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ドライバーのシャフトは50gだけどFWは40g。このセッティングはアリ?

鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第8回

2024/03/21 ゴルフサプリ編集部

ドライバー,シャフト

前回のコラムでは、フェアウェイウッドが上手く打てていたり振りやすく感じていれば、ドライバーとのシャフト重量差にそこまでこだわらなくていい、と話してくれた鹿又さん。今回も引き続き、今どきクラブの“重量フロー”について深堀りする。

写真/ゴルフサプリ編集部

ヘッド重量の差によっても“重量フロー”はできる

フェアウェイウッドも番手が小さくなるにつれて、ヘッド重量がどんどん重くなっていきます。すると、シャフト重量がドライバーからアイアンまで全く一緒だとしても、ヘッド重量の変化によってなだらかな右上がりのフロー(総重量)ができる。

例えば、重量フローが急激な右上がりが男子プロ、なだらかな右上がりが女子プロ、シャフト重量は変わらずヘッド重量だけで差が出ている水平に近い右上がり、という3パターンがあるんです。

前回お話ししましたが、ドライバーはティアップした球を打つので、重くても振れるものです。なので、ドライバーだけポツンと別のところにあって、FWから重量フローを作っていっても構いません。仮に、ドライバーは5・Sを使ってるけど、FWは4・Sから始まっていても、違和感なく使えていたらそれでOKです。

手段が目的になると、望ましい結果につながらない

じつは女子ツアーでは、FWやUTもドライバーと同じシャフトを使うケースが多いのです。UT用のシャフトを使わないで、ドライバー用のシャフトをUTに入れている選手たちもいるから。そうすると、UTの方がクラブが短いので、シャフトのカット量が多くなります。すると、同じ重量帯のシャフトだと、FWより軽いUTを使っている人たちもいることになります。でも総重量を測ると、ヘッド重量が重いUTの方がちょっと重くなっています。

技術が高い女子プロたちはボールを飛ばせるけど、握力や筋力が強くはないので、クラブが重くなり過ぎると振りにくくなってしまう。あくまでも「○グラム重くすること」が目的ではなく「打ちやすくすること」が目的であり、重量をどうするかは手段でしかありません。
いろいろなパターンがある中で「自分はどのタイプかな」ということが分かっていればいいんじゃないでしょうか。“数字合わせ”をして打ちにくくなったら本末転倒です。クラブにおいて「こうあるべき」ってことはないのですから。

鹿又芳典

型を知ってこその“型破り”。型がなければ“型無し”

ボクはフィッターの仕事をして30年くらい、ヘッドやシャフトやグリップの細かいスペックを考えて作業していますが、いわゆるナショナルブランドのメーカーの基礎研究と開発データ、ヒューマンテストのデータって莫大な量があることが分かっています。そこは潔く認めた方がいいでしょう。長い年月をかけて集めた膨大なデータをもとに、汎用性が高くてパフォーマンスが高まるように、結果が出るように導き出されたスペックは、やっぱり“王道”だと思っています。

その“王道”に対してどういう“アレンジ”をしていくかが、フィッターとして大事なところ。“王道”を知った上で、基本を知った上での“アレンジ”です。でも、ちょっとクラブが詳しくなると“アレンジ”をメインにしたくなるものだったりします(笑)。「その人にとってのスタンダードはどこなのか?」を見つけてあげる方が「○グラム重いのがイイのか?」を探すより大事です。

ゴルファー自身がそれを分からないときはどうすればいいのか。ナショナルブランドは“対象ゴルファー”を作っています。自分のゴルフ像をイメージして、それに合うブランドはどれかを考えてみましょう。そうしたら、そのブランドが出しているクラブの純正スペックを打ったらどうなるかを確かめた方がいいと思います。

ダンロップを例にすると、自分が「スリクソン」ユーザーなのか「ゼクシオX」ユーザーなのか。どのブランドも、それぞれのターゲットゴルファーが使いやすいようにクラブを作ってくれています。そのクラブを振ったり打ったりしたときに「重い」や「軽い」だったり「球が上がり過ぎる」や「やさしく上がる」だったり。そういうところからクラブ選びを始めてもいいし、そこからの“アレンジ”を楽しんでいいでしょう。




鹿又芳典

鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。





鹿又芳典の“推しクラブ”
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