負けても強さを感じさせる原英莉花選手のショットに見惚れた
プロキャディが語る! 2019シーズン熱戦エピソード /小岸秀行編
新型コロナウイルスによる“ゴルフ自粛生活”に辟易しているゴルフファンに、少しでも楽しんでいただきたい! そして、相次ぐ大会中止によって活躍の場が減少しているプロキャディの皆さんに少しでも露出できる場を創造したいという考えからスタートしたこの企画。
男女ゴルフツアー・2019年シーズンにおいて、プロキャディたちが厳選した“熱戦エピソード”や裏話などを臨場感たっぷりにお届けします!
今回、登場してくれるのは小岸秀行キャディ。ツアーキャディ歴25年、過去には、岡本綾子選手や細川和彦選手などのバッグを担いだ大ベテラン。それでありながら、「おぎー」の愛称で後輩キャディたちからも慕われる、愛すべきキャラクターの持ち主でもある。そんな「おぎー」さんは、2019シーズン、どんなプレーが印象深かったのか?
小岸キャディに、昨年一番印象深かった試合について聞くと
「優勝はできなかったんですけど、「KKT杯バンテリンレディスオープン」での原英莉花選手ですね。最終日の前半を終わって、単独トップに立ったんですけど、インに入ってから、スコアを崩してしまって、8位くらいまで順位は後退しちゃったんですけど、最終18番ホールで魅せてくれました」
初日はイーブンで終了したものの、2日目に4アンダーで回り、4アンダー5位タイ、最終組の一つ前でスタートした原選手。2日目の勢いのまま、前半で3つのバーディを奪い、スコアを7アンダーまで伸ばし、一時は単独トップに躍り出た。だが、インに入ると、11番、12番と連続ボギーの後、14番でダブルボギー、16番のパー3のバーディで1つ取り返すも、17番でボギー、スコアを4つ落とし、後退する。そして、迎えた最終18番でのショットだった。
「18番は479ヤードの短いパー5でしたが、グリーンの手前は全部池というレイアウトで、難易度は高くなっています。風は軽いフォローで、ドライバーショットを飛ばしてきた原選手は、セカンドで7番アイアンを持ちました。ピン位置は手前10、左5ヤードのシビアなピンポジでしたが、左からの軽いフェードボールでピン奥6メートルに乗せました。そこから、イーグルパットを決めて、4位タイまで盛り返しました。華もあるし、スター性のある選手だと感じましたね」