世界で大活躍!日本人アマチュアの実力が上がっている理由

レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第13回

2021/11/22 ゴルフサプリ編集部



今年は日本人アマチュア選手たちの大躍進と言っていいほどの嬉しいニュースが続いています。マスターズ女子アマで優勝した高校生の梶谷翼さん、世界アマチュアゴルフランキングのトップには今月アブダビで行われたアジアパシフィックアマチュア選手権で優勝した中島啓太くんがついています。さらに同じくアジアパシフィックアマチュア選手権女子の部では橋本美月さんが優勝。その試合では男子も女子も出場した日本人選手が全員予選通過したというから、日本のアマチュア選手層の実力の底上げが間違いなくされているのがわかります。
私なりにこの若い日本人アマチュア選手たちが世界でも活躍し始めているその背景を探ってみた時に頭に浮かんだことが2つありますので、みなさんにシェアしたいと思います。

日本のアマチュア選手たちをサポートしているのがJGA(日本ゴルフ協会)ですが、日本人の快進撃を導く分岐点となったのは、ナショナルチーム強化のために招聘された助っ人外人コーチのガレス・ジョーンズ(豪)のメソッドを取り入れ始めたことが一番大きいと思います。当初は外国の考え方には抵抗があったのか積極的にジョーンズコーチの話をあまり聞く人は多くはなかったのですが、畑岡奈紗選手がいち早く彼のメソッドを受け入れいて成績を残し始め、それを見た男子の選手らも彼の話を聞き始め、そこから徐々に選手層が厚くなり始めました。

ジョーンズコーチが何を教えているかというと、ものすごく基本的なことなんです。例えば練習の仕方、自分の弱点の見つけ方、練習時間の費やし方、スコアを伸ばすにはどんな練習をすればいいのか、ショートゲームを中心にゲームを組み立てるのにショートゲームの弱点がどこにあってそれをどう強化するのか、などなど。今までの素質のある若い高校生、大学生の選手たちはボールストライキングが上手ければそれをもっと磨こうという方向に焦点が行きやすいんですが、ジョーンズコーチはどちらかと言えばスコアを作ることに焦点を当てた分析をして、地味な積み重ねになるんですが、ショートゲームの苦手分野の強化、コースマネージメントの考え方などを徹底的に叩きこむ指導を続け、その結果今のような選手たちの活躍に繋がってきているのだと思います。

私を含めてほとんど選手は職人気質というのか、一つの技術に対して追求していく方向に傾きがちなんですが、実は試合を戦う上で大切な要素って他にたくさんあってそれが置き去りにされていることが結構ありますが、ジョーンズコーチはそこに焦点を当てて取り組んだというところが今のナショナルチームの方針にもなり、結果もついてきているんだと思います。