新人の活躍ラッシュで新陳代謝が急加速中のPGAツアー

佐渡充高のテレビでは語れなかったPGAツアー

2022/09/16 ゴルフサプリ編集部



新人王レースでトップを走るC・ヤング(左)と、ウェイクフォレスト大学ゴルフ部で1年先輩のW・ザラトリス(右)。ともにメジャーで優勝争いを演じ、その実力は折り紙付き。

ゴルフ番組やゴルフ雑誌ではあまり語られることのないトピックを、ゴルフジャーナリストやトーナメント中継の解説者として活躍する佐渡充高が取り上げ、独自の見解とともにお届けします。

GOLF TODAY本誌 No.604/115ページより
写真/Getty Images

ゴールドラッシュのごとく巨額マネーが話題のLIVゴルフだが、PGAツアーも「アフターLIVゴルフショック」へ向けて動き出した。新シーズンは史上最高額の賞金とボーナス、DPワールドツアー(欧州ツアー)との共催試合など特別な舞台をいくつも整えた。

中でも僕が最も期待するのは多くの実力派新人の出現だ。昨季の新人27人の内ランク125位内のシード権を維持したのは何と15人。例年、新人のシード権維持は3割程度で、5割超は極めて珍しい。

レギュラーシーズン終了時の最高位はキャメロン・ヤング(25歳)の9位。2位5回を記録し、中でもメジャー2試合のプレーは鮮烈な印象を残した。初出場の全米プロ選手権で3位タイ、同じく初出場で単独2位だった全英オープン最終日はシーズンのベストプレー。

最終18番でイーグルを決め通算19アンダー、勝者キャメロン・スミスに1打に迫った。シーズン最終戦では20歳のキム・ジョヒョン(トム・キム)が初優勝。最終日前半6バーディ、1イーグルの27の猛攻で2位に5打差の圧勝だった。チャド・レイミーに続き22年ルーキー2人目の優勝。さらに優勝争いの末2位入賞した新人は8人にものぼった。

そのため新人王レースもかつてないバトルの様相。ヤングに肉薄のデービス・ライリー(25歳)は3月バルスパー選手権でサム・バーンズとのプレーオフで2位。チリのミト・ペレイラ(27歳)もメジャーの全米プロ選手権で3位タイ。サヒス・ティガーラ(24歳)も6月トラベラーズ選手権最終日最終ホールでダボにし2位。あと一歩で優勝という好機が2回もあった。