キャロウェイ『E・R・C ボール ボールド レッド』は早い者勝ちだが打つ価値あり!!

キャロウェイの『E・R・C ボール ボールド レッド』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/05/09 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



キャロウェイの『E・R・C ボール ボールド レッド』

『E・R・C ボール ボールド レッド』は、コスパ最高で、高機能、使って楽しい!

撮影/篠原嗣典

キャロウェイは、2019年秋に『E・R・C ボール ボールド レッド』を発売した。

3年振りのモデルチェンジで、大幅に高機能になったのにお値段は据え置き。キャロウェイ初のマットカラーボールということでも、話題性は十分だったが……
翌年に始まったコロナ禍で、当初、日本のゴルフ業界は自粛ムードで静かになってしまって、『E・R・C ボール ボールド レッド』は、ドーンと売れるタイミングを逃した。結果として、知っているゴルファーだけが評価して、使い続けてきたというボールになっていたのである。

インプレ=新製品ということで、『E・R・C ボール ボールド レッド』は試打しないまま時間は過ぎた。
しかし、先日、ゴルフショップの取材をしていて、雑談中に『E・R・C ボール ボールド レッド』が話題になったのだ。
「近年でいうと、E・R・C ボール ボールド レッドが、機能だけではなく、コスパとか面白さまで含めた総合的な成績表ならぶっちぎりの一番ですよ。供給がイマイチだったのが足を引っ張りましたが、もし、コロナがなかったら、記録的な大ヒットボールになったと思います」

こんなふうに聞かされて、注目しないわけはない。別の関係者に聞いてみると、異口同音に、“隠れた悲劇の名器ボール”と言う。
新製品ではないけれど、急遽、試打をすることにしたというが、経緯なのである。

『E・R・C ボール ボールド レッド』は、“飛びの力、バージョンアップ 初展開のボールドカラーも楽しい!”というコピーだ。

構造は3ピースで、大型のコアでぶっ飛ばすというテクノロジーである。
一昔の前の高性能3ピースを彷彿させる。
熟成された技術を詰め込んだオールマイティーな大型コアで勝負するというのは、一見、工夫がないと思われがちであるが、過去のボールの歴史を振り返ると、確実に成果を出すハウツーとして王道だったりもするのだ。

見た目が、ゴルファーを楽しませるという機能になっている。
マットな赤の発色はきれいだし、パッケージはゴールドなのだ。ショップで箱に入っているのを見ても、思いっ切り目立つし、コースでも遠目からでも主張が強いことは想像できる。

さらに、ボールナンバーは3桁の111、333、555、777だし、大きなアライメントラインもプリントされている。
この手のボールで、きめ細かく、ちょっとずつ、特別感を選出しているという意味で『E・R・C ボール ボールド レッド』に賞賛の拍手を贈りたい。

ゴルフボールは、大まかに価格帯に二つに分類される。高価格と低価格だ。
近年はそれが4つに分かれる傾向があるという。
超高価格は、販売価格で1個600円以上。高価格は、1個500円程度。中価格は、1個300円程度。低価格は1個200円以下。
『E・R・C ボール ボールド レッド』は、中価格のボールだという。

中価格ボールは、ロストボールや低価格のボールからは卒業したいが、各メーカーのメインブランドのボールを使うまでのレベルではない、と考えるゴルファーが中心に使うという。

僕は面白がって、低価格のボールのインプレを機会があればやるように意識しているのだが、実は、中価格のボールとの区別があるとは考えていなかった。
とはいえ、ショップの現場からすると、低価格ボールと中価格ボールは全く違うものらしい。
低価格ボールは、「安かろう悪かろう」が許される雰囲気があるが、中価格ボールは「機能で選ぶので、結果が出ることを求められる」というのだ。

改めて、『E・R・C ボール ボールド レッド』を見てみる。
キャロウェイにとって、『E・R・C』は飛距離にこだわったブランドであり、ボールのシェアを伸ばしているキャロウェイにとって、負けられないゾーンを担当しているのが『E・R・C ボール ボールド レッド』だということがわかってくる。

早速、コースに持ち込んで、『E・R・C ボール ボールド レッド』をじっくりと試打をしてみた。