ブルックス・ケプカを襲った予期せぬ試練の連続

佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー

2020/09/29 ゴルフサプリ編集部



ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。

GOLF TODAY本誌 No.580/123ページより

2020年を世界ランク1位でスタートしたブルックス・ケプカが8月初旬世界選手権セントジュード招待、そしてメジャーの全米プロゴルフ選手権で久しぶりに優勝争いに加わった。ケプカは今季不調の原因について昨秋から治療を続ける「左ヒザではない」と断言。実は彼は新型コロナウィルスに翻弄されていたのだ。

ケプカのショートゲームのコーチ、イングランドのピート・コーウェンが感染し壮絶な闘病を経験していた。3月感染拡大で中止となったプレイヤーズ選手権から帰国し1週間後に高熱による震え、低血圧、息苦しさ、昼夜を問わず咳が続き救急搬送、陽性が確認された。69歳という年齢からか回復に時間がかかり容体が案じられた。

約2カ月の療養でようやく回復と聞きケプカは安堵、6月ツアー再開決定でメジャーに向けギアを上げていこう! としていた。

ところが6月末、今度はキャディのリッキー・エリオット(41歳)の感染が明らかに。北アイルランド出身でケプカのメジャー全4勝に貢献した戦友。代役は考えられず「全力サポートする」とケプカは直ちに試合を棄権、帰宅し自主隔離した。