チリの新星飛ばし屋がメジャー優勝に名乗り

TEE-UP WORLD WIDE TOPICS & NEWS|今月の1枚

2021/03/06 ゴルフサプリ編集部



顔が地面に平行になるくらい、上半身を倒す独特のスイングで、PGAツアーを席巻しているホアキン・ニーマン。21年を迎えると2試合連続で2位となる活躍で一躍、メジャーチャンピオン候補に名乗りを挙げた。

圧巻だったのは「セントリー・トーナメントオブチャンピオンズ」の最終日。7位タイからスタートしたニーマンは、9バーディ、ノーボギーという完璧なプレーでトップタイに並んでフィニッシュ。プレーオフの末に2位になったが、最終日は他の世界ランク上位プレーヤーを圧倒する完璧なプレーだった。さらに翌週の「ソニーオープン」では初日から8アンダーでトップタイのロケットスタート。惜しくも1打差で優勝を逃したが、20アンダーで2位タイと上々の結果を残した。

ニーマンの最大の武器は細身の体型でありながら、PGAツアー屈指の飛距離とショットの正確性を両立していること。データを見ても平均飛距離312ヤード(15位)、パーオン率74・13(14位)とともに好成績を残している。それを可能にしているのが独特のスイングだ。

両肩が地面と垂直になるくらい、体を傾ける打ち方は米国ではサイドベント(側屈)スイングと言われている。最近では世界ランク1位のダスティン・ジョンソンから、若手のビクトール・ホブランまで側屈を生かしたスイングをしているが、その中でも最も側屈の角度が大きいのがニーマン。

従来のスイングは体を横に回転させるパワーがメインだったが、ニーマンのように肩を縦回転させることで縦方向のパワーもプラス。それが、細い体でも飛ばせる秘密でもある。

ユニークに見えるスイングだが、PGAツアーのコーチからは大慣性モーメントヘッドに適した最先端のスイングという声もある。ゴルフ大国とは言えないチリ出身のニーマンだが、実はアマチュア時代から世界ランキング1位に君臨していたエリート。スイングも経歴も決して異端ではなく、世界№1選手になれる王道を歩んでいる。