距離。ヒールサイドに当たると距離ダウンするが、トゥサイドは距離が落ちない。
「B2 HT ドライバー」は、「B1 ST ドライバー」と比べるとボールの高さが楽に出たり、とらえる動きが強く、その分やさしいドライバーになっている。いわゆる、トレンドの「やさしいツアードライバー」なのだ。
そして、飛ぶ。この飛距離性能は、想定を明らかに超えたもので、ラウンドしながら戸惑った。打った感触で言えば、この「B2 HT ドライバー」のほうが飛距離と感触のリンクがあった。多少のミスでも飛距離が落ちないこともあって、感触はイマイチだったショットも2打目の地点に行ってみると、ここまで飛んだの?というシーンが何度か起きた。
このドライバーは、ドローバイアスが若干あるが実はフェード打ちに使って欲しいと感じた。フェード打ちが好みそうな「通な仕上げ」がいくつもあるからだ。
「B1 ST ドライバー」と「B2 HT ドライバー」は姉妹ドライバーでありながら、全くの別物と考えたほうがいい。ドライバーを使う面白さを楽しむ技術的な余裕がないのであれば、「B2 HT ドライバー」がオススメである。
迷ったら「B2 HT ドライバー」と断言できる。やさしく飛ばせるのに超したことはない。そういう真理を教えてくれるクラブとして、本当に上手く仕上がっているのである。
(3)特注らしさ爆裂の「B1 LS ドライバー」は、特別なゴルファーのための特別な1本!
「B-Limited B1 LS ドライバー」を打ってみた。ロフト9.0度、SPEEDER NX GREEN Sフレックス。
わかった基本的項目をまとめる。
● 打音打感:音量はちょうど良く、音質は鞭系で少し残響がある通好みの音。フェースの乗り感が強く、しっかりしている。手応えはかなり敏感。
● 弾道スピン:中弾道。低スピンの強い弾道。敏感に曲がりに反応して、左右に大きく曲がる。
● 飛距離:平均補距離は225ヤード、最高飛距離ホール255ヤード、2023年の最高飛距離。芯から大きく外すと使えない。
「B-Limited B1 LS ドライバー」は特注対応で、フィッティング前提のドライバーだ。
最初に感じたのは、フェードもドローも、曲がり出したらクラブが止めてくれる要素はないことだ。現在の市場にはここまで左右の曲がりに敏感なドライバーはない。
基本的にはハードヒッターが使う想定で作られているが、ヘッドスピード40m/sでも辛うじて使える。ただ、芯に当たった時と外した時の落差が大きい。それが最長飛距離が驚異的なのに、平均飛距離が普通のまあまあ飛ぶドライバーと同じになった原因だ。ただ、最長飛距離はかなり魅力的である。
使い熟すにはスピードと腕前が不可欠だが、このドライバーを使い熟せるように自らを鍛えるという使用法もありだ。平均スコアは一時的に落ちるかもしれないが、腕前を上げることで後に受けるメリットは大きい。
思い返せば昭和の時代、いわゆるツアー系のクラブはゴルファーを助けてくれるのではなく、機能を堪能して狙い通りのボールを打つことに特化していた。「B-Limited B1 LS ドライバー」はそこまでシビアではないかもしれないが、似た雰囲気を感じさせる。
そして、潔い。余計なものを極限まで削ぎ落としているのだ。試打ラウンドをしていて、色々なことを思いださせてくれたり、このドライバーを使用したら…という想像をさせてくれりした。
最後に
自分が今回の3本ドライバーから1本を選ぶなら、(3)「B-Limited B1 LS ドライバー」だ。ハイリスク・ハイリターンではあるが、それが面白いと思う。
3本を通して言えるのは、フェースで飛ばすというテクノロジーは成功している、という点だ。歴代全ての「B シリーズ ドライバー」を打ってきたが、今回の3本は史上最強である。飛距離性能に関して、ほぼ完璧だと言える。
名器になりそうなのは「B2 HT ドライバー」だ。2023年のドライバーの中では機能も含め、素晴らしい仕上がりだと感心した。このドライバーにしたことで、スコアアップできるゴルファーはたくさんいるはずだ。
新しい「B シリーズ」のドライバーは、3本が非常に個性的で実に面白い。テストしないのは、大損になるかもしれないことを最後に書いておく。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


