「PARADYM SUPER HYBRID」は、チタンヘッドでハイブリッドの歴史を変える?

キャロウェイは、「PARADYM SUPER HYBRID」を2023年9月1日に発売した。

まず注目したいのは名称だ。「SUPER HYBRID」は、前モデル、前の前モデルは「EPIC SUPER HYBRID」だった。キャロウェイのツアープレーヤー用のトップブランドが「EPIC」である。

一方、「PARADYM」は「EPIC」と交替するように2023年に出現した新しいブランドだ。新しい常識を作り出すようなイメージの「PARADYM」の「SUPER HYBRID」というのは、ピッタリな感じがする。

「PARADYM SUPER HYBRID」のコピーは、“フルチタンが可能にしたドライバー級のパワーと驚きのやさしさ。”チタンヘッドのドライバーは当たり前だが、フェアウェイウッドやユーティリティでチタンを使う例は、まだまだ一般的ではない。

フェアウェイウッドは、いくつかのメーカーが市場投入して成功例も出てきているが、ユーティリティのチタンヘッドはキャロウェイ以外では、ほぼ見かけないのである。

ヘッドを素材をチタンして軽量化したことと、「トライアクシャル・カーボンクラウン」で軽くしたことで、約95グラムの余剰重量を得ることができた。それをヘッド内のソール中央と後方の3か所に、「MIMタングステンウェイト」として配置したのである。

ボールの高弾道化と、ミスヒットに強くなることを狙っているのだ。

さて、ではいよいよコースで打ってみよう

その他にも、キャロウェイのテクノロジーを集約している。

前モデルも、前の前のモデルも飛距離が出るという点で尖っていた。ただし、ある程度の腕前がないとその機能を使えなかった。それは「EPIC」だからしかたがない、と考えていた。だが、新しい「PARADYM SUPER HYBRID」は、「PARADYM」らしく進化しているのではないか?そう期待しながら、試打ラウンドをすることになった。

ラインアップは、ロフト別の2H/16度、3H/18度、4H/21度、5H/24度、6H/27の5種類。この中から、3Hと4Hの2本を選択し、シャフトはVENTUS TR 5 for Callaway (S)となった。

高弾道でぶっ飛ぶボールが打てちゃう「PARADYM SUPER HYBRID」の“やさしさ”はホンモノ!

「PARADYM SUPER HYBRID」でラウンドして、わかったことを挙げる。

● 打音打感:音量やや控えめ。硬質が目立つ音、美しい残響もある。やや軽めの打感
● 弾道球筋:高弾道。打ち出しから上がる。ストレート系が得意
● スピン:高さで止めるイメージ
● 飛距離:3Hが190ヤード、4Hが180ヤード

前モデルとは比較にならないほどやさしい。とにかく、ショートアイアンのようなハイボールが楽々打ててしまうのだ。上がり過ぎて距離のロスがあることを覚悟したが、それは杞憂だった。高弾道なのに、しっかりと飛距離も出ている。新しいクラブとしてお見事だった。

前モデルまでの「SUPER HYBRID」は、飛距離性能はすごいけれど腕前がないと使い切らない、というクラブだったが、全く違うのだ。腕前は最低限でもOK。極端な話、誰でも飛距離性能を味わえるクラブになっている

フェアウェイウッドが苦手なゴルファー、ユーティリティが苦手なゴルファー、ロングアイアンが苦手なゴルファーにオススメである。

お値段ってどうなの…?

もう一つ、「SUPER HYBRID」には問題があった。

ドライバーと同じぐらいの性能をチタン化で得られるメリットの代わりに、お値段もドライバーと同じぐらい高額だったのだ。しかし、「PARADYM SUPER HYBRID」は、普通のフェアウェイウッドと同じぐらいの価格で購入できる。難易度的な意味でやさしいだけではなく、お財布にもやさしくなった。

シェイプが少し四角くて、独特である。アドレスするとソールの座りは良く、方向に向かっても構えやすい。この辺りの味付けは好き嫌いで、良い悪いとは単純には言えない。ただ、長いクラブが苦手だった人には、こういう特別な形状が呪いを解く呪文になる可能性があるのだ。

これなら打てる、これは大好き、という個性と成功体験をリンクさせるのが「PARADYM SUPER HYBRID」の正しい使用法なのである。




篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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