身体を対角線に使う動きをマスターすると、スイングがスムーズ&パワフルに!
ゴルフで美BODY|ゴルフピラティス/第7回 体幹を鍛える~身体をクロスに使う編
スムーズでバランスいい効率的なスイングを手に入れるには、そのベースとなる身体作りや身体のメンテナンスが重要。そこで、おすすめしたいのが、ゴルフピラティスだ。
ゴルファーのために考案されたゴルフピラティスは、美的スイングの要となる身体作りに効果があることはもちろん、美しい姿勢作りやシェイプアップ効果、ケガの予防にもつながる。
今回は、身体をクロス(対角線)に使う動きについて紹介する。
アマチュアゴルファーが抱えているスイングの悩み、その原因のほとんどは、身体の筋力不足や柔軟性のなさにあります。
皆さん、「身体が硬い」「腰痛持ち」というように、自分の身体のことは誰よりもよく分かっていると思いますが、実際のスイングにどう作用しているのかとなると、はっきり理解している人は多くないのではなないでしょうか。
身体が原因なので無意識のうちに上体が起き上がったり、アドレスで腰が落ちてカカトに重心が乗りすぎたり、上体の捻転が不十分だったりしているわけです。でも、いざスイングを改善しようとする時、最初に参考にするのはレッスン書やレッスンビデオ、最近はYou Tubeだと思います。
世の中にはさまざまなスイング理論があふれていますが、重要なのはその理論が自分の身体にマッチしているかどうかと、それを再現できる身体があるかどうか。この2点を満たしていなければ、いくら練習しても理想のスイングはものになりません。
逆に、頭でっかちになって一挙手一投足を意識しすぎた挙げ句、スイングがぎこちなくなったり、間違った解釈のままプレーしたりしている人も少なくないのが現状です。
まずは、自分の身体を見直すこと、正しいアライメント(骨の並び)に整えること。これこそが、スイング改善に直結する、初めの一歩です。
本連載第1回目で、「スイングを再現性の高い、シンプルなものに変える=スイングが安定する」とお伝えしましたが、スイングは複雑な動きだからこそ、目指すべきはシンプルで効率のいいスイング。再現性が高くなるので安定感が増すばかりか、身体に負担がかかりにくくなり、ゴルフを長く楽しむことができます。
身体を整えてから身体のパワーをどう引き出すか、そのためにぜひ行ってほしいのが、身体をクロス(対角線)に使うエクササイズです。
身体は「右側」と「左側」に分けて考えがちですが、実は私たちは日常的に身体をクロスに使っています。たとえば歩く時、右足と右腕、左足と左脚を同時に前に出しませんよね。走る時にこれをやったら、まったくスピードが出ませんし、転びそうになります。
スイングも同じ。身体をクロスに使うことで自然とバランスを取って、効率よくパワーを生み出すのです。
ピラティスには、これまでに経験したことがないような身体の動かし方や使い方が多いことに、お気づきの人もいるでしょう。特に、今回のエクササイズは片足立ちになるので、体幹の力もバランス感覚も必要です。しかも、呼吸をしながら行うので、「エクササイズ中に意識することがたくさんあって、忙しい!」という声も聞きます。
でも、それが狙いです。頭で考えながら身体を動かすことで、脳に刺激を与えたいからです。脳に新しい運動パターンの神経回路をつくり上げるのです。まずは、ピンポイントの部分に意識を集中し、その部分を独立させて動かす訓練を繰り返し行うことで、意識せずとも自分のイメージ通りに身体が使えるようになるのです。
ですから、どのエクササイズもやみくもに回数をこなすのではなく、1回1回正しい姿勢で正しい動きができているか、呼吸はちゃんとしているかを常にチェックしながら、やがてはスイングのイメージにつなげられるように行ってください(「★POINT」の◎印の部分参照)。