シャフトの“硬さ”も“調子”も統一基準はないって知っていましたか?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第20回
大蔵ゴルフスタジオの代表でフィッターの市川氏
ゴルフ雑誌やクラブのカタログで頻繁に目にするシャフトの硬さや調子の表示。「X」「S」「R」とか、先調子とか手元調子というが、その基準は各メーカーの独自のものだ。今回もゴルフライターのT島氏が切り込みます。
写真提供/大蔵ゴルフスタジオ
(T島)USTマミヤさんからアッタスの13代目アッタスKINGと言うシャフトが発売されます。今回は先調子ということで、私は手元がしなってタイミングが取りやすいシャフトが好きなので、全く期待せず打ってみたんですけど、とっても良かったんです。でも、そもそもシャフトの”調子“って誰が決めてるんですかね?
(市川)T島さん、私の時はなんだか難しいお題が多くないですか?
(T島)だって一応代表だし。
(市川)だから一応じゃないです!えーっと、またまたぶっちゃけ言うしかないですね……。各メーカーさんが決めています。
(T島)各メーカーさんの基準って聞いたことある?
(市川)もう知ってるくせに……。聞いたことないです。各メーカーの基準はあるようですが、公表していません。業界の統一基準もありません、ゴルフのルールでも謳われていません。
(T島)スイマセン、知っていて無理やり振っています。シャフトの“硬さ”も“調子”も統一基準はありません。各社が各社の基準で決めている。いや基準ってあるのかな?なんだか雰囲気で付けている気がします。
(市川)雰囲気……とまでは言いませんが、調子や硬さは幅がありますよね。大手クラブメーカーさんなんかは、アスリート向けモデルのSは硬いけど、シニア向けのSは柔らかいとか。
(T島)ダブル・スタンダードも当たり前な世界です。以前、先入観を持たないで欲しいと書いたのは、Sと言っても色々あるわけで、先調子と言ってもそれだけでは、なんとも判断できなかったりするからです。
(市川)ここは正直言います。メーカーさんが決めている”硬さ“”調子“では、それだけでは全く選択できないです。だからこそ僕らフィッターが要るとも言えますね。
(T島)そうですね、シャフトの“調子”に関しては、剛性分布図であるとか、シャフトの3点の硬さを図る3点剛性などで、よりわかりやすくしようとされています。
(市川)でも剛性分布図や3点、5点剛性なども、それぞれ基準が明確でありませんから、我々大蔵ゴルフスタジオではそのままでは使えないので、内緒ですけど大蔵ゴルフスタジオなりの基準を作ろうとしています。
(T島)内緒じゃないね。
(市川)まあどうするか?はまだ誰にも言ってないので内緒です。実はすでに基準はあるんですけど、それをわかりやすく共有するのが難しいんです。
(T島)なるほどね……統一基準ってなかなか作れないし、出来ない作れないことに文句を言っても仕方ないからね。暗いと不平を言うよりも進んで明かりを点けましょう的な……。
(市川)なんだか聞いたことあるフレーズですね。
(T島)どこかの偉い人が言ってた。
(市川)ですから、ほんと以前出た話ではありませんが、先入観ってフィッティングにとって厄介なんですよ。