未来から来たの? 人気のトラスとスパイダーが融合して特別なパターが生まれた!

テーラーメイドの『スパイダー GT TM2 パター』をコースに持ち込み、ロマン派ゴルフ作家が検証する!

2022/06/18 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典



テーラーメイドの『スパイダー GT TM2 パター』

『スパイダー GT TM2 パター』は、トラスホーゼルをセンターシャフト仕様にしたスパイダーのパター。さて、どんな効果があるのか? ロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典がコースに持ち込んでその謎を紐解き、レポートする。

撮影/篠原嗣典

テーラーメイドは、2022年7月上旬に『スパイダー GT TM2 パター』を発売する。

“人気シリーズの融合! プロも信頼を寄せるトラスがスパイダーGTに”というのがコピーである。

今年3月に発売された『スパイダー GT パター』は、スパイダーの最新モデルだ。
ヘッドの両サイドに、90g(片側)のウェイトを搭載して、総重量の約82%を左右に配置した重量配分。中央部はアルミニウム。広いスイートエリアが特徴だが、実際に打ってみると、それだけではない、操作性の高さも十分に感じさせるパターである。

その『スパイダー GT パター』に「トラスホーゼル」を融合したのが、『スパイダー GT TM1 パター』と『スパイダー GT TM2 パター』で、今回はセンターシャフト仕様になっている『スパイダー GT TM2 パター』を取り上げる。

書くまでもなく、「トラスホーゼル」は、国内女子ツアーで大人気だ。
すでに数え切れないほどの勝利に貢献した。

三角形のホーゼルは、それだけで目立つ。
ゴルフ規則で、ネックは1本と決められており、「トラスホーゼル」は、2本のネックを板で繋ぐような構造になっていて、2本のネックと裁定されれば違反になる。テーラーメイドは、その辺りは、全てクリアして市場に出したわけで、一体ネックとして規則上も問題なしとなって今日に至るのだ。

「トラスホーゼル」の強みは、フェースを安定させて、ブレさせないことだ。
規則で規制されるぐらいの効果が見込めるだが、実は、打つまでは、本当に効果があるか? 少し疑っていた。
しかし、少し前に『スパイダー GT TM1 パター』を打って、ビックリした。経験したことがないほど、フェースがブレなかったからだ。

スパイダーの最先端モデルとトラス構造ネックの融合で、1+1=2ではなく、1+1=3になるような期待をした『スパイダー GT TM1 パター』は、足し算どころか、かけ算で答えが出るパターだった。

『スパイダー GT TM2 パター』は、遠目では同じだが、よく見ると、全く違う。
『スパイダー GT TM1 パター』は、ネック寄りにカタカナの「ト」のような形状のトラスホーゼルが搭載されていて、アドレスビューでは、目立たないように工夫されている。

『スパイダー GT TM2 パター』は、センターシャフト仕様ということで、トラスホーゼルは大きな三角形で、ソールを見ると貫通しているネック部分は、トウとヒールに離れているのだ。
アドレスビューでは、フェースのど真ん中にトラスホーゼルが、ハッキリと見える。

この段階で、異形なパターだと、違和感でアウトという判定を下すゴルファーも少なくないと思う。
実は、初見のとき、僕もそうだった。
だから、試打も当初は『スパイダー GT TM1 パター』のみと考えていたのだ。

『スパイダー GT TM1 パター』が、素晴らしいデキで感動したのと、元々、蜘蛛使い(スパイダー型のパターの使用者)で、かつ、2年間はセンターシャフトの蜘蛛型を使っていたことから、『スパイダー GT TM2 パター』をテストするのは自分しかいない、という使命感に燃えたのである。

『スパイダー GT TM2 パター』を改め観察してみた。
フェースのすぐ後方に、板状のトラスホーゼルがあるのは、やはりかなりの違和感がある。
しかし、これが実際にボールを打ってみると、思いっ切り機能するのだ。フェースがブレない感じは、『スパイダー GT TM1 パター』よりも上だと実感した。
そして、ストロークがしやすい、のである。

コースに持ち込んで打つのが楽しみになった。