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打ち上げ、打ち下ろしの計算はどうやっている? 上手くいかない理由はコレ!

【ダグ三瓶】

2025/07/06 ゴルフサプリ編集部

前回の持ち球別の狙い方に続き、打ち上げ打ち下ろしの考え方、クラブ選択をダグ三瓶に聞いてみた。

右サイドのピンポジションを狙う際はもう少し複雑になってきます。今度は先ほどとは逆向きのレダングリーンの右サイドピンを狙ってみましょう。

じつは右打ちの方にとって、右ピンの方が難易度が高いです。
それはドローボールでも、フェードボールでもミスをした時にグリーンを外しやすいからです。

シンプルに、右にピンだからフェードということで狙っていくと、曲がりすぎるミスの場合、ピンより右にグリーンはないですから乗りませんし、飛ばないショットになると、レダン形状では右手前はグリーンではないので、同様に、グリーン上にボールが残ることが難しくなります。

逆にドローボールの方が、ミスして曲がりすぎてもグリーンに残りやすいですが、狙い目が、ピンより右に向くということはグリーン上を向けないので、もしかしたらバンカーや池を狙わなければなりませんので、かなり度胸が要りますよね!
つまりは、右ピンを狙う際の安全策は、飛びすぎを警戒して、一番手下げて、ピン方向打ちだしのドローか、距離通りの番手を持ってセンター狙いのフェードで攻めるという、両方ともセーフティな狙いが必要となっていくでしょう。

なかなか両方に曲げるようになるには高度な技術と、豊富な練習量が求められますので、まずは、持ち球をはっきりとして、その持ち球のコントロール性を上げていき、どちらかの球を磨いていって、上記のような考え方でピンを狙っていっていただけると嬉しいです。

プロや上級者に、フェードボールを持ち球にする方が多いのは、フェードボールの方が、端っこに切られたピンを狙っていく際に、どちらサイドでも狙えるからという理由があるからかもしれません。

レダン形状でピン位置が右の安全策は、フェードなら番手通りでセンター狙い、ドローなら一番手下げてピン狙い。

球の高い低いはどうする?

つづいて、球の高低のお話に行きましょう。
これは、打ち上げ、打ち下ろしのホールの攻め方で考えてみましょう。

最近の距離計測計には、高低差が出るものも多く、そこに計算値を表示してくれるものも増えています。
あの計算式は、シンプルで、10ヤードの上りであれば、10ヤード遠くまで打ちましょうという感じになっています。
もちろん、その計算値が間違っているとは思いませんが、どのような球で打っていったらその計算式通りの距離になるのか?を考えたことはありますか?
実は、そこが一番重要です!

例えば、ピンまで150ヤード、上り5ヤードみたいなシチュエーションだとしましょう。
距離計測計には、きっと直線距離150ヤード、上りを入れて155ヤードと表示されることでしょう。
ですが、では単純に普段150ヤードを狙っている7番アイアンではなく、一番手大きくして6番アイアンにすればよいのか?というとそれでも届かない時などありませんか?
実はそこにからくりがあるわけです。

7番アイアンで150ヤードとした時に、その7番アイアンと同様の球の高さで打っていった時に、155ヤードで良いですよ!というのが、この上り入れて155ヤードと意味合いになっています。
では、6番アイアンで実際に打ったら、同じ高さになりますか?

もちろん、打てる人もいらっしゃると思いますが、一般的には、6番アイアンの方がロフトは立っているので、球が低くなる人が多いでしょう。
そうなると、上りが5ヤードしかなくても、球が上がりきらずにキャリー不足でショートということもあり得るということです。

また、基本的にはグリーンが高台にある時は、フェアウェイも左足上がりになることも多いですよね!
となると、今度は逆に、6番アイアンで打ったつもりが、7番アイアンのロフト角でインパクトすることもあり得ますので、その結果として距離が合ったり、逆にショートしてしまったりすることもあり得るでしょう。

という具合に、どのような球筋が出るか?によって、その狙える距離は変わってきます。
もしかしたら、打ち上げが強いグリーンに対しては、ボールがどんどん上がらなくなるロングアイアンを持つような状況では、キャリーはほとんど変わらなかったり、逆に短いアイアンの方が近づけられたりということもあり得るでしょう。

