スコア80台でラウンドするためのゴルフ学|メンタル&マネジメント VOL.37
ゴルフプレーは様々な状況との出会いだ。目上の人に丁寧に挨拶するようにピンの手前から謙虚に攻めるのがスコアメイクのセオリーだが、ときにはピンの背後から大胆に攻めることも必要になる。ワングリーンのコースでよく見る二段グリーンもその一つだ。
ゴルフトゥデイ本誌597号/90〜91ページより
二段グリーンの攻略は結構難しくて、しっかりした作戦を立てないと大叩きしやすい場面です。ピンの位置が二段グリーンの奥で、残りの距離は70ヤードの状況を考えてみましょう。この場面でピンの手前から攻めようとして、キャリーが少し足りなくて上の段まで届かず、下の段にコロがり落ちてしまうことがよくあるでしょう。急な段差を上り切らなくてはならない15メートル近くのロングパットが残ってしまったら、もうアウト。ラインをイメージしづらい上に、距離感が合いにくくて3パット、4パットの結果が目に見えています。
私ならこの場面ではキャリーで奥のピンをダイレクトに攻めます。ただし条件があって、グリーンをオーバーしてもいいと割り切って打ちます。二段グリーンでも段差があまりなければピッチエンドランでピンの手前から攻めますが、段差が大きければ下の段はグリーンではないと思ったほうがいいと思います。
砲台グリーンに向かって打つような感覚です。70ヤードくらいの砲台グリーンって、意外と手前にショートしやすいですよね。ピンが段差から離れているほど、ピンにきっちりと届かせる気持ちで打ちましょう。キャリーが足りずに下の段で止まってしまう最悪の事態を避けるのが先決なので、ピンの奥5ヤードや10ヤードは全然OKですし、奥のカラーまでいっても許容範囲と考えてください。
「ピンの奥までいってもいい」と思わないと打てる場所がなくなってしまいます。「手前はダメ、奥もダメ」と中途半端な気持ちで打つのが一番良くないのです。技術的なアドバイスを加えるとすれば、インパクトが絶対に緩まないように左ワキをしっかり締めて打つといいと思います。
ただしピンの位置が下の段ならオーバーは絶対に禁物。ピンの手前から攻めていきましょう。