1 情報収集している

アプローチが寄る人は自分がボールの近くに着く前から情報を集めています。もっと言えば、グリーンを外した時点ですぐさまアプローチモードに切り替わり、ピンまでの距離、アングル、グリーンの傾斜などの情報を収集しはじめます。

これに対し、寄らない人はボールのところに着いてから集めはじめます。やらないよりはマシですが、そのタイミングではボールのライを見る、どう寄せるか考える、クラブセレクト、落とし場所の設定などやることが山積で、とても時間が足りません。そもそも遠目から見ないとわからない情報が抜け落ちているので、寄る確率を上げるにも限度があるのです。

2 ボールの落とし所を決めている

寄る人は、どこにワンバウンドさせれば寄るかわかっているので、必ずボールの落とし場所を決めていますが、寄らない人はピンしか見ていません。前者の場合、スタート地点(ボール)とゴール(カップ)に加え中間地点もイメージします。ダイレクトにカップインさせるわけではないので、落下したボールがどう転がるかイメージすることが不可欠ですが、ピンしか見ない人はこれをしません。結局、適当に打つことになってしまうので寄らなくても当然です。

3 キャリーとランの割合を把握している

これはアプローチでよく使うクラブ、例えばロフト52度、56度といったウェッジでキャリーとランがどれくらいの比率で出るかを把握しているという意味です。寄らない人は方向性より距離感が合わないことが圧倒的に多いですが、それはこの割合を掴んでいないから、とも言えます。

グリーンの速さは毎回違いますが、キャリーとランの割合を把握していればある程度対応できます。遅いグリーンはランが少ないから突っ込まなければいけないし、速いグリーンはランが多くなるので手前にキャリーさせる、といったことができるわけです。わかっていない人は、たまたまタッチが合うグリーンでしか寄りません。そうなるのは自分の中にキャリーとランの基準値がないからです。

4 バックスイングとフォローの大きさが大体同じ

30ヤード以内くらいのアプローチで顕著ですが、寄る人は結果的にバックスイングとフォローの大きさが、ほぼ左右対称になっています。こうなっていると、いつも同じクラブスピードでインパクトできるので距離感が合ってきます。ちなみにアプローチの距離が長くなるに従ってフォローが大きくなります。

一方、寄らない人は双方の大きさがいつもバラバラです。多くはバックスイングが大きくてフォローが小さい。これだとダウンスイングで無理に加速することになりインパクトのスピードが一定になりません。理想は結果的に左右対称になることですが、インパクトスピードを一定にしたければ、左右対称にすることを目標に練習してもいいでしょう。

5 レベルブローで打っている

ヘッドの入射角も寄るか寄らないかを左右する要素で、寄る人はインパクト前後でヘッドが地面と平行に近い、レベルブローになっています。これがベースになるとインパクトロフトが一定になります。打球の上がり方が安定するので距離感が出てきます。

寄らない人はダウンブローやアッパブローになっていて弾道が一定しません。まともに当たっても、その都度、飛んだり飛ばなかったりになる。ザックリやトップの温床にもなります。それならダウンブローやアッパーブローで固めよう、と思う人もいるかもしれませんが、レベルブローに比べるとミート率が下がるのでおすすめできません。

6 次のパットを考えて打っている

寄る人はカップインを狙わず常に寄せようとしています。ボールが止まるところまでイメージしていますから、カップの周りに集まってきます。カップインを狙うと距離感がお留守になります。「あわよくば入れたい!」などと考えてカップばかり意識すると、パンチが入ってオーバーしたりトップも出やすくなります。

なぜ寄せたいかといえば、次のパットを楽にするため。それなら、どこに打てば楽になるかを考えるのがスジです。寄せワンとはアプローチとパットがワンセットになってはじめて成立するもの。例えば上りのストレートラインを残せると寄せワン率が上がると言われますが、それだけでなく狙いも明確になります。常に2つの関係性を考えることが大事で「寄ればどこでもいいや」では、難しいラインに止まってワンパットで済まないことにもなりかねません。

7 1本のウェッジを打ち込んでいる

アプローチ巧者の多くは1つのウェッジを徹底して打ち込んだ時期があるように思います。練習もラウンドも「これ!」と決めた1本でやり通す。こうすることでアプローチの基礎ができます。また、その1本があることで他のウェッジとの違いが明確にわかるようになります。

うまくいかないとすぐにクラブを替えてみたり、買い替える人もいますが、そのたびに振り出しに戻ってしまい、フィーリングや距離感がなかなか出ません。ある程度満足がいくウェッジがあるなら、それを1年くらいは使い続け、相棒と言えるくらいの存在にするのがいいと思います。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。