ゴルフクラブの「バルジ&ロール」について考える

深読み! ギアカタログ|今回のテーマ【バルジ&ロール】

2021/04/26 ゴルフサプリ編集部



ゴルフはプレーヤーの技術だけでなく、使っている道具の良し悪し、そして選び方が結果を大きく左右するスポーツだ。この連載では、そのゴルフギアについて深く深〜く「深読み」した話を紹介していく。今回は「バルジ&ロール」について深読みする。

GOLF TODAY本誌 No.587/134〜135ページより

およそ球を打つターゲットゲームの道具で、打面を意図的にフラット(平ら)にしないのは、ゴルフくらいだろう。

アイアンは平らだが、ウッドにはフェースがふくらむようなアール(丸み)がつけられている。トゥからヒールへの左右方向は「バルジ」、フェースの上下方向は「ロール」と呼ばれており、設計段階から数値化されている。

テニスや卓球のように、打面は平らなほうが打球をコントロールしやすいはず。ウッドも、羽毛を牛革に詰めたフェザリーボールを打っていたころは平らだった。

ところが19世紀半ばに、ゴム製の硬いガッティボールに移行すると、フェースが打球の衝撃でへこんだり傷んだりするようになった。そこでフェースの中央を突き出すように、ふくらみを持たせるようになったのが、事の始まり。

ガッティは傷つくとキャリーが伸びるようになったことから、ディンプルの発想が生まれた。同時に、フェースには丸みをつけたほうがコントロール性は上がることも次第にわかってきた。