ステルスアイアンは1モデルだけで勝負する孤高のアイアンか?!

新しいステルスアイアンをコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/03/11 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



ステルス アイアン

新しい『ステルス』シリーズには、アイアンが一種類しか発売されない。競合他社は数種類から選べるし、今まではテーラーメイドも同様だった。コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。

撮影/篠原嗣典

テーラーメイドは、2022年4月1日に新しい『ステルス アイアン』を発売する。

コピーは、“スコアメイクの武器に、ステルスアイアンを”である。

テーラーメイドのメインブランドのアイアンは、今まで、スタンダードモデル、『MAX』、『MAX OS』というように複数のラインアップを用意し、色々な層のゴルファーが自分に合うものを選べるようにしていた。
しかし、今回の新製品は、『ステルス アイアン』の一種類だけなのだ。

スペックを見てみると、7番でロフト28度ということで、ぶっ飛び系アイアンに分類される。
スタンダードモデルにも新しい時代が来たというメッセージなのか?
それとも、他に意図があるのか?
『ステルス アイアン』は、ラインアップ不要の万能なアイアンなのか?
何とも不思議である。

『SIM』シリーズにおいて、数代に渡って、正直に書くと、アイアンについては不満があった。『P』シリーズのアイアンは上手く作ってあると感心できるのに、メインブランドのアイアンは、机上の理論で空回りしているというか、詰め込みすぎで渋滞しているというか……
だから、『ステルス アイアン』の一種類だけしか出ないということ知ったときに「無駄な抵抗はやめる」と決断したということなのか、と、一瞬、頭の中を過ったのだ。

じっくりと『ステルス アイアン』を見てみると、ネックやソールに、目に見えてわかるテーラーメイドのテクノロジーが詰まっている。

「トウラップテクノロジー」で、フェースを極限まで薄くして、バックフェースのトウ側までえぐって、飛距離と寛容性をアップし、裏側から蓋をすることでヘッドの剛性を向上させるのが「キャップバッグデザイン」である。

複合的なテクノロジーで、初速を上げ、徹底した低重心で高弾道を打ちやすくしたのが『ステルス アイアン』のようだ。

実質的には、中空アイアンなのだ。
一種類だけの答えがわかったような気がした。時代は、キャビティバックを通り越して、中空アイアンにシフトしてつつある。
やさしい中空アイアンとしてのポジション一つで、多くのゴルファーが使えるクラブになったということのようである。

そうとわかれば、『ステルス アイアン』への期待は倍増する。楽しみながら、コースで打つことになったのである。