ロングパットは「ボールがコロがるスピード」をイメージすることが成功のカギ!

大西翔太コーチが教える「ゴルフスイングのツボ」 VOL.9

2021/01/01 ゴルフサプリ編集部



理論をわかりやすく展開し、実戦ですぐに役立つレッスンで大人気の大西翔太コーチ。
その大西コーチが、誰も知らなかったゴルフスイングのツボをこっそり教えてくれた。第9回はロングパットの打ち方のポイントをレクチャー。10メートル以上の長いパットが寄るようになれば、それだけで大幅なスコアアップが望める。

皆さん、こんにちは。ツアープロコーチの大西翔太です。今回はロングパットの打ち方をレッスンしていきたいと思います。「スコアメークのカギはショートゲームにある」とよくいいますね。ショートゲームでもとくに重要なのはパッティングです。ホールアウトして「今日も3パットをいっぱい打っちゃったよ〜」と嘆く方が多くいらっしゃいますが、その原因はどこにあると思いますか?

一番の原因はロングパットがカップの近くに寄らないことです。10メートルくらいの長いパットの距離感やタッチが合わないと、2〜3メートルも手前にショートしたり、オーバーしたりでセカンドパットも入る確率が低くなってしまいます。どうすればロングパットをカップの近くに寄せられるようになるかというと、スタート前のパット練習が必須です。プレー当日のグリーンの芝の刈り具合や気象条件などで、ボールのコロがるスピードが変化しますから、練習グリーンで芝の状態を必ずテストしておきましょう。ボールを2〜3個用意し、10〜15メートル先のカップを目標にボールをコロがします。カップに入れるよりも、カップの近くに止めることが優先です。何球かコロがすと、「今日のグリーンは速いな」とか「いつもよりコロがりが遅いな」など感覚がつかめてきます。この感覚をその日の距離感の基準にしましょう。

スタート前のパット練習をいつもしているのに、それでも距離感が合わないという人は、「10メートルならこのくらいの振り幅かな?」などと理屈で考えていませんか? そこでボールを右手で持ち、下手投げで転がす練習もしてみてください。カップまで15メートルとして、カップを見ながら右腕の素振りを数回繰り返してからコロがしましょう。目で見た感覚は思った以上に正確ですから、パターを持って打つよりも右手でコロがしたほうがカップの近くに寄りやすいことに気づくでしょう。右手でコロがすときは、「右腕をどのくらいの大きさで振ろうかな」なんて考えないはず。「ボールをどのくらいのスピードでコロがせば、カップの近くで止まってくれるかな」と感覚でイメージしますよね。このイメージによって右腕を振る大きさやスピードが自然と決まるのです。

ロングパットを打つときは構える前に、カップを見たままで数回素振りをしましょう。右手でボールをコロがすのと同じ感覚で右手だけで素振りしてもいいですし、両手で素振りしても構いません。重要なのはボールがコロがっていくスピードをイメージしながら素振りすること。プロやシングルゴルファーはボールの初速、中速、終速を3段階でイメージしています。スピードの変化も含めてイメージすることを習慣づけるとロングパットがどんどんうまくなります。

グリーンの傾斜もありますから、もちろんラインも読まないといけません。ロングパットは方向よりも距離感が大事といいますが、方向もある程度合わせないとタッチが合いにくくなります。そこで直径10・8センチのカップを大きな円でイメージするといいと思います。たとえばカメラマンがよく使うレフ版。直径60〜70センチくらいの円を想定し、その円の中で止める気持ちでストロークするのです。「入れよう」と自分にプレッシャーをかけるとタッチが合いにくいけれど、「寄せよう」と思えば案外円の中、もしくは円の近くで止めやすくなります。ロングパットはアプローチ感覚で打つのがカギなのです。