ボーケイ SM9は、見た目よりも何倍も進化したウェッジになった!

タイトリストの『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/05/22 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ

『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』は、王道のウェッジとしてパフォーマンスするか? コースに持ち込んで、その謎を紐解き、レポートする。

撮影/篠原嗣典

タイトリストは2022年3月11日に『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』を発売した。

『VOKEY ウェッジ』といえば、米ツアーでの使用率が50%を越えることもある王道中の王道を行くウェッジである。
『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』のコピーは、“先進技術とクラフトマンシップの結集”だ。

ウェッジは、VOKEYじゃないと使えない、という熱心なファンも存在する。
2年おきに、ニューモデルにモデルチェンジされるたびに、自然と注目は集まるというわけだ。

『VOKEY ウェッジ』は、ツアーでの使用率が高く、ツアープロの要望に応える形で進化を続けた結果、ウェッジとしての完成度を高めていった。しかし、ウェッジに求められる個別のこだわりや、機能に応えようとし過ぎて、肝心の基本性能に少し問題が出てしまう傾向が発生してしまった。
具体的に書くと、一部のグラインドのウェッジが、ロフト通りに飛ばない現象が発生していたのだ。
それが狙いだったり、納得して使うのであれば、何ら問題はなく、チューニングだともいえるが、ゴルファーにとっては、必要なロフト角を選んだのに、結果が出ない、という結果になってしまうのだ。

前モデルの『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』から、基本性能を見直して、ロフト通りに飛ぶこと、重心の位置が全てのロフトやグラインドで同じになることなどをテーマに開発し直したのだ。ツアープロにも、アマチュアにも、それは大歓迎されて、僕も自分が知る中で、最も高機能で使いやすいボーケイだと絶賛したのだった。

新しい『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』は、まず見た目でわかることが二点ある。

リーディングエッジとネックの繋がりをスムーズに見せるために、フェースのヒールサイドの処理が少し変わった。結果として、以前より、ラインが見えるようになったので、スクエアに構えやすいだけではなく、イメージ通りにフェースを開きやすくなり、違和感なくアドレスして、狙えるようになったのだ。

もう一つは、バックフェースの肉厚も、トゥ側上部に厚みが増した。これは開いて打つときに、当たり負けする感触を嫌うツアープロのリクエストに応えたものだという。

テクノロジーとしては、ロフト別に最適な重心に設計した「プログレッシブCG」を更に進化させて、スクエアインパクトを助ける「フォワードCG」も、ロフト角とグラインドに合わせて最適化したという。

『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』は、前モデルの完成度に、更に磨きをかけた、という感じである。
個人的には、アドレス時に、やや面長に感じる雰囲気はそのままに、ネック周りはシュッとして、無駄がなくなったように見えて、好感触を持った。

今回、56度のロフトで、『F グラインド』『M グラインド』『S グラインド』『D グラインド』の4種類を試打して、グラインドごとの差があるかを含めてテストする。同時に、48度のロフトのウェッジも、ギャップウェッジとして注目されているので、その性能を確認してみることにした。

コースに持ち込んで、『VOKEY DESIGN SM9 ウェッジ』をじっくりと試打をしてみた。