初めての競技ゴルフ。“パブ選”に挑戦する「金無いのにゴルフやってるオヤジ」
金無いのにゴルフやってるオヤジのはなし 第10話
前回の記事で、25歳でゴルフを始めて、生涯通算11ラウンド目に9本のクラブで、初の100切りを達成した話を書きました。その3ラウンド後に全日本パブリックアマチュアゴルフ選手権(現、全日本アマチュアゴルファーズ選手権)の東日本地区予選に出場します。今回は、その無謀なラウンドを振り返ってみたいと思います。
通算11ラウンド目に100切りを達成したころです。年間ラウンド数は少ないものの、どうすればいいスコアを出せるかを考え、練習して、100切りを達成することができました。以前に書いたように、運動音痴かつ非力だったために小学生でスポーツを諦めた私にとって、ゴルフは、これまでの人生で一番真面目に取り組んだスポーツでした。
そして、ここまで頑張ったのだから、一度は、真面目にスポーツとして取り組んでいる人たちの中で戦ってみたいという気持ちが湧いてきました。ゴルフコースの会員権を持っている方なら、月例という競技があります。しかし、このころ、1990年代後半は、まだ、バブルの雰囲気が色濃く残っていて、首都圏の普通のゴルフコースでも会員権は数百万円という時代でしたので、金銭的に少々余裕があった独身時代でも会員権購入は不可能でした。
なにか良い競技はないかと探していると、全日本パブリックアマチュアゴルフ選手権(現、全日本アマチュアゴルファーズ選手権)という大会を見つけました。
通称、パブリック選手権と言っていましたが、パブリックというだけあって、誰でも参加できます。ただし、出場資格に「ハンディキャップは20.0程度までが望ましい」という文言がありました。
出場の申し込みの際、公式のハンディキャップの申告は必須ではありませんが、ハンディキャップ20の実力と言うと、Par72に20打足して、92打で回ってくる実力は付けてきてくださいねということになります。とは言っても、ゴルフのスコアは波があるので、日ごろ92打で回れる実力があっても、調子悪ければ100を超えることは普通にあるでしょう。
よって、私が予選で100を切りさえすれば、「あんた、なんでここにいるの?」と思われることはないだろうと考えました。
予選通過するなどということはとうてい不可能ですが、目標はズバリ、「人並みに戦う、ビリにはならない」というものでした。低いレベルの目標だなと思われるかもしれませんが、第1話で書いたような運動音痴&非力な人間からすれば、ゴルフに真面目に取り組んでいる人たちの中で、人並みに戦うことができれば、それだけでも大きな成果であると考えていました。