「TOUR B X」と「TOUR B XS」は貪欲にテクノロジーを取り込んで飛んで止まる!

ブリヂストンスポーツは、「TOUR B X」と「TOUR B XS」を2024年2月9日に発売。「TOUR B シリーズ」のツアーボールは、4代目になる。初代は売り上げが好調だったから2年サイクルのモデルチェンジを半年延期して、元々は秋にモデルチェンジするサイクルだったのが、2代目から2年サイクルの春のモデルチェンジになった。

初代(2017年)と2代目(2020年)は特許の関係で、頭一つ突出した性能でツアーボールとして優位を保っていた。しかし3代目の前モデル(2022年)からは、同じテクノロジーを他メーカーも使えるようになった関係で、ツアーボールは全体に高機能になって差がなくなった、という意見もある中での4代目の登場である。

「TOUR B X」と「TOUR B XS」のコピーは共通で、“「B」を信じろ。”と“タイガーと極めた、2つの「B」。”である。

開発段階からタイガー・ウッズの意見を参考にしてブラッシュアップをしてきた新しい「TOUR B X」と「TOUR B XS」は、タイガーの感性を満足させる「ディープ感」がテーマになったようだ。タイガーが求めたのはフェースに長く乗り、打音も軟らかい、という感覚で、それを「ディープ感」と表現している。

それを可能にしたテクノロジーは、新しい「リアクティブiQ・ウレタンカバー」だ。ウレタンカバーに新たな制音・衝撃吸収剤を加えることで進化したテクノロジーは、特にショートゲームでの打音の音量を抑え、音質をやわらかくすることに機能しているようだ。さらに、「ハイスピード・インナーカバー」も新しく開発された。強い弾道と飛距離を生むための進化である。

ちなみに、タイガーは新しい「TOUR B X」と「TOUR B XS」をコースなどの状況で使い分けていくとコメントしている。実に興味深い。

● TOUR B X:より飛距離性能を向上
● TOUR B XS:より高いスピン性能と「ディープ感」を進化させている

「TOUR B X」と「TOUR B XS」をコースに持ち込み、じっくりと試打ラウンドをすることとなった。

高性能なのは当たり前!「TOUR B X」と「TOUR B XS」は更に進化した!

「TOUR B X」と「TOUR B XS」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。

【TOUR B X】
打音打感:音量はちょうど良い大きさ、やや鞭系の音が得意。打ち応えやわらかいが芯感強い。
弾道球筋:高弾道。曲がりに鈍感でストレートが得意。
飛距離:ドライバー棒球率アップ。トップレベルにキャリーで飛ぶ。

【TOUR B XS】
打音打感:音量はやや控え目、やや低めの音質。打ち応えは究極にやわらかい。
弾道球筋:高弾道。全体として球筋が美しい。ショートゲームの「ディープ感」最高。
飛距離:全体としてトップレベルにキャリーで飛ぶ。

「TOUR B X」の第一印象

第一印象は、「TOUR B X」は「2代目っぽいなぁ」だった。僕は初代から3代目まで「TOUR B X」をエースボールにしていたのでより厳しく、細かい観察をすることになった。過去の「TOUR B X」で、2代目との相性が個人的には最も良かったのだが、それを思い出させたのだ。キャリーで飛ばすボールはスピンのかかり具合がドライバーでは低く、アイアンでは高くあって欲しいものだが、それが明確に感じられた。

「TOUR B XS」の第一印象

「TOUR B XS」の第一印象は「なるほどね」だった。打ち応えは元々やわらかかったが、ショートゲームでは、更にソフトになって羽根のような感じがすることもあった。これは好みの問題だから高機能と書くのは間違っているが、特別であることは間違いない。

3代目になったときに、ツアーボールとしての総合力を強烈にアップさせた性能はそのままに、感触だけ別次元の領域に入ったのが「TOUR B XS」である。

「TOUR B X/XS」まとめ

「TOUR B X」で個人的に気に入ったのは、ショートゲームの打音と打感だ。ガラスのような薄い殻があるボールを打っているような繊細さがあるのだ。テストラウンドでパットするのが楽しくなった。

「TOUR B XS」は、やはりツアーボールとしてのバランスの良さとレベルの高さが目立った。究極まで進化した前モデルより、更に整った感じがするのはお見事である。

本格的なゴルフをしたいゴルファーに「TOUR B X」をオススメする。新しいツアーボールという革新に挑戦している部分もあるところが素晴らしいと思う。

ぶっ飛び系のアイアンを使っていたり、ボールが転がってグリーン周りで苦労しているゴルファーには「TOUR B XS」をオススメする。ツアーボールは難しい、と考えるのは早計だ。スピン性能をどう使うかに決まりはないのだ。女子プロに人気があるのは、そういう考え方で使いやすいからではないかと推測できる。

最後に、ラウンドを終えて「TOUR B X」と「TOUR B XS」共通で感じたことは、ボールのぬめり感がより強くなって耐久性について不安があったのだが、全く心配しなくて良いとわかったことだ。むしろ、歴代の中で最も耐久性が高いと言える。かなり神経質なゴルファーでも、ラウンド通して1個でプレーできるほど傷はつかないし、カバーが強いのだ。

コストパフォーマンスの良さでツアーボールの中でナンバーワンだと意見が以前からあったが、新しいボールは耐久性能もより進化した。結論として、「TOUR B X」と「TOUR B XS」は誰でも使いやすいツアーボールとして、4代目になっても優れていると断言できるのである。

篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


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