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負けても強さを感じさせる原英莉花選手のショットに見惚れた

プロキャディが語る! 2019シーズン熱戦エピソード /小岸秀行編

2020/06/18 ゴルフサプリ 編集部

新型コロナウイルスによる“ゴルフ自粛生活”に辟易しているゴルフファンに、少しでも楽しんでいただきたい! そして、相次ぐ大会中止によって活躍の場が減少しているプロキャディの皆さんに少しでも露出できる場を創造したいという考えからスタートしたこの企画。

男女ゴルフツアー・2019年シーズンにおいて、プロキャディたちが厳選した“熱戦エピソード”や裏話などを臨場感たっぷりにお届けします!

今回、登場してくれるのは小岸秀行キャディ。ツアーキャディ歴25年、過去には、岡本綾子選手や細川和彦選手などのバッグを担いだ大ベテラン。それでありながら、「おぎー」の愛称で後輩キャディたちからも慕われる、愛すべきキャラクターの持ち主でもある。そんな「おぎー」さんは、2019シーズン、どんなプレーが印象深かったのか?

シビアな位置でもピンの根元を狙ってくる鋭いショット力

小岸キャディに、昨年一番印象深かった試合について聞くと

「優勝はできなかったんですけど、「KKT杯バンテリンレディスオープン」での原英莉花選手ですね。最終日の前半を終わって、単独トップに立ったんですけど、インに入ってから、スコアを崩してしまって、8位くらいまで順位は後退しちゃったんですけど、最終18番ホールで魅せてくれました」
初日はイーブンで終了したものの、2日目に4アンダーで回り、4アンダー5位タイ、最終組の一つ前でスタートした原選手。2日目の勢いのまま、前半で3つのバーディを奪い、スコアを7アンダーまで伸ばし、一時は単独トップに躍り出た。だが、インに入ると、11番、12番と連続ボギーの後、14番でダブルボギー、16番のパー3のバーディで1つ取り返すも、17番でボギー、スコアを4つ落とし、後退する。そして、迎えた最終18番でのショットだった。

「18番は479ヤードの短いパー5でしたが、グリーンの手前は全部池というレイアウトで、難易度は高くなっています。風は軽いフォローで、ドライバーショットを飛ばしてきた原選手は、セカンドで7番アイアンを持ちました。ピン位置は手前10、左5ヤードのシビアなピンポジでしたが、左からの軽いフェードボールでピン奥6メートルに乗せました。そこから、イーグルパットを決めて、4位タイまで盛り返しました。華もあるし、スター性のある選手だと感じましたね」

原選手のアイアンショットは金属音がする!

「原選手は男子プロのような弾道のショットが打てる数少ない選手です。あのシビアなピンポジでもピンの根元を狙ってくる。それも左の池の方から綺麗なフェードボールで攻めていけるんですから、凄いと感じましたね」

経験豊富な小岸キャディをしても、女子であのショットが打てる選手は数少ないと言わしめる原選手のショット力。さらに小岸キャディはこう話してくれた。

「原選手のアイアンショットは、金属音がするんです。パシュッとか、ポーンではなくて、ガシャンというのかな? とにかく金属音です(笑)  昔はショットメーカーと言われた伊澤利光選手がやはり、金属音を出していましたけど、女子でそんな音を出せる選手いないですよ。本当にボールだけを拾って打つのが上手いのかな?という印象ですね。体幹が強いから、そういうショットができるのかもしれませんね。そういえば、原選手の師匠であるジャンボ尾崎選手もアイアンで金属音がしていましたね。まあ、音までは教えないと思いますけど(笑)」

師匠である尾崎選手とも親交がある小岸キャディ。彼が育てる原選手の無限の可能性に、大きな期待を寄せている。

シニアの寺西明選手のパッティングを絶賛

小岸キャディは、今回のインタビューで
「試合でのショットではないのですが、シニアツアーでバッグを担ぐことがある寺西明選手のパッティング技術に、注目して欲しいと感じています。とにかく、凄いんです」と力説。2019年マルハンカップ 太平洋クラブシニアと、富士フイルム シニア チャンピオンシップで、バッグを担いだときのことを話してくれた。

「試合中の話じゃなくて、恐縮なんですけど、寺西選手のパッティング技術は凄くて、パットに悩んでいる人がいたら、ぜひ話を聞きに行くといいと思います。実際、片山晋呉選手に寺西選手のことを話したら、『ぜひ、話が聞きたいから電話して欲しい』と言われて、電話でつないだら、30分以上、話し込んでいました」

1966年生まれの寺西選手は、ゴルフを始めたのは29歳と遅めながら、トップアマとして活躍し、2015年にプロテスト合格。2019年はシニアツアー賞金ランキング15位でシードを獲得している。その寺西選手の何がすごいのか?

「僕もいろいろな人のキャディをしてきましたが、球の転がりに関してはツアー1だと思っています。寺西選手はビリヤードが趣味なのですが、こちらも日本アマに出るくらいの腕前とのことで、ボールのどの位置にどの角度でキュー(スティック)を当てたら、ボールがどんな風に転がるのか…というのが、パッティングのイメージと共通するそうなんです。驚いたのは、試合会場の練習グリーンで、ボールを3つ、3メートル間隔くらいに投げて、1つ目のボールをパターで打って、他のボールに当ててそれをカップインさせるという技を披露してくれたんです。ボールとパターのどの部分に当てれば、球がどんなふうに転がるのか、全部、把握しているんです。まさに神業ですよ」

パッティングに悩む人はシニアツアーの寺西選手のプレーを参考にしてほしいとの話だった。

女子、男子、シニア、さまざまなツアーでバッグを担ぐ小岸キャディならではの視点で、各選手の優れた能力を見抜いている。彼が注目した選手たちの技を、試合中に見られる日が待ち遠しいばかりだ。


小岸 秀行(おぎし・ひでゆき)
1973年11月8日生。兵庫県出身。1995年に、福澤義光選手のキャディをきっかけに、ツアーキャディの道へ。過去に岡本綾子プロ、細川和彦プロなどのバッグも担いだ。2008年から5年間矢野東プロと専属契約。2013年からは川村昌弘プロと専属契約し「パナソニックオープン」優勝。2019年度は、女子ツアーでは原英莉花選手、勝みなみ選手、シニアツアーで寺西明選手らと闘った。通算6勝

取材・文/下山江美
写真(原英莉花)/2019サロンパスカップ 相田克己
Special Thanks/伊能恵子
企画・構成/ゴルフサプリ編集部

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