USツアープロから学ぶとばしのテクニック『ジャック・ニクラス編』
30年前とばしのテクニック取材を振り返る Part1【ゴルフトゥデイ創刊600号記念】
ゴルフトゥデイ創刊号をゴルフサプリでご紹介する企画。30年前に掲載されたUSツアープロのジャック・ニクラスへのレッスンを取材して記事にしました。創刊号当時の編集長のコメントとともにお届けします。
GOLF TODAY本誌 創刊号/35~37ページより
日本のプロツアーでは練習日にプロに依頼してレッスンカットを撮影したり、取材もするのが通常だが、PGAツアーでは、試合中にプレーヤーに何かをやってもらうことは基本的にはない。それが常識となっていて、レッスンページを作成するときは、別の日に別のコースを取っての撮影となります。したがって掲載したスイングの連続写真はかなりグレーな撮影だった。
それでも最新のドライバーショットの連続写真を創刊号に掲載して読者にとどけたいという思いでのトライでした。
ニューヨーク在住のカメラマンのカズ高橋と太陽光線の向きとしてベストのティーイングエリアに陣取って、練習ラウンドする選手に次々と声をかけていった。多くの選手は「OK!」とか「シュア!」「ノープロブレム」と言ってくれてホッとした。しかし一人だけはっきりと「NO!」と言ったのがボビー・ワドキンス。日本ツアーの太平洋クラブマスターズにも出場し優勝したこともある選手。気難しくて、変わり者ということは知ってはいたが、まさかの対応でギクリとさせられた。
しかしそばにいたボランティアのおじさんが、ボビーが去っていった瞬間に「スチューピッド!」といって親指を下に向けて我々にウインクをくれた。それで我々も笑顔にもどることができた。
また、ジャック・ニクラスは本当に威厳と貫禄があり、遠くにいてもわかるくらいだった。そのジャックにもおそるおそる声をかけたのだが、彼は何も反応しなかった。そこで咄嗟に「サンキュー!」と勝手に言って、ことなきを得た次第。ジャックは一言も発せずに我々を振り向きもせずにフェアウエイに向かって歩き出した姿は、これまた格好良くて、他の多くのプレーヤーとはまったく違う空気をまとっていた。