NEW・名門ゴルフ場|吉井カントリークラブ(群馬県高崎市)Part1

リサオの『NEW・名門ゴルフ場』探訪

2020/06/17 リサオ(大隈 里砂)



名門ゴルフ場という言葉があります。名門テニスクラブはあるけど、名門卓球場は聞かないので、たぶんハイソサエティの人々が集まる方便にスポーツを使った名残なんでしょう。イメージは歴史がある、閉鎖的、特権階級。でもゴルフは草っ原で始まったスポーツ。肩肘張らない開かれた名門ゴルフ場も実は数多くあるのです。誰もがプレーできるそんなゴルフ場を紹介します。

日本にあるハワイといえば、昭和の子がまず思い浮かべるのは『スパリゾートハワイアンズ』だと思います。元の名を『常磐ハワイアンセンター』といいました。福島県いわき市にございます。平成18年には映画『フラガール』の舞台にもなりました。ちなみに15年ぐらい前に行ったときに「行こう湯こう湯の国へ、行こう湯こうハワイアンズ♩」って曲がずーっと流れてて完全に刷り込まれました。しかもメロディは「はこうはこう鬼のパンツ♩」。ズルいよ。今でもたまに脳裏に浮かんで気がつくと口ずさんでることがあるのでキケンです。これを読んじゃったからには、皆さまにもぜひ刷り込まれ仲間になっていただきたい。あしからず。

そういえばゴルフを始めるきっかけになった場所がハワイアンズだったんですよね。仲の良い連中が皆ゴルフにハマっていて、たまたま福島のゴルフ場でコンペをするという。ああそうですかそうですか。ゴルフなんて何が楽しいのかサッパリわからんわ、と思ってた頃です。子供の頃は爺さんと一緒にゴルフトーナメントをテレビで見てたし、オトナになってからはPR会社でゴルフコンペの裏方業務もしてたけど、漠然と自分とは無縁なものだとカテゴライズしてたのです。だからゴルフはしたくない。でも友達とは遊びたい。そしたら「リサオも来ればいいじゃん。前泊するから、美味いもん食べて、温泉もあるしさ、翌日は常磐ハワイアンセンターにでも行って遊んでればいいよ」と。たまたまそのとき腕を骨折してゴルフができない子がいたので2人で遊んでればちょうどいいだろうというわけです。他にやることもなかったので同行して、宴会して、翌朝は皆のティーショットの写真を撮って見送ってから、ハワイアンズで時間潰して再び合流というスケジュール。

だけどそのときもやもやしてたのですハワイアンズで。いいオトナだし前夜の深酒で眠かったしプールでフィーバーって感じでもなく、まあ実は全然フィーバーできるんだけど、一緒に行った子がなにしろ腕を骨折しているので、置き去りにして一人でキャッキャするのも憚られた。じーっとして、プールをぼんやり眺めてたら、ゴルフ場でなんか楽しそうだったなあって皆の顔が浮かんできた。それに引き換え今のこの状況はそんなに楽しくないなあという思いも。それで、自分は活字中毒の超絶インドア派だし運動にもゴルフにも全く興味はないものの、なにしろ皆がゴルフに夢中なので、一緒に遊ぶためにはカタチだけでもゴルフするしかないのかもしれんぞと考えていたのです。なによりもこのオマケみたいな扱い、お父さんのお仕事が終わるのを待つ子供みたいな状態が不本意だった。そもそも誰かの都合に合わせるのは性に合わない。主体でいるためには先頭集団に加わるしかないよなーと。

それが始まり。終わりの始まり。人生がではなく、経済崩壊の始まり。だってもうゴルフのことしか考えられなくなって、後先考えずに有り金全部ゴルフにぶっ込むような子になったのですから。ゴルフ始める前は老後について真面目に考えて貯金なんかもしてたのに、いざハマったら、と本人ですら同一人物とは思えない進化を遂げたのです。そして今コロナにとどめを刺されて、あの頃よりもっとずっといいオトナなのに友人宅に居候しようとしてる。けどそれもまた一興。

まあそういうわけで、ハワイアンズがわたしのゴルフの起点なのです。あのとき行ってなかったらゴルフ始めてなかったかもしれない。ゴルフやってなかったらそれはそれは退屈な人生だったに違いない。友達もいなくて本ばっかり読んで不眠症で不健康で不満だらけで早死にしたかも。ああよかった。

それはさておき、今回のハワイは福島ではなく、