Qi10 シリーズ ドライバーは慣性モーメントでぶっ飛びを実現する?
テーラーメイドは、「Qi10 シリーズ ドライバー」を2024年2月2日に発売。(1)Qi10 MAX ドライバー、(2)Qi10 ドライバー、(3)Qi10 LS ドライバーの3種類のドライバーが同時発売になる。
名称の「10」は、フラッグシップモデルの(1)Qi10 MAX ドライバーのフェースの左右と上下の慣性モーメント(MOI)の合計値が10K=10,000を超えたということで強調しているのだ。
慣性モーメントが高くなると、どんな恩恵があるのか?ヘッドを回転させる際に必要な力が慣性モーメントなので、その数値が増えればヘッドが回転しづらくなるわけだ。インパクト時にスイートスポットではないフェースの部分にボールが当たると、当たり負けして反発力が落ちたり、打ち出し方向が左右に散ってしまうことを慣性モーメントが大きいヘッドは防いでくれるのである。
つまりは、慣性モーメントの数値が大きいヘッドはミスヒットに強いやさしさがあり、(1)Qi10 MAX ドライバーはその先頭を走っているというわけなのだ。ちなみに、「Qi10 シリーズ ドライバー」の他の2本も、慣性モーメントが大きくなっている。
共通しているのは、ブルーになったフェースだ。青いカーボンフェースは、「ステルス2」の赤いカーボンフェースから進化している。第3世代の「60層カーボンツイストフェース」と、フェースを支えるフレームも「新開発フレーム」になったことで軽量化でき、ボールへのエネルギー伝統効率をアップできたことでボール初速がアップしたという。
「Qi10 シリーズ ドライバー」の3本をコースに持ち込み、興味津々で試打ラウンドをすることとなった。
Qi10 シリーズ ドライバーのやさしさはホンモノだった!
「Qi10 シリーズ ドライバー」を打ってラウンドして、わかったことを挙げる。
(1)Qi10 MAX ドライバー(フラッグシップモデル)
● 打音打感:音量はちょうど良い大きさ、濡れた鞭系に少し残響ある音。打ち応えやわらかい。
● 弾道球筋:低めの高弾道。少しつかまり、ややドローが打ちやすい。曲がりに敏感。
● 飛距離:最長飛距離は235ヤード(HS40m/s)
(2)Qi10 ドライバー(スタンダードモデル)
● 打音打感:音量はやや大きめ、濡れた鞭系に少し残響ある音。打ち応えやわらかく重さもある。
● 弾道球筋:高弾道。左右の打ち出し敏感。ストレートに飛ぼうとする。
● 飛距離:最長飛距離は235ヤード(HS40m/s)
(3)Qi10 LS ドライバー(低スピンモデル)
● 打音打感:音量はちょうど良い、濡れた鞭系で残響が強い音。打ち応えやわらかく重さもある。
● 弾道球筋:中弾道。曲がりに敏感、持ち球を打ちやすい操作性良い。
● 飛距離:最長飛距離は240ヤード(HS40m/s)
第一印象は、「テーラーメイドは飛ぶなぁ」だった。3本共にヘッドスピード40m/sでも楽々打つことができる。ただし、もう少し速いヘッドスピードのゴルファー向けにチューニングしてあると感じた。バッチリ合うというのは、45m/s前後なのかもしれない。
ラウンド中に感じたのは、それぞれが難易度でラインアップされているのではなく、ゴルファーの好みで選択するようになっているということだ。
例えば…(1)Qi10 MAX ドライバーはシャフトがやや短くて、ライ角はアップライト。(2)Qi10 ドライバーはシャフトが少し長くて、ライ角はフラット。このスペックだけを見ても、ゴルファーの好みで選択するようにできているのがわかると思う。
個人的には(3)Qi10 LS ドライバーが好きだと思った。その理由は、従来の浅重心で低スピンで飛ばすのではなく、低スピンモデルではあるけども、極端に低スピンではなく、美しい弾道が打てるようなドライバーになっていたからだ。従来の「LS」とは、少し雰囲気が違うと感じた。
慣性モーメントが大きい恩恵で、ミスヒットに強い部分は明確にわかる。テーラーメイドのドライバーは、ある程度の腕前がないと打てないというイメージだったが、それはリセットしても良いと思う。「Qi10 シリーズ ドライバー」は、そういう意味でやさしいので挑戦して欲しい。
最後に
注意点として、慣性モーメントが大きいドライバーは、フェースの開閉が大きいタイプのゴルファーにはフェースコントロールの感覚が変わるので、慣れるのに時間がかかることがあることだ。振り遅れて右にしか飛ばない、というケースや、扱いにくくてボールの出球が整わないというケースが起きてしまうことがあるのだ。
スライス防止というベクトルのやさしさは小さいので、それを解消するために選ぶドライバーとしては弱いことも書いておく。
今までテーラーメイドのドライバーを諦めていたゴルファーや、ブンブン気持ち良く振れるが芯を外して苦労しているゴルファーにも「Qi10 シリーズ ドライバー」をオススメする。カーボンドライバーの第2幕の幕開けを宣言しているクラブである。新しいカーボンフェースは熟成期に入って、余裕でやさしさに注目できるようになったと考えると「Qi10 シリーズ ドライバー」は、とてもわかりやすいドライバーだとわかるのだ。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。




