スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.35
コースプレーに付きものの斜面ショット。技術的にも難しい場面だが、マネジメント的な思考に立ってシンプルな作戦で攻めれば好結果につながりやすいという。また、集中力を高めるコツも知っておくとミスが驚くほど減って、90切りのチャンスがやってくる。
ゴルフトゥデイ本誌595号/106〜107ページより
日本のゴルフコースの大抵は丘陵地に造られていて、傾斜地から打つ場面が必然的に増えます。こんなときはどうすればいいかといえば技術的な話になってしまうところですが、ここではマネジメントについて一緒に考えてみましょう。
たとえばツマ先上がりならボールが左に飛びやすいから右を向いて構えるとか、ツマ先下がりでは右に飛びやすい点を計算に入れて左を向くなどといいますよね。フルショットするとバランスを崩しやすいので、大きめのクラブを持ってフルショットの4分の3くらいの振り幅のスリークォーターショットで打つようにと教えられた人も多いと思います。
それも1つの方法ですが、私がオススメしたいのはユーティリティクラブを持って、スリークォーターショットよりもっと小さいスイングで打つこと。クラブは5番ウッドや7番ウッドでもいいですし、振り幅は胸や腰くらいの高さのハーフスイングと考えてください。時計盤でいえば9時から3時までくらいのスイングです。
ピンまで残り140ヤードのツマ先下がりで、通常は8番アイアンだけど一番手大きい7番アイアンを使おうかなと考えたとします。こういう場面ではユーティリティクラブを短く持ち、ハーフスイングで低い球を打つのです。小さいスイングなら下半身のバランスが保ちやすくてミートしやすいし、曲がり幅を計算しなくていいから、ピンに向かって真っすぐ打てます。グリーンに届かなくても、次のショットにつなぐことができてスコアがまとまりやすくなります。
プロたちも傾斜がきつめで方向をコントロールしにくいなと思ったら、こうした作戦を立てるケースがよくあります。ピンまでピッタリのクラブを持ち、フルショットするのは絶対禁物。スイングが制御不能となり、取り返しのつかないミスを招いて大叩きしてしまいますよ。