タイガーの登場でギャラリーのテンションは最高潮!ザ・ジェネシスインビテーショナル裏話

レックス倉本のGOLFアメリカンな話”ちょっと聞いて〜や‼︎”/第18回

2022/02/26 ゴルフサプリ編集部 レックス倉本



2週間の西海岸遠征からオーランドに戻りました。すっかり顔は白黒のツートンカラー焼け。サングラスと帽子で日差しをカバーしていたところ以外は真っ黒けになりました。今回は先週のタイガーがホストでもあるザ・ジェネシスインビテーショナルで見てきた初日から首位を守って勝利したホアキム・ニーマンの最終日の苦しい?表情やプレーぶり、そして、プレーをしてなくても存在感満点のタイガー、舞台となったリビエラGCの面白さをお伝えします。

ツアー2勝目をあげたホアキン・ニーマン。初日から首位を走り、3日目の時点で2位以下と数打差をつけて大会優勝スコアー記録の21アンダーまでスコアーを伸ばし、このまま最終日も突っ走るのかと思いきや、大会会場のリビエラGCはそう簡単には勝たしてくれませんでしたね。

最終日バックナインに入って11番でイーグルを取って2位との差を大きく開げたあと、14番でアプローチをミスしてボギー、15番ではニーマンを追いかけていたヤングがチップインのバーディーを取りニーマンは寄らず入らずのボギーで2打差となる展開になったときには、いやー、もうホールを追うごとにニーマンの顔が白くなってきて、こわばって、一緒にプレーしているヤングとホブランドのプレーも見たいんだけど見たくない、視点がうまく定まらないような様子がすぐそばにいる私にも伝わってきました。優勝するって本当に苦しい、大変です。

ニーマンはショットメーカーとしての印象が強い選手ですが、彼のスイングの特徴でもあり素晴らしいところは、ダウンスイングで肩が縦回転をしてして右肩が下がってきて頭も沈んでくるんですが、右手の肘、手首の位置がアドレスとインパクトでほぼほぼ一緒なんですよね。高さが変わらないんです。

なのでフェースコントロールがすごくしやすいスイングなんです。尚且つ、あれだけ上体が沈んでターンしてくるので身体のトルク(捻れ)もできるからそこでもヘッドスピードが生まれるんですよね。彼オリジナルなスイングです。初日の練習場から彼の身体のキレは素晴らしく、遠くから見ていても目を引くものがあって調子の良さを表していました。

今回ニーマンの最終日バックナインを苦しめた要因のひとつにリビエラGCのコースの難しさがあります。放送の映像ではニーマンが(他の選手もそうなんですが)結構ティーショットを曲げているような印象を持った方は多いと思いますが、これはこのコースがドッグレッグが多くフェアウェイが狭いこと、そして、ティショットを放つ入り口が狭いこと(フェアウェイに向かう入り口に大きなユーカリの木が両サイドから迫り出しているなど)があって、その狭い入り口に対してドッグレッグしているフェアウェイにボールを曲げていかなければならないんです。そのことが選手たちに簡単にショットを打たせてくれなくしているんです。

確か、3日目が終わった時点でジャスティン・トーマスがフェアウェイキープ率が70%台で1位だったんです。通常の試合では80%台になるんですが、トーマスは基本ボールを左右に曲げて攻める選手で距離も出るので普段は1年間通してもフェアウェイキープ率が1位になることはほぼほぼないんですが、その彼が1位になっているということはいかにボールを曲げながら攻めることを要求するコースであることを表しています。

なのでニーマンがボールをすごく曲げていたように見えていたかもしれないけど、実は他の違う試合だったらそこまで曲がっている映像にはならなかったと思うし、これがリビエラの難しさと思ってもいいと思います。もちろん、緊張もしていつもより身体を振って右にブロックするショットの方が多かったように思いますが、それも左に曲がるのを気にして結果的にそうなるんだと思いますが、リビエラを攻略する上ではそれはそれでコントロールできていたミスだと私は分析しています。

そして、なんと言っても先週はプレーはしませんでしたがタイガーが今大会の主役だったと言っても間違いないかと思います。試合前のプレスインタビューでは私も1週間を通して一番心拍数が上がる瞬間でしたし、試合が始まれば放送ブースにタイガーが入りかなりの時間をタイガーの話を聞くことに費やし解説のファルドでさえもタイガーのことをガン見してタイガーの話を聞き入っていた姿も印象的でした。