XXIO|読めないブランドを生み出した502号室に集まった7人の侍

商品開発はドラマ!!!|今だから言える驚きのストーリー[第3回]

2021/04/16 ゴルフサプリ編集部



ゴルフメーカーの商品開発におけるドラマチックな業界裏話をメーカー勤務経験のフリーライター・嶋崎平人が語る連載企画。今回はゼクシオが主役のストーリー。

GOLF TODAY本誌 No.586/69ページより

「XXIO」は知らない人は読めない、英単語の文字列である。特許庁の検索ページで商標を調べてみると、「XXIOゼクシオ」で登録されている。最初の出願は1999年7月29日、商品発売2000年2月1日に遡ること半年前である。出願された商標は呼称として「ゼクシオ」と英文をそのまま読む「エックスエックスアイオオ」の2つが出されている。ある意味、最初から読めないことも想定した確信犯のブランド名である。発売から20年のこの意味不明のネーミング「XXIO」が、誰でも読める日本のゴルフの大ブランドになった。このブランドがどのようにして生まれたか、当時の若手社員でスポーツ企画部の企画を担当し、現在㈱ダンロップスポーツマーケッテイングの専務取締役ゴルフ事業部長の木越浩文氏の話を交えながら、開発のドラマを紐解いていく。

1998年当時、住友ゴム工業(ダンロップ)のゴルフ事業の売上の半分以上は、輸入販売代理店契約を結んでいたキャロウェイゴルフのクラブであった。その金額は100億円以上。その契約が、1999年をもって終結するとの話が持ち上がっていた。社内では、これだけ売っている販売力があるので、契約は継続するとの楽観論もあったが、1998年に社内では契約解除を前提に極秘でプロジェクトチームがつくられた。

プロジェクトのメンバーはキャロウェイとの契約がなくなれば、売上が半分になり、人員も要らなくなり、ひょっとしたらゴルフ事業、スポーツ事業が潰れるのではないかと、必死の思いを共有していた。その事務局を担当したのが木越氏であった。

プロジェクトチームにチーム名はなかった。開発、企画、営業部門を中心に7名のメンバーであった。この7人の侍を中心に、キャロウェイに対抗できるクラブの商品企画・開発をすすめていった。開発商品コードネームは「Cブレ―ク」。キャロウェイをブレークするという意思が込められていた。プロジェクトは神戸本社の502号会議室で週1回程度行われた。この502号室はいろいろなことが起こった会議室で、社内では「The502号室」と良くも悪くもそれなりのイメージのある部屋であった。