そうならないためにも、自身の番手ごとの球筋の高さというものを把握しておくべきだと思います。

前回挙げました、ツアープロの平均値をご参考に、ローンチモニターで自身の番手ごとのボール初速、打ち出し角、バックスピン量、およびピークハイト(球筋の頂点の高さ)などを抑えておくとよいでしょう。


プロの番手別弾道データはここで見れる

実際の数値も大事ですが、どの番手までは、球の高さが確保できているのか?というような把握をされるとよいと思います。

その上で、もし高さが得られないクラブが入っているなら、ロフトの立っている番手は、球筋が上がりやすいモデルに変えて行ったり、ユーティリティやショートウッドで補っていったりするのが良いでしょう。

つまりは、平坦なところでの番手間の距離を目指すのが第一段階として、かつ、こういった上りでも距離感を出せるようにセッティングした方が、より実践的であると考えていただけると嬉しいです。

打ち下ろしのほうが距離感は難しい

続いて、打ち下ろしの場合も同様に考えてみましょう。
今度は逆に、球が低ければ低いほど、前に行くようになり、飛んでしまうということが起きますし、風の影響も受けやすいです。
よく大きな打ち下ろしのパー3で大オーバー何てご経験はあるのではないでしょうか?
これは、やはり自身の球筋を把握できていないことから起こる、判断ミスだと考えてください。

長い距離の場合は、この低い球筋による飛びすぎ問題があるでしょう。
逆に短い番手で打つ場合は、上がりすぎて距離感が合わないということも起こりえます。

実は、上りよりも下り(打ち下ろし)の方がはるかに距離感を合わせるのが難しいです。
打ち下ろしのティショットではいつもより飛んで気持ちいい!なんてことが起きますが、グリーンを狙っていくショットが大オーバーしてしまっては大問題です!

そうならないためにも、自身の球筋による距離感をつかんでおく必要性があります。
ここはもしかしたら上級者の領域かもしれませんが、コース攻略のためには必須条件とさせてください。

数値的な把握も大事ですが、ここは屋外の練習場で、例えば2階以上の高いところの打席からの練習でも良いかもしれません。
練習ボールだと、正確な距離まではつかめないかもしれませんが、番手ごとのボールの高さの相対的な違いや、相対的な距離の差をつかめると思います。
是非、お試しください。

もう少し上級者のお話を入れさせていただくと、その際に、どの番手で打っても、同じ落としどころになるようになれれば、もっといいです!
これは、例えば、風の強い日の打ち下ろしのショットなどで有効です。
例えば、130ヤードで20ヤードくらいの打ち下ろしホールだったとしましょう。
普段だったらPWくらいで届く距離かもしれません。

ですが、強めのアゲンストだったらどうしますか?
風の具合だけを考えたら、9番くらいでも届きそうなのですが、打ち下ろしで、いつも通り9番の高さで打ってしまうと、すごいショート、なんてことが起こるかもしれません。

そこで、例えば、8番くらいで、120ヤードを低い球で打てるように練習しておくと、それが使えたりします。
もちろん低い球を打ってもアゲンストの影響はゼロではないですから、逆にアゲンストで球が止まりやすくなることを利用して、低く出してもオーバーしにくいと考えて狙っていきます。
風の影響を受けにくいが止まりやすい球筋で、大きめの番手で、しっかりとその狙った距離だけを打っていくことで、大ショートしたり、大オーバーしたりするリスクを減らしてみましょう。

そして、その上で、前述しましたように、アプローチショットの引き出しを基に、戦略を立てていくのが、本来のコースマネジメントとなります。

とかく、パーオンすることが正義となりがちではありますが、アマチュアゴルファーの究極の目標はパープレーとすれば、それは、パーオンだけで実現しなければならないものではありません。

パー4なら3オン1パットが続けられれば、その積み重ねがパープレーとなります。
もし、パターが入らなくてもボギーで収まる可能性が高いですよね!
そうなれば、90以上打つことはまれになってきます。

確実にボギーを確保しつつ、パーを狙っていくゴルフのためには、これまで述べてきた要素があればあるほど、確率が高くなると考えてください。

すこし高度なお話になりつつありますが、次回以降は、こういった考えを基に、コースをどのように見ていくのか? というようなお話をさせてください。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。

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