【対談】マツモト・タスク×三觜喜一|『Jacobs 3D』がもたらすもの
独学でゴルフサイエンスを学び「Jacobs 3D Golf」のアンバサダーになったマツモト・タスク。かたや指導の現場でスイングを見続け、プロを輩出してきた三觜。その邂逅をとりもったのは「ゴルフの力学」だった。「Jacobs 3D」をよく知る2人が最先端テクノロジーに託すものは何か?果たして日本のスイング指導に未来はあるのか?互いの実体験を通して今後のゴルフ界を展望する。
タスク 仕事でイギリスに長くいた関係で、私は2000年代に入ってもなおパーシモンヘッドのドライバーを使っていました。日本に帰ってきてからいきなりデカヘッドに替えたものの、メタルを経験していなかったせいか全く打てず、ボールを置きに行くゴルフに甘んじていました。「まずい」と思って多くのプロの元で体験レッスンを受けたり、レッスンDVDを観まくりました。その過程でアメリカのゴルフ研究にも触れたところ、日本の研究の浅さがわかった。まだマイナーでしたが、アメリカではスイングを3Dで語るグループもあり、1冊だけ出ていたマイケル・ジェイコブスの本を読みました。でも、全く理解できず物理と数学を1からやり直しました。
三觜 僕は3Dなんて最近まで全く知らなかった。レッスンを始めて10年くらいは失敗オンリー。「ゴルフって何を教えても上手くならない」と思っていました。30歳の時に試合で石川遼くんと会って、もう選手としては絶対無理だと思い、彼みたいなプレーヤーを育てようと一念発起して勉強しまくりました。簡単ではありませんでしたが34歳の時に男子プロを送り出せて、そこでやっと自分の中に確信めいたものが出てきた。そんなタイミングで入ってきたのが辻梨恵ちゃんで、彼女にも同じことを落とし込んだら、100も切れなかった子がたった1年で関東のチャンピオンになったんです。