米女子ツアー予選会第1週を勝ち残った渋野日向子の勝負の最終週を展望|レックス倉本が解説!

2021/12/06 ゴルフサプリ編集部



QT72ホールを終えて24位で折り返したのは、渋野選手の底力以外の何物でもありません。初日はまさかの2オーバーで出遅れ、翌日はイーブン。しかし、3日目は7バーディ・1ボギーの66で大爆発! そして、4日目はパー5でのダブルボギーがありながら、2アンダーでトータル6アンダー。堂々の折り返しと言えるでしょう。渋野日向子の来シーズンのアメリカ挑戦への道が大きく開きました。勝負のQT最終週を展望します。

現在45位ラインは2アンダー、渋野選手は4打も余裕があります。そして上位陣もエミリー・ペデルセン、ジェマ・ドライボロ、アタヤ・ティクル、チョイ・ハイジンをはじめ実力者がいますが、渋野選手の実力は一日の長があります。

24位から下位の選手を見てもアン・バンダム、ヌーティネン、K・ギルマン以外は明らかな格下の選手たち。おそらく来週のセカンドラウンドが終わった時点で渋野選手はさらに上位になり、下位との差はかなり開くでしょう。

12月9日からの1日目、2日目を無難に通過さえできれば、普段、日本で戦っている時の優勝、あるいは上位を狙う感覚の試合運びが出来て、45位のプレッシャーから解放され始める展開が待っていると思います。

仮に上位フィニッシュでなくとも、45位以内なら渋野選手の場合は状況が変わるチャンスがあります。様々な報道で上位20位以内ならある程度、下位なら45位以内でも出場は限定的と言われているアメリカのQTです。しかし、彼女の場合は条件がちょっと違います。なぜなら全英女子オープンチャンピオンだからです。

渋野選手は、来年のメジャー第1戦Chevron Championshipの出場権を持っています。それは過去5年間のメジャー優勝者に与えられるカテゴリーで、タイトルスポンサーが変わった来シーズンもかなりの確率で採用されます。

その試合で予選さえ通過したら仮にQTで下位でも45位以内で通過したら状況が変わってきます。翌週のハワイの試合の後に例年なら第1回目のリランキングが行われ、予選通過者が一気にQTランキング上位になり、それ以降の試合の優先順位から、ほぼ全戦出場できるようになるのが例年のパターンです。 

将来が決まる独特のQTの雰囲気を消化したあとの第2週、渋野選手らしいプレーの後には来シーズンのアメリカツアー挑戦が待ち受けています。45位以内は間違いないと思います。

その挑戦への過程を、余裕を持ちながらも、ハラハラ、ドキドキしつつ見守ろうと思います。

【2021 Qシリーズ 第1週(12月2日〜5日)結果】
古江彩佳はだ1週の最終日を4バーディ・2ボギーの「70」でプレーして通算11アンダー、1週目を7位で終えた。初日、2日目で苦戦した渋野の最終日は5バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「69」、通算6アンダーとして24位という位置から12月9日からの予選会最終週に挑む。2022年米女子ツアーの出場資格は45位以内に入れば得られる。