完成形の更に先を目指して「Mizuno Pro 241 」は開発された!
ミズノは、「Mizuno Pro 241 アイアン」を2023年9月15日に発売した。コピーは、“究極の打感を追及、ザ・マッスルバック”、“打球部裏を厚くすることで、さらにソリッドな打感を追及”。そして「24 シリーズ」の3種類のアイアンのトータルコピーは、“世界がまた、鍛造に恋をする。”だ。
マッスルバックの中のマッスルバック、ということで「ザ・マッスルバック」ということなのだと思うが、まさにそういうポジションが「Mizuno Pro 241 アイアン」の宿命なのである。そもそも、前モデルもマッスルバックの完成形であり、隙がない感じだった。その後継機種はどうなるのか?マッスルバックが好きなゴルファーには気になるところだと思う。
注目したのは、ヘッドの大きさを再調整したという点だ。過去の名器と呼ばれたアイアンをベースにして、操作しやすい数値を追求したという。結果として、特にショートアイアンはヘッドをコンパクトにしたとのこと。確かに構えてみるとグッと来るし、打ちたくなる見事なシェイプである。
普通の人は前モデルと変わらない、と思うかもしれないが、バックフェースの厚みが増しているのだ。マッスルのムキムキ感が増したのである。こういう変更は必ずしも成功するとは限らないのが、クラブの歴史を振り返るとわかる。だからこそ、興味津々なのだ。
マッスルバックのアイアンは、機能が詰め込まれている必要はない。素材とシンプルな構造で、黙って打ってみな、というのがマッスルバックだ。「Mizuno Pro 241 アイアン」は本当にそういうアイアンだと思う。ワクワクしながら、試打ラウンドをした。
試打したのは5番〜PW。ダイナミックゴールド HT(S200)のシャフト。ボールは、使い慣れていてクラブの影響に集中できる「TOUR B X」を使用した。
「Mizuno Pro 241 」は黙って打てば、欲しくなってしまうマッスルバックである!
「Mizuno Pro 241 アイアン」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。
● 打音打感:音量はやや控え目、濡れた鞭系に微かな高質感が混じる音。軽めで乗り感がある打感。
● 弾道球筋:高めの中弾道。伸びがある球筋。曲がりには敏感。スピンはかなり強め。
● 飛距離:ロフトより数ヤード飛ぶ。芯に当てさえすればて縦距離に狂いなし。
「ザ・マッスルバック」と呼ぶのに相応しいアイアンだった。何も考えずに打てばしっかりとスピンがかかるので、ボールが落ちてからの動きがイメージ通りなのである。
3年前まで、約40年間マッスルバックのアイアンを使い続けてきたが、“どうして、マッスルバックを使うの?”とよく聞かれたものだ。複数の利点があったが、最大の利点はスピンコントロールができるからなのだ。
練習して身に付けられるテクニックとしてスピンを増やすことには限界があるが、減らすには複数の方法や加減がある。普通に打ってかかるスピンが安定していて、その引き算ができる(滅多にしないが)ことがアイアンを狙い通りに止めることに直結し、スコアをつくるのだ。
だからスピンが効きすぎてしまうことを嫌ってツアーキャビティーにする、という流れが出てからもマッスルバックにこだわってきた。
体力的にマッスルバックは厳しいから、また試打をする際の基準として一般的なアイアンのほうがわかりやすいかもしれないと、マッスルバックのアイアンを手放した。
「Mizuno Pro 241 アイアン」を打ってラウンドをして、やはりマッスルバックはいいなぁ、と素直に思った。150ヤードを5番か6番で打たなければダメでも、今のクラブ(ぶっ飛び系アイアン)よりも平均スコアも良くなるだろうし、常に博打をしているようなストレスもなくなると感じたからだ。
「Mizuno Pro 241 アイアン」は「ザ・マッスルバック」だ。打ってみると思ったよりもやさしいと感じる人が多いものだ。食わず嫌いで未使用のゴルファーには、黙って打ってみな、と渋く伝えたくなるアイアンである。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてでビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